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フランス/リヨン特派員ブログ マダムユキさん

フランス・リヨン特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2021年5月25日

【フランス ノルマンディ地方】やっと海岸に到着!ドーヴィルからイギリス海峡を臨む感動の日(第3回)


【フランス ノルマンディ地方】やっと海岸に到着!ドーヴィルからイギリス海峡を臨む感動の日(第3回)

【フランス リヨン便り n°53】


こんにちは、マダムユキです。フランスのリヨンからお届けしています。


ドーヴィル観光局のステファンさんのお誘いで、リヨンからパリを経由してイギリス海峡の海辺の町ドーヴィルへやってきました。

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これまでの経緯は過去のブログを訪問ください。
第1回:【ウイズコロナの旅】リヨンからドーヴィルへ(第1回)、海が見たくて旅に出た
第2回:【ウイズコロナの旅】リヨンからドーヴィルへ(第2回)、木組みの町並みに魅せられた


ドーヴィル観光局のステファンさんとの再会


さて、待ちに待ったステファンさんとの再会です。ホテルのフロントで待ち合わせをしていました。予定より少し早めに待機していると、ステファンさんが笑顔で登場。ステファンさんとこんな会話を交わしました。


マダムユキ:ステファンさん、お久しぶり。全然変わってないね。元気だった? ドーヴィルに誘ってくれてありがとう。こうして対面で会うのは2年ぶりね。ところで、ウイルス感染の広がりで、観光・旅行業は苦境に立たされているけど、ドーヴィルの観光業はどんな感じなの?


ステファン:わざわざ、来てくれてありがとう。今回は約束を守ってくれてうれしいよ! ところで、ホテルの場所はすぐにわかっただろう? このホテルだけど、オープン後にコロナ禍だから、けっこうたいへんだと思うよ。ぼくは外出制限が発令されてからテレワークが中心で、観光局に顔を出すのは週に1回程度かな。観光客からの問い合わせもほとんどないし、町は閑散としているし。といっても、ドーヴィルがにぎわうのは4月以降だから、これから忙しくなると思う。そうなってほしいと願ってる。リヨンは大きな町だから、ドーヴィルよりも感染拡大が深刻なんじゃない? 心配していたよ。


マダムユキ:ありがとう、ステファンさん。元気なのが何よりだよね! リヨンは検査陽性率が上昇しているってメディアが取り上げているけど、私の生活はあまり変わらないかな。外出制限下でも毎日オフィスで仕事をしているのよ。さすがに公共交通機関の利用は避けて、30分の徒歩通勤を始めたの。交通費を節約できると思ったけど、実は、靴が傷むのが早いのよね。靴の修理代がかさむからどっちもどっちかな。


ステファン:へえ、まさか、今日、ヒールの靴? ああ、違うよね。よかった! これから海岸まで15分ほど歩いて、そのあと競馬場にもいくよ。そうそう、ぼくはドーヴィルとカンの間あたりに住んでいて、ドーヴィル観光局まで車で30分だから、さすがに徒歩通勤はできない。静かな村の一軒家に住んでいるんだ。


マダムユキ:いいなあ、外出制限の勝ち組だね。


ステファン:そうだね。テレワークも慣れれば悪くない。いままでだってコミュニケーション手段はメールが中心だったから、どこにいても仕事はできるんだよ。そのことに気づかされたって感じかな。


マダムユキ:私はアパルトマン暮らしだから、そうはいかないのよ。ずっと家にいたら窒息してしまう。家から離れることで息抜きができるし。こうして人と実際に会うことは大切だと思わない?


ステファン:もちろんだよ。だから、ドーヴィルに誘ったんだ。これから海辺に建つヴィラを見学しよう。VIPなお客様にぴったりだよ。そこでランチだ!


と、ステファンさんがいつもの愛らしい笑顔を見せるものだから、うれしくなって、「やっほ~」


そんな会話をしていたところに、リヨンのローランさんとファニィさん、パリのティエリさんとダリアさんがフロントにやってきました。みんな旅行会社で働いていて、長年の顔見知り。


