シチリア料理を再現したイタリア人の情熱 マニラ・世界の味めぐり
マニラ・世界の味めぐり: プロローグ・イタリア編 その1.
シチリア料理
皆さんは、フィリピン料理と聞いてすぐに何か思い出す料理がありますか?
恐らく、バナナやマンゴー、あるいはナタデココなどの食べ物はすぐに思い付く
と思いますが、料理?となると、ちょっと思いつかないのが普通ではないでしょうか。
同じ東南アジアでも、タイなら、世界三大スープの一つ「トム・ヤン・クン」や
ココナッツミルクの効いたタイ・カレー、インドネシアならスパイシーな炒飯の
「ナシゴレン」、ベトナムなら平麺の「フォー」などがすぐに浮かびますが、
フィリピンには特に世界に名の通った料理というものがありません。
並んだフィリピン料理。
シンプルな調理が主流。
味付けはこれと言った特徴がない。
東南アジアには珍しく
スパイシーな料理もほとんどない。
フィリピンが気に入って長期滞在の外国人、あるいは永住の外国人にとっても
馴染みにくいのがここの料理で、かくいう私も例外ではありません。
事が人間にとって最も大切な食事であるだけに、ここマニラでは、
「外国人の、外国人による、外国人の為の料理屋」が盛んになっています。
日本にある様な日本人の嗜好に合わせた各国料理のレストランではなく、
世界各国の特色をアレンジなしにそのまま反映したような、
またその店のメジャーな固定客はその国出身の人々であるような「料理屋」が
沢山あります。
そこで、マニラを訪れる旅行者の皆さんへの私からの提案です。
名付けて「マニラ・世界の味めぐり」。
世界各国料理のレストランが並ぶ、ケソン市のイーストウッド・シティ。
こうしたレストラン街には、フィリピン料理屋の数は多くない。
早速今日は、そんな外国人の自国料理に対する情熱を示すエピソードを
御紹介しましょう。
世界の味めぐり: プロローグ・イタリア編その1.です。
元シチリア料理レストランの夢の跡。表の店構えは当時のまま。
マニラの南部にパサイ市という下町文化の街があり、
環状線(全部が繋がってはいない)のMRTタフト駅と
隣接するLRTエドゥサ駅(規格を変えるから繋がらない)の近くに、
今は残念ながら閉店してしまいましたが、尋常ではない美味しさの
イタ飯屋さんがあって、そこでは、ナポリ風でもミラノ風でもなく、
何と本格的なシチリア風の料理を出していました。
私の知り合いの日本人で、この店の常連を通り越して厨房に顔パスで、
しかも自分専用の「隠しメニュー」まで持っている人がいました
(チーズを使ったスープで、これがまた美味かった)。
事情通のこの人に店の成り立ちを聞いたところでは、
店の近くのBarコンプレックスに三軒の大型Barを持っている
シチリア人がこのイタ飯屋のオーナーで、故郷の料理恋しさのあまりに、
商売の採算は二の次でシチリアからシェフを呼び寄せ、
本場の食材もズラリ揃えて、この店のオープンに至ったという事でした。
パサイ市にある、エドゥサ・エンターテインメント・コンプレックス。大型のBar コンプレックス施設。地元の日本人には、通称「体育館」と呼ばれる。
私も何度もこの店に通いましたが、いつでもテーブルには本場の
バージン・オリーブオイルとバルサミコ酢がおいてあり、
注文が来るまでの間、先に出された窯焼きのパンに
それらをタップリ付けて食べながら待つ時間がまた楽しみでした。
メインディッシュの美味しさを今どんなに力説しても仕方ないのが残念です。
今回は、マニラ在住外国人の自国料理に賭ける熱い思いを御紹介するために、
既に閉店した店を敢えて御紹介しましたが、この様な「自国料理の情熱」に溢れる
現役の料理屋はマニラには少なからずあります。
「マニラ 世界の味めぐり」として、食の楽しみをまた逐次御紹介してゆきますので
宜しくお願いいたします。
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