世紀末クリムトの特別展
今、LAで最もホットなアートの話題といえば、あのウィーン世紀末を代表する画家、クリムトの特別展。
今回の展示は、クリムトの代表作の1つ、「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像」が、絵のモデルとなった女性の姪で、現在ロサンゼルスに住む、マリア・アルトマンさんに返還されたことをきっかけに開かれたもの。
もともと絵を所蔵していたのは、ユダヤ人実業家のアルトマンさんの叔父。しかし、1938年にナチス・ドイツがオーストリアを併合した際、没収され、近年はオーストリア美術館、ベルデベーレ宮の所蔵作品の目玉の1つとして、常設展示されていた。
99年にアルトマンさんがオーストリア政府を相手取り、作品の返却を求めた裁判を起こし、長年の訴訟の上、ついに勝訴。そして、当時没収された5作品がついに70年近い年月を経て、親族のもとへ戻された。今回の特別展は、地元の美術館からの依頼にこたえたもので、「亡命後、アメリカでお世話になったことに感謝を表すため」に、このLos Angeles County Museum of Art(ロサンゼルス郡美術館)でクリムト展が開催される運びとなった。
5作品は、3ヶ月間だけの期間限定での美術館への貸し出しで、今後はいつ再び見ることができるか分かりません。最悪の場合、競売にかけられ、個人所有となって封印されてしまう可能性すらあるわけです。というわけで、4月初旬からスタートした展示が終わる6月30日までにLAを訪れる方は、ぜひこの機会にお見逃しなく!
Los Angeles County Museum of Art
5905 Wilshire Boulevard
Los Angeles, CA 90036
323-857-6000
月、火、木曜
正午12時〜夕方8時
金曜
正午12時〜夕方9時
土、日
午前11時〜夕方8時
◎水曜休館
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