「あれ、マダムユキ、久しぶりだね、こんなところで会うなんて。仕事はどう?」と、ローランさん。ローランさんはリヨンでワインツアーを専門とする旅行会社を経営していて、ワイナリーでばったり会うこともしばしば。「体は元気だけど、仕事は病んでいるわよ」と答えると、そこに、ウクライナ出身でカンヌで旅行会社を経営しているイェウヘンさんがニコニコしながら登場。彼とは4年前にトゥールーズで会った以来だから感動の再開......のはずだったのだけど、「イェウヘンさん、久しぶり。全然変わってないね。元気そうでよかった。ドーヴィルで再会なんて、ちょっとびっくりよ。フランスを縦断してきたのね」と声をかけると、「外出制限のせいで少し太ったよ。マダムユキは元気そうだね。安心したよ。そういえば、この前、カンヌに遊びに来るって約束したのに、音沙汰なしだったね。まあ、こんな機会に会えたからよかったけど」と、皮肉られてしまった......。「ごめんごめん、光陰矢の如し......」、心の中で「フランス語でなんていえばいいんだっけ?」と自問自答していると、ステファンさんが「ヴィラに行くよ。オニヴァ(On y va)」と号令をかけたので、先生のあとについていく児童のように、みんな、ぞろぞろと歩きだしました。


ドーヴィル港の前に建つヴィラでプライベートランチ


ドーヴィルのヨットハーバーを眺めながら歩き進むと、海岸が遠目に見える少し開けた土地に木組みの家が建っていました。景観を妨げるものがなく、贅沢なロケーションです。

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門を抜けて、手入れの行き届いた庭を通り、玄関口へ。まるでセカンドハウスのオーナーになった気分!
扉を開けて、「お邪魔します」と小さくつぶやいてヴィラのなかに入ろうとした瞬間、ワクワク感で胸が高鳴り始めました。これが旅の醍醐味です。発見の喜び......。
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ヴィラに案内され、みんな口を揃えて「おしゃれだね」を連発。
リビングに大きな窓が配され、天井は2階までの吹き抜けで、2階の寝室からリビングが見下ろせるという遊び心のある設計です。控え目な調度品と機能性を重視したインテリアで、バカンスのロングステイでもくつろげるようにと居心地のよい空間づくりがされていました。
リビングとキッチンはオープンスペースで連結し、窓から差し込む自然光がキッチンに優しい雰囲気を漂わせ、料理下手の私でさえも、「おいしい料理で人をもてなしたい」という料理心がそそられるから、インテリアデザインって大切ですね。


ステファンさんがヴィラの間取りを説明してくれました。
床面積が200平方メートル、1階(フランス式地階)にリビングとキッチンと寝室が2部屋。2階に寝室が3部屋あって、それぞれの寝室に浴室(一部はバスタブ付き)とトイレが設置されています。プライベート空間がしっかり守られる設計です。


ステファンさんが説明を終えて、「さあ、ランチにしよう」といって、ドーヴィルのレストラン「La Flambée」から届いたランチボックスをテーブルに並べると、みんな揃って「やっほ~」と叫び声。
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ヴィラの貸切料金の目安ですが、オフシーズンの1月~3月で1泊€600~、ハイシーズンの7月~9月では1泊€825~、ロングステイだと1週間あたり€2000~、1ヵ月あたり€6000~です。家族連れや友達同士、企業のセミナーやパーティで利用されています。ドーヴィルのヴィラを1棟貸切なんて、とっても贅沢に思えるけど、人数が多ければ、高級ホテルよりリーズナブルかも!


みんなそれぞれ「こんなステキなヴィラでバカンスを過ごしたいなあ~」とつぶやきながら、新鮮な魚料理を白ワインと味わいました。
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■VILLA LE PHARE
・住所: 1 rue Mirabeau Prolongée - 14800 Deauville France
・電話: +33-2-3114-0202
・部屋数: 5寝室(浴室付き)、リビング、キッチンダイニング
・サービス: WiFi無料、ペット可、シーツの用意あり



セレブが通ったドーヴィルのカジノ


ヴィラ見学後は、海辺に向かいます。目指すは、フランス映画の金字塔として知られるクロード・ルルーシュ監督の映画『男と女』の舞台で、ドーヴィルで最も有名な観光スポットとされる海岸沿いの遊歩道「レ・プランシュ(Les Planches)」です。ミーハーと言われるかもしれませんが、アヌーク・エメとジャン・ルイ・トランティニャンが歩いたドーヴィルの砂浜を私も歩くぞ~という熱気むんむんでした。


空を見上げれば、雲が流れて、澄んだ青色に輝いていました。
海岸に沿って走るウジェーヌ・コルニュシェ通り(Boulevard Eugène Cornuché)を進み、ドーヴィルのカジノへ。通りの名前となったウジェーヌ・コルニュシェはドーヴィル開発の重鎮。ウジェーヌ・コルニュシェはパリ8区のマドレーヌ地区にある有名なレストラン「マキシム」創業者であり、ドーヴィルとトゥールヴィルのふたつのカジノの創立者です。

