【新型コロナウイルス】イギリスでの東洋人差別について

公開日 : 2020年03月09日
最終更新 :
筆者 : 小野雅子

新型コロナウイルスCOVID-19の発生元が中国だったことを受け、欧米各地にて中国人および、東洋人の風貌をもつ人が街頭などで嫌がらせを受けているケースが報道されています。今のところ筆者は直接そういう経験はしていませんが、目撃した実例を挙げてみます。

5mar3.jpg

それはイングランド南西部からロンドンへの長距離バスに乗車した時でした。私よりも数席ほど後方で、イギリス人男性が別の乗客に向かって「私の隣に座るな!」と怒鳴っている声が聞こえました。何事かと振り返ったら、その男性が追い払おうとしていたのは東洋人青年。

もう車内は満席だったので青年が座ろうとしていた通路側の席しか空いていなかったのに、先に窓際に座っていた男性がそれを拒否したのです。しかし路線バスと違い3時間近くかかる長距離バスでは、乗客が立っているのは安全上規則に反するため、運転手さんが発車してくれません。周囲の乗客たちも運行の妨害をしているイギリス人男性に立腹し、一時車内は怒号が飛び交い不穏な状況に。

結果的には運転手がセキュリティ職員を車内に招き入れ、そのイギリス人男性に「この青年を隣に座らせないなら、あなたがバスを降りなさい」と言ったため、不満顔ながらようやく了承。やっと長距離バスは全員を乗せて発車した、という顛末です。

またロンドン市内に勤務している友人に最近の通勤状況を訊いたところ、特に嫌がらせは受けてないけれど「予防のためにマスクを着けたいものの、変な目で見られたり嫌がらせをされたら怖いのでマスクできない。それが嫌だわ」と言っています。

TVや新聞での報道で、マスクをした東洋人の画像がよく用いられているのも、そういったイメージが持たれる一因でしょう。手の消毒以外にもマスク装着をしたいところですが、嫌がらせを受ける可能性があると思うとできないのが悩みの種。これもイギリスにおける現状のひとつです。

イギリス国民医療機関NHSによるCOVID-19公式Webサイト

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉

海外に渡航する場合は、渡航先、経由先の国がビザ発給や入国の制限をしていないか必ずご確認ください。状況、環境は日々変化しますので予告なしに入国制限などが実施されることも予想されます。最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。

筆者

イギリス特派員

小野雅子

在英30年を過ぎました。初めてイギリスへいらっしゃる方にも分かりやすいロンドン観光&文化情報を中心に、イギリス各地やヨーロッパの情報もご案内いたします!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。