ラスベガス・ネオンミュージアム〜ネオンサインの墓場があった!

公開日 : 2011年03月07日
最終更新 :
neonmuseum_2.jpg

記念撮影でいつもにぎわっている「Welcome to Fabulous Las Vegas」のサインに代表されるように、

ラスベガスにネオンサインはなくてはならないもの。

今でこそLEDの大画面広告に取って代わられていますが、古くは電球やネオン管を使った

味わいのある暖かいネオンサインが各ホテルの売り物でした。

1932年にフリーモントストリートにオープンした「Apache Hotel」が、初めてネオンサインを掲げてから

1960年代くらいまでにダウンタウンやストリップでは趣向をこらしたネオンサインが活躍していました。

その後、時代の流れとともにホテルがクローズしたり新しいデザインに変えられたりした際に、今までのネオンサインたちは取り外されて、行き場を失うことになるわけですが、

そういった役目を終えたネオンサインが集められた「The Boneyard」(ネオンサインの墓場)がダウンタウンにあります。

neonmuseum_92.jpg

実はこのboneyard、もともとネオンサインを作っているYESCO社が

各ホテルから引き上げてきたネオンサインの置き場所として使用していた空き地なのですが、

The Neon Museum(ネオンミュージアム)という非営利団体によって、

ネオンサイン保存の一環としてその名も「The Boneyard」として生まれ変わったものなんです。

約12,000㎡の空き地には、「墓場」という名前の通り、役目を終えたあとも長い間風雨にさらされて

色もあせてしまったネオンサインが150体(?)以上、ごろごろと地面に置かれているだけなのですが、

サインたちはそれぞれにストーリーがあり、ラスベガスの歴史を無言で語っているような気がします。

現在予約制で行なわれているツアーに参加すると、この「墓場」の中をツアーガイドの説明(英語)を聞きながら

約1時間ほどかけて見てまわることができます。

neonmuseum_4.jpg

まとまって歩くこと、ガイドから離れないこと、足元に気をつけて、等々細かい注意が。

確かに中は砂利道で、ガラス(電球やネオン管)の破片がちらばっていたり、

大きなネオンサインは倒れないように固定されてはいるものの、不要に触ったりしたらちょっと危なそう。

neonmuseum_5.jpg
neonmuseum_7.jpg

デザート・インは2001年、今のWynnホテルを建てるために取壊されました。

取り壊される直前には、映画Rush Hour2で、"Red Dragonホテル" として撮影に使われましたね。

neonmuseum_8.jpg

スターダストホテルは2007年に爆破解体されています。

neonmuseum_91.jpg

ネオンに飾られている「1905」はラスベガスが「市」となった、いわゆる誕生の年です。

neon_Fremont_street_1983.jpg

これは1983年のフリーモントストリート。(この通りに屋根が取り付けられて、現在のフリーモントエクスペリエンスが始まりました。)

「ゴールデンナゲット・ギャンブリングホール」 のネオンサインが見えますね。

neonmuseum_9.jpg

見覚えある方も多いのでは?

「t.i.」 と呼び方が変わる前のトレジャーアイランドの看板だった、海賊の顔です!

説明をききながらネオンサインの山の間を歩くこと約1時間。

興味深いストーリーをいくつも聞かせてくれるので、あっというまに時間が過ぎていきます。

ツアーは人気のようで、この日も40名ほどが参加しており、2つのグループに分かれてまわりました。

The Boneyardの敷地には2003年にクローズし、その後2006年までリビエラホテルの並びにあった、

La Concha Motel のロビー部分が復元されていまして、

ここは将来 The Boneyard のビジターセンターとして、生まれ変わる予定だそうです。

neonmuseum_1.jpg

この建物は建築家Paul Williamによるもので、彼はロサンゼルス空港にある

アーチが2本交差した印象的なあのタワーの設計者でもあります。

このロビー部分をここに移設するにあたっては、屋根の部分を8つのパーツに分解して運び入れ、組み立てられたのだとか。

neonmuseum_3.jpg

冒頭の写真は、この公園にできたネオンサインなのですが、実はすべて当時のネオンの複製で作られています。

- Nは ゴールデンナゲット(Golden Nugget)から

- Eは シーザースパレス(Caesars palace)から

- Oは ビニオンズ(Binnion's)から

- Nは ニュー・フロンティア(New Frontier)から

そして★のサインははスターダストから それぞれ選ばれています。

さて、役目を終えたネオンサインたちの中にも、みごとに蘇って昔と同じように人々の目を楽しませてくれているネオンもあります。

次回は、そんなネオンサインをご紹介しますね。

■ツアーについて:

現在のところ予約制。費用はドネーションという形で一人$15。

写真を撮る人については、撮影した写真は個人の使用のみで

商用にはしないと同意する必要があり、誓約書にサインをさせられます。

スケジュール等詳しくはネオンミュージアムのサイトにてご確認下さいね。

Neon Muesum

http://www.neonmuseum.org/index.html

*Boneyardはフリーモントエクスペリエンスから車で5分程度の場所ですが、

フリーモントストリート同様、周辺は治安が良いとは言いづらいところです。

夜間この周辺にでかけることは避けた方が良いでしょう。

(予約制のツアーはもちろん昼間行なわれますが、念のため)

筆者

アメリカ・ネバダ州特派員

石川 葉子

ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。