【英国】全国民が着用する赤い花の理由。イギリスのポピーデイについて。

公開日 : 2020年11月05日
最終更新 :
筆者 : ふじはる

イギリスでは10月末になると、11月11日のリメンブランスデーにいたるまでの数週間、町を歩く方の多くや、アナウンサーやスポーツ選手など、公に出る方のほとんどが赤い花のバッジや、飾りを着けています。今回はこの赤いポピーの飾りと、記念日について紹介します。

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リメンブランスデー(英語: Remembrance Day、もしくはPoppy Day)は、1918年11月11日の第一次世界大戦終結を記念してイギリス国王ジョージ5世によって定められた記念日です。同日の午前11時には、英国内で第一次大戦の戦死者を追悼するための2分間の黙とうが行われます。

毎年この時期になると、ポピーのバッジが町のいたるところで、数万人のボランティアにより販売されます。これらの寄付で集められたお金は、戦争で家族を亡くした方や退役軍人、戦争によって人生が変わってしまった方々を助けるために使われています。

バッジだけでなく、リースやリストバンドなど種類が豊富で、この時期になると公共交通機関のナンバープレートにもポピーが取りつけられます。テレビのレポーターやアナウンサーはほぼ全員着用しており、この時期にポピーを着用してない方が番組に出演すると、テレビ局や個人にクレームが押し寄せるようです。

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なぜポピーの花がシンボルになっているかという点では、戦争があった草原に、亡くなった方の遺体を養分に繁殖した赤いポピーが咲き乱れていたという説。傷ついた方の血で染まった場所を遠目で見ると、ポピーが咲いているように見えたから、と、諸説あるそうです。

一方、ポピーを着けることに否定的な方も少なくありません。

リメンバランスデーは、第二次世界大戦以降のすべての戦争におけるイギリス人兵士の犠牲を追悼し、【英雄】として彼らに敬意を表す日であるため、イラク戦争やアフガン戦争に反対している方や、戦争を美化しているようにも見えるこの行動に抗議の意を示し、ポピーを着用しない人たちもいます。

ほかにも、ポピーの同調圧力への嫌悪感で着用をしない人、軍事関係者への強い思いゆえに、周囲の人が安易にブローチを着用していることに抵抗を感じるという人の話も聞きます。

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筆者

特派員

ふじはる

おいしい香港グルメを求め日々を過ごしています。

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