英国コロナ・ワクチン接種「予約までの流れ」

公開日 : 2021年05月17日
最終更新 :

ちょうど流行りの詐欺電話(関連記事)が毎週のようにかかってきていた頃、今度は携帯電話のショート・メッセージにそれらしきものが届きました。

差出人は「NHSvaccine」で、開くと「あなたはいま、無料のワクチン接種を受ける資格があります。オンラインか電話で予約してください」と書かれていました。

日頃から家族に「リンク(ウェブサイト)が貼られてるのはもう、間違いなく詐欺だね」などと注意をされていたので、このときも「またか。ハイハイ」と、削除しようかとすら思いました。

すると、つけていたラジオから「40歳以上の人は、ワクチン接種の予約が今日(2021年4月30日)からできるようになりました」と流れてくるではありませんか。夫に聞いても「それは本物だ」と言うので恐る恐るリンクを開いてみると、確かにおなじみ国民保健サービス「NHS(National Health Service)」のウェブサイト画面が出てきました。

オンライン予約手順

それによると、今回のオックスフォード/アストラゼネカのワクチン接種予約は、現時点で40歳以上あるいは2021年7月1日までに40歳を迎える人、そのほか健康状態に不安がある、もしくは医療機関などの第一線で働いている人などが対象でした。

予約ボタンを押すと「現在425人待ち。10分ほどお時間いただきます」との表示が出てきたので、普段から電話予約に苦労する(関連記事)ことを思い出し憂鬱になりました。

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参照:NHS予約画面より

が、今回は政府の本気度が伝わってくるかのような速さで、本当に10分もしないうちに予約画面が現れホッとしました。

安心するのはまだ早かった

NHS番号が求められますが、なくても可能とのこと。番号を入力すると、誕生日、インフルエンザ・ワクチンの接種状況と予定、健康状態などいくつかの質問に答えます。

それが済むと、自宅周辺のワクチン投与実施中の病院や薬局を探すため、郵便番号を入力します。場所を選択するといちばん早い日程が出てきて時間帯を選び、完了です。

「予想以上にラク!」と喜んだのも束の間。始めの第1接種後11~12週間経ってから受けるべき2度目の接種枠が、いっぱいで取れないとの表示が出てきました。

予約は第2接種分まで一気に

それでも、1回目が取れたからとりあえずはいいかと思いましたが、特に「予約完了」のページもショート・メッセージへの連絡もなく。予約が確認できるという「Manage your appointments」のボタンを押したところ、「予約できていないので、始めから取り直しが必要です」との文章を見てガックリきました。

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参照:NHS予約画面より

どうやら、もともと「予約は2回分同時に」と書かれていたとおり、2度目の枠を取りきれなかった場合は自動的に1度目の「予約」は無効になるようです。

時間をおいて何度か再アクセスしてみるものの、当然ながら第1接種分の時間枠までどんどん埋まっていく始末で、だんだん不安になってきました。

電話予約

そこで戦略を変え、メッセージに併記されていた電話番号にかけてみることにしました。普段の病院予約よりも圧倒的に早くつながり、オンラインと同じ要領でいくつか質問され、当初の時間より遅かったり、希望の場所ではなかったりしましたが、なんとかふたつとも予約することができました。

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すでにワクチン接種済みの人から聞いた話ですと、以前は時間帯も場所の選択肢も豊富にあり簡単に予約できたそうです。羨ましく思いましたが、そのときとは接種人数や状況などが違うでしょうから、予約できただけ幸いでした。予約6日後には、郵便でも接種を促す通知が届きました。

副作用などの懸念点

ただ、今回のこの英製アストラゼネカのワクチンをライセンス生産するインドでは、もともと「ワクチン製造大国」だったにもかかわらず、現在ワクチン不足に陥り混乱しています。

私が接種予定のものがインド製なのかまでは知るよしもなく、受ける機会を与えられただけで幸運なことではありますが、こちらのワクチンは副作用としてまれに起こる血栓症による死者が出ています。

若年層であればあるほど致死率が高まるため、以前は30歳以下を対象に別のワクチン接種が推奨されていました。それが現在では39歳以下まで引き上げられ(参照: Gallagher, James. "Under 40s to be offered alternative to AZ vaccine" BBC News May 2021)、ちょうど狭間の世代である私としては正直不安です。

同じ思いで接種の案内が来ても様子見をしている人たちが少数ながらいるようで、NHSはこれらの人々に対しては個別で相談にのるなどして、接種を促しているようです。

先に参照したBBCニュースの記事によれば、医薬品・医療製品規制庁は、ワクチン接種による利益がリスクを上回っていると主張しているので、私は今回受けることにしました。実際に受けたときの様子も、またレポートしたいと考えています。

なお、先週の木曜日5月13日には38~39歳向けの予約受け付けが始まりました。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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