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フランス/リヨン特派員ブログ マダムユキさん

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2020年1月20日

フランス リヨンで、印刷の歴史を辿る


フランス リヨンで、印刷の歴史を辿る

【フランス リヨン便り n°8】
ヨーロッパ随一の充実したコレクションを誇る「リヨン印刷博物館」を訪れてみた。


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リヨンが「印刷の都」であったことをご存知だろうか。15世紀の後半から、パリに次いで、リヨンは印刷業が盛んな町であったという。15世紀後半、フランス王11世(在位1461年~1483年)が君臨した時代であり、印刷術の擁護、養蚕の普及、鉱山の開発など産業政策に力を入れた王として知られる。そのルイ11世が、1464年から、リヨンの町で年4回の物産展を開催することを許可した。陸路・水路が充実しているリヨンにヨーロッパ各地からモノ(特に、イタリアの絹、フランドルの布、香辛料、香水など)が集まり、商人が集まり、商品の掛売・掛買に伴う銀行家が集まり、リヨンは商業・金融の町として発展することになる。
町が発展すれば、商人、職人にほか、文化人など知的階層も集まり、聖職者も加って思想や技術の情報源となる書物の流通が盛んとなる。1473年にリヨンに最初の印刷所が創業したのも納得のいく話であろう。


印刷とは、紙や布などの媒体に文字、絵、写真などの画像を再現することをいう。
最も古い印刷技術は木版印刷と呼ばれ、木の板に文章や絵を彫り(木版)、その上に絵の具や墨などを塗り、紙に転写する方式で、ヨーロッパの印刷技術の主流であった。
1450年頃、ドイツのヨハネス・グーテンベルグ(Johann Gutenberg)によって、金属活字を用いた活版印刷技術が発明された。印刷機でプレスすることにより、短時間で大量の書籍の製作が可能となる。「印刷革命」と呼ばれるほど印刷の世界に大きな転機をもたらし、いわゆる「印刷業」という、新しい職業を誕生させたのである。


1470年、活版印刷機を利用した最初の書籍がパリで出版された。その3年後の1473年、リヨンの富豪バルテルミー・ビュイエ(Barthélemy Buyer)が活版印刷機をリヨンに導入し、印刷所を構えた。これがリヨン印刷産業の始まりである。


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リヨン印刷博物館は、クーロンヌ館(Hôtel de la Couronne)と呼ばれるルネサンス様式の瀟洒な建物の中にある。1604年から1655年までリヨン市庁舎だっただけに、外壁の装飾、ルネサンス特有のアーケードや螺旋階段塔など、リテールがとても美しい建物である。1964年にリヨンの印刷業者モーリス・オーダン(Maurice Audin)氏によって設立され、リヨン図書館の館長だったエンリ=ジャン・マルタン(Henri-Jean Martin)氏、パリで書店を営むアンドレ・ジャム(André Jammes)氏が所蔵品の収集などで大きく貢献、印刷博物館としてはヨーロッパ有数のコレクションを誇る。


リヨン印刷博物館は、2014年に50周年を迎え、「印刷・グラフィックコミュニケーション博物館」と改名。印刷の黎明期から木版印刷、活版印刷を経て、オフセット印刷、さらには19~20世紀のグラフィックアートに至るまで、所蔵品の拡大を続けている。


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デジタル化が進み、ペーパレスが推奨される今、紙媒体の印刷物の在り方が問われる。電子書籍により、印刷・製本・流通経路が簡素化、大幅な経費の削減が実現し、自己出版が可能となったり、絶版を防げたりとメリットは大きい。環境保護にも大きく貢献することはいうまでもない。一方、本や雑誌を手にしたときに感じる重み、開いたときの紙とインクの香り、一枚一枚ページをめくるときのわくわくとした気持ちは、味わえなくなる。これは、アナログ世代に育った人間のつぶやきにすぎないのだが。


【データ】
リヨン印刷博物館(MUSEE DE L'IMPRIMERIE ET DE LA COMMUNICATION GRAPHIQUE)
住所:13 rue de la Poulaillerie 69002 LYON FRANCE
電話番号:+33 4 78 37 65 98
開館時間:10時30分~18時
休館日:月曜日、火曜日、1月1日、5月1日、11月1日、12月25日
入館料:大人6ユーロ(常設展)、8ユーロ(常設展+特別展)

最寄り駅:地下鉄A線 コルドリエ(Cordeliers)

 

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    リヨン特派員
    マダムユキさん
    リヨン在住20年。リヨン第二大学で美術史専攻。中世からルネサンス期の美術品・絵画・建築を得意とする。ワインとビールが生活の友。フランス現地手配会社を経営する。フランス リヨンの文化・芸術・建築を中心に、リヨン情報をお届けしたい。ツアー情報などのお問い合わせはこちら
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