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1912年に創業したドーヴィルのカジノの前で記念撮影。
ドーヴィルのカジノは古典主義の建築様式で建設されましたが、1988年にバロック様式で改装されました。現在はリュシアン・バリエールグループが所有しています。


ドーヴィルのカジノといえば、作家フランソワーズ・サガンが浮かびますが、逸話をご存知ですか。1954年に発表された『悲しみよ、こんにちは』で人気作家となったサガンが、ドーヴィルのカジノでなんと800万フラン(およそ1億6000万円)を勝ち取ったのです。1958年8月8日のことです。サガンはカジノから大金を受け取って車に乗り込み、隣町のオンフルール近くに借りていた家に戻ったのが朝の9時過ぎ。その日はちょうど家を明け渡さなけれならない日だったので、家主が鍵を受け取りにやってきました。徹夜のカジノで疲れ果てていたサガンは、カバンから現金800万フランを取り出して、「これでこの家を買うから、このまま休ませてちょうだい」と言ったそうです。家主は即OKを出して、売買取引が成立しました。サガン23歳のときのことです。
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■CASINO BARRIERE DEAUVILLE
・住所: 2 rue Edmond Blanc - 14800 Deauville France
・電話: +33-2-3114-3114
・公式サイト: https://www.casinosbarriere.com/fr/deauville.html



レ・プランシュを歩いて感無量


ウジェーヌ・コルニュシェ通りからリュシアン・バリエール通り(rue Lucien Barière)に入ると、彼方に海岸が見えます。
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建築家シャルル・アッダのプレートが飾られていました。レ・プランシュ(板張りの遊歩道)とポンペイの公衆浴場からインスピレーションを得た更衣室を設計した人です。
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クロード・ルルーシュ監督が1966年に『男と女』のロケをこの地で行ったこと、カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)受賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞を受賞したことを記念するプレートも飾られていました。
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ついに来ました。長年の願いが叶いました。これがレ・プランシュです!
海辺に沿って幅7mの板張りの遊歩道が656mにもわたって続いています。使用されている木はカメルーンを中心とする西アフリカに群生するボンゴシ(あるいはアソベ)と呼ばれる樹木です。
遊歩道にそって更衣室の小屋(キャビン)が設置され、それぞれの小屋にはドーヴィルで開催されるアメリカ映画祭に出席した映画スターの名前がつけられています。公共の更衣室ですので、予約すれば利用が可能なのがうれしいですね。
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カンヌに住んでいるイェウヘンさんがニコニコしながら、「まじまじと眺めているけど、そんなに海が好きなの?」と話しかけてきて、「海のない町で生まれて、いまも海のない町で生きている私には、海って謎なの」と答えると、「へ~」って不思議そうな顔をしたので、「地中海とイギリス海峡は雰囲気が違うでしょう。イェウヘンさんどっちが好き?」と尋ねると、「ノルマンディの海にはコートダジュールの華やかさはないけど、確かに神秘的な雰囲気があるね。海=浪漫=バカンス、ぼくはどこの海も好きだよ。ウクライナにも海があるけど、黒海は有名だよね。アゾフ海の西岸に広がる腐海を知っている? 深紅に染まるんだ。一見の価値ありだよ。海はみんなのもので、みんなに愛されるもの」って、心温まる返事が返ってきました。


新型コロナウイルス感染対策で飲食店が閉鎖されており、人通りも少なく、また、オフシーズンということでカラフルなビーチパラソルは見られませんでしたが、19世紀から20世紀、優雅なドレスをまとったブルジョワの女性たちがこの遊歩道を歩いていた時代を想像しながら、念願のイギリス海峡をドーヴィルの地から眺め、しばし幸福感に浸ることができました。コロナ禍であることを忘れさせてくれた時間です。


次回は、「ドーヴィル競馬場で馬たちとの交流」をお届けいたします。
引き続き、皆さま、お身体ご自愛くださいませ。


マダムユキより
 
 

 
 

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  • リヨン特派員

    リヨン特派員
    マダムユキさん
    リヨン在住20年。リヨン第二大学で美術史専攻。中世からルネサンス期の美術品・絵画・建築を得意とする。ワインとビールが生活の友。フランス現地手配会社を経営する。フランス リヨンの文化・芸術・建築を中心に、リヨン情報をお届けしたい。ツアー情報などのお問い合わせはこちら
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