イギリス製戦闘機スピットファイアが見られるケンリーの飛行機まつり

公開日 : 2019年09月09日
最終更新 :

ロンドン南部サリー州のケンリー飛行場で、9月8日「ヘリテージ・デー(遺産の日)」と称した、レトロな飛行機のレプリカや軍用車などが展示されるフェアがありました。

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ケンリー飛行場の歴史

見渡す限りの原っぱに飛行機雲が映えるケンリー飛行場は、イギリス防衛省による所有地で、現在でも王立空軍が使用しています。

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第二次世界大戦、特に英国空中戦(Battle of Britain)時まで、イギリスの主要な軍事拠点の一つとして活躍してきた飛行場でしたが、その後は特に注目される事もなく、いっときは向かいの土地所有者が一部を埋め立ててしまった程、軽んじられていました。

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それが一転、2003年に地元の空軍クラブによる提案で、この貴重な基地跡を今後将来、未来永劫に現状を維持すべきである、と飛行場の保全に取り組むようになりました。(出典:Kenley Airfield Friends Group)クロイドン(関連記事)行政区は、埋め立てられてしまった土地も地主に戻すよう求め、周辺地域の住民も募金活動などで協力し、今やこのようなお祭りを毎年開催するほど活気が戻りました。

会場までの景色も圧巻

遠くにテントが並ぶ会場に着くまでの間、既に二つの飛行機が展示され、グライダーを体験できるスクールもありました。

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ここ最近、早くもぐっと冷え込むようになってきたイギリスですが、当日は気温も上がり、完璧な晴天に恵まれました。澄み切った青空に緑の芝がとても気持ち良く、ジョギングやサイクリングを楽しむ人も多かったです。特にここのコンクリート舗装の道は、芝生が基本のイギリスの公園では難しい、自転車の練習をするのにピッタリで、小さい子供をもつ地元のファミリーにはよく知られています。途中、普段は侵入禁止の滑走路を通り抜け、お祭り会場に到着です。

ビンテージグッズが並ぶ会場内と戦闘機

生演奏のバンド音楽が聞こえ、中は予想以上の賑わいです。ステンドグラスで飾られた一角を通り抜け、左右に地元の博物館や飛行場クラブ、蜂蜜や絵画の販売店といったブースが並びます。

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子供向けに、回るティーカップやトランポリンなどが設置されているコーナーもありました。料金はこの規模の遊具にしては珍しい、箱にいくらか入れる寄付制でした。更に進むと、軍用のジープが数台並んでいます。軍服に身を包んだ人達もにわかに増えだし、数人に取り囲まれじっくり話し込んでいるグループもありました。

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戦時中からずっと保管されてきた物でしょうか。鍋や食器、空き瓶からタワシまで、当時の様子が偲ばれる品々が公開され興味深かったです。

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そして本日の目玉、戦闘機スピットファイアの登場です。Spitfireとは、癇癪持ちという意味で第二次世界大戦期に活躍した戦闘機です。ボディと翼に大きく描かれる、的矢のような二重丸が特徴的です。飛行機をバックに自撮りをしている人など、さすがに人気でした。

ユニークなサンドイッチ

人出の割りには食べ物の出店が少なく、サンドイッチ店、カフェバー、アイスの屋台とそれぞれ一種類ずつでどこも長蛇の列。自前でお弁当やオヤツなど、何か持参すれば良かったです。

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実際、空いている芝生でシートを広げ、ピクニック状態の家族も沢山いました。時代を意識してか、アバのダンシング・クィーンなど懐かしの名曲がBGMとして流れる事が多く、あちこちで踊って皆ノリノリです。なかにはどこかの出店者かと見紛うほど立派な組み立てテーブルやアウトドアチェアを何脚も並べ、誕生日会を開くという斬新なグループもありました。

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さて、売り切れ続出のサンドイッチ店に小一時間ほども並んで苦労して手に入れたサンドイッチはなんと、中にイングリッシュ・ブレックファーストでお馴染みの大豆煮込みとウインナーが入っているホットサンドで、これまた斬新!beans and sausage とありましたが、こんなのは後にも先にもこれっきりなのでは、と思えてならないほどレアな商品でした。それとも、イギリス家庭では定番の「家庭の味」なのでしょうか・・。

正午から17時まで開催の Kenley Heritage Day、イギリスの新味にも出逢い、本日も心穏やかな時を過ごし、祭りを後にしました。なお、次なるイベントは来月10月6日の Kenley Autojumble で、やはり軍用車やクラシックカー、バイクなど、クルマに関するショーがまた屋外で開かれます。

Kenley Airfield住所: Portcullis Field,

Victor Beamish Avenue, Caterham, Surrey

CR3 5 FX最寄駅: 鉄道 Whyteleafe 駅URL: https://www.kafg.org.uk/index.htm

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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