こんなところにローマ遺跡が?ラス・メドゥラス金鉱山跡

公開日 : 2019年01月23日
最終更新 :
筆者 : 石田妙

こんにちは。レオン特派員の石田妙です。

スペイン旅行にいらっしゃる方の多くが、世界遺産を見ることを旅の楽しみにしていることと思います。今回は、レオンにある世界遺産の一つ、ラス・メドゥラスと呼ばれる場所を紹介します。

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ラス・メドゥラスは、レオン県のビエルソという地域に位置し、ローマ帝国最大の金鉱山だったところです。

ローマ人が金山を発見する前から、この地域に住んでいた原住民はすでに金の採取を始めていましたが、紀元前26年から19年にかけてローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの時代に大規模な採掘が始められたのをきっかけに、250年にも渡って、ローマ帝国の最も重要な資源の一つであった砂金を産出していました。

いま見られる景色は、この時代の金の採取方法によるものです。というのも、いくつかの水源から集めておいた水を、山の内部に掘っておいたトンネルに一気に流して、水圧で山を計画的に崩し、集めた土砂の中から砂金を採るという技術です。歴史的に見ても、このような高度な技術が、大規模で用いられた古代文明の例は他にないといわれています。

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現在は赤く鋭くむき出しになっている山地に、栗や樫などの植物に一部が覆われた珍しい景観がみられます。1997年にユネスコの世界遺産に登録され、景色を楽しめるハイキングルートやローマ時代の歴史や技術が学べる博物館などを訪れることができます。料金を払えば、ローマ人が掘ったトンネルの中をガイドと一緒に歩けるルートなどもあり、ラス・メドゥラスの魅力を肌で感じてみたい方にはおすすめです。

外側からその全貌を眺めるには、近くの村オレジャンにある展望台がおすすめです。車でも展望台に直接行くことができ、たくさん歩くのが大変な場合でも、ラス・メドゥラスの景色を楽しむことができます。

この金鉱山で採掘した金の管理をするために建設されたといわれる都市、レオンの中心部から1時間半ほどですので、レオンで一日自由時間がある場合や、カミノデサンティアゴ巡礼を少し休憩して、訪れていただくこともできます。

金の集積地として栄えたアストルガも、ちょうどレオンとラス・メドゥラスの間に位置するので、組み合わせて訪れたい都市です。ビエルソ地域の中心ポンフェラーダの旧市街や周辺のDOビエルソのワインのボデガ(ワイナリー)巡りも見逃せません。

周辺の場所の紹介はそれぞれこちらのブログで記事にしていきますが、詳しい情報が必要な場合はお気軽にお問い合わせください。レオンやマドリード、その他都市からの観光ルート作成、通訳としての同行も承ります。ウェブサイトメールにてお問い合わせください。

ラス・メドゥラスの本当の魅力は実際に見てみないとわかりません。古代ローマ帝国の歴史と自然が醸し出す、世界に一つしかない景色をぜひ見にいらしてください。

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