マゴスト スペイン秋の風物詩、焼き栗まつり

公開日 : 2019年10月29日
最終更新 :
筆者 : 石田妙

¡Hola! レオン特派員の石田妙です。

今回は、スペイン各地でみられる秋の伝統行事、マゴストについてご紹介します。

古代からスペインの食生活に密接に関わってきた食材の一つに栗があります。スペインで栗というイメージはあまりないかもしれませんが、レオンを始めとするイベリア半島の様々な地域に、ローマ人によってもたらされ、冬を越すための重要な食料として消費されていたことが分かっています。

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レオンのマゴスト、焼き栗まつりは、この地域に居住していたケルト人の伝統に由来すると言われています。栗を炒る炎は豊穣神の信仰の象徴で、収穫に感謝する目的で祝われていた行事のようです。

その後イベリア半島でのキリスト教の浸透により、11月11日の聖マルティヌス(サン・マルティン)のお祝いとして、収穫されたばかりの栗を炒って味わうお祭りが、現代まで祝い続けられるようになりました。

レオン県の中でも、ビエルソ地方では特に盛んで、10月後半から11月にかけて各村でマゴストが行われます。ビエルソのマゴストには、栗以外に、チョリソーや土着品種メンシアの赤ワインも欠かせません。伝統的にワイン造りが盛んなビエルソでは、収穫祭にはその年のブドウを使った若いワインも必ず振る舞われていたのです。

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現在のマゴストでは、様々な種類のワインを楽しむことができますが、栗によく合うのはやはり、フレッシュでフルーティーな樽香が強くない若めのメンシアです。私のオススメは、ビエルソの蔵元ロサーダ・ビノス・デ・フィンカ (Losada Vinos de Finca) の エル・パハロ・ロホ (El pájaro rojo) です。栗の甘さと香ばしさを邪魔しない、デリケートな酸味やタンニンの味わいと、時間が立つと少しづつ現れてくる、程よいスパイスやミネラル感も、焼き栗とうまくマッチして、よりマゴストを楽しませてくれます。

この時期にレオンを訪れる機会がある方は、マゴストが開催されているかぜひチェックしてみてください。ご自宅でも、焼き栗とおいしい赤ワインで、マゴスト気分を味わってみてはいかがでしょうか。

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