十人十色 9月のお題"就職活動"

公開日 : 2011年09月06日
最終更新 :
筆者 : Nana

イギリス、特にロンドンの就職活動状況についてですが、私はロンドンの会社に勤めて4年ほど経過しますが、その分かる範囲以内で、また経験談からご紹介したいと思います。

こちらはこういうスタイルでというお決まりの就職活動というのはないような気がいたします。それはそれぞれ個人が大学で勉強してきたことにもよるし、その人が何をしたいかにもよるので、最終的には自分がどうしたいかというビジョンを持っていることの方が大切だからです。もちろん大卒22歳くらいでは将来何をしたいか分かっている人はそうそういないので、みんなできることは経験し、オファーされた仕事は経験してみると言ったスタンスでしょうか。

私が感じるにこちらの学生は大学に入る前に何を将来したいか具体的に考えると思います。それは専攻の種類がとても日本よりも細かく別れているからかもしれません。こちらではインターンシップは根付いていて、短くて数週間〜長くて半年のインターンシップで経験を積むことができます。そしてその際にネットワークも広がります。私の会社では現在は同僚の新卒の男の子は最初はインターンとして働いていました。彼がインターンで入る時は、はっきりとこちらの条件を提示しそれでもいいならということで決まりました。

その条件は、週4日フルタイム、交通費のみ支給、インターンシップの期限の後の仕事の保証な全くなし。それでも、彼は同意し、すばらしい仕事をこなしました。その場合は会社とのニーズが合えばインターンシップの後に採用という形になることもあります。

インターンシップでもインターンだから、お金も払っていないからそれを悪用する会社がたくさんあるようです。私の社長はそれはこちらにとっても、そのインターンで入ってくる子にも結果的によくないと信じていて、インターンであろうが普通にちゃんと社員を同じ扱いをする努力をしています。そうすることによって、新卒の子たちが社会で働くということはどういうことか、社会人と対等に仕事をしていくことはどういうことか、自分の言動に責任を持つということはどういうことかを学ぶことができるからです。

私の会社では仕事はもちろん人との関わりがより大切な職種なので人間勉強になると思います。どれだけスキルがあっても、才能があっても、人との関わり方が分からなければその分チャンスは減ります。こちらではこのような言い回しがあります。

It's not about what you know, but who you know.

日本語訳をすると、自分が何をどれだけ知っているかではなく、誰を知っているかである。つまり、知識や才能だけでは限界があり、やはり横のつながりや縦のつながり、人との出会いというのが大切になってくるわけです。

そういう点では特にアルバイトはリクルートの会社を利用してというよりも、自分から履歴書を持って歩き回る方が仕事につながる確立は高くなります。大学時代にインターンシップで働くということが大学のコースの一貫としてあるところもありますが、そうでない場合は日本と一緒でアルバイトをしている学生がほとんどです。ただ、こちらの大学は勉強がとても大変なのでバイトと両立できるというのは少ないのではないかと思います。

こちらでは社会に出てもまた何か本当にやりたいことが見つかった場合に大学や専門学校に戻ることも普通だし、年齢というよりもそれぞれ個人にはその人なりの道があるので、こうしなければいけないという暗黙の了解のような雰囲気はほとんどありません。

ただ今世界的にも不況であるため、どんなに経験があろうと転職も難しいし、ましては就職もかなり困難であることは確かです。大切なことはどのような状況にあろうと、自分がゆるがない強さがあることと、少しでも物事を長いスタンスで考えて地に足をつけて行動することだと思います。要するに自分がどうしていきたいか、自分はどのようなビジョンを持っているのかをはっきりさせ、それに向けて地道に努力する意外の何ものでもないということです。

20代というのは方向性が定まっていないことが多いと思うし、私の大学の教授が言っていたことは、30になるまでに自分のやりたいこと方向性が見つかれば大したものだから、あまり深く考えすぎず何でもトライして自分発見をすることが20代は大切だと言っていました。

少しでもここに書いたことが皆様のお役に立ていれば幸いです。

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