フランス就活事情

公開日 : 2011年09月22日
最終更新 :
筆者 : 堀 泰子

南仏はやっとバカンスが終わって、私の住んでいる地元のビーチも静けさを取り戻しました。

ビーチでのんびりしているのは、地元民とリタイヤでいつもバカンス中の人々。

子供たちも9月は新学期が始まり、忙しいみたいです。

大人たちはバカンスが終わって、嫌々ながら仕事に復帰の感じです。

さて、新しい事始めの季節。この季節の変わり目、9月から就職する人も多いフランスですが、

日本のように学生たちがリクルートスーツに身を包み、一斉に就職活動を始めたり、

企業側から学生への会社説明会があるわけではないのです。

では、フランスの学生はどのように就職活動をしているかというと、

在学中にそれぞれ自分たちが就職したい企業や関連のある業種の会社に

各自でコンタクトをとり、インターンシップで就業経験をしながら就職します。

インターンシップでの就業経験をするには大まかにわけると3種類のやり方があります。

見習い訓練契約として、勤務体系は半分就業、半分学業です。

給与は支給されます(国が決めた最低賃金の50%)

社会保険もあります(個人分は国が負担、企業分は会社が負担)

契約期間も1年~3年となります。

または専門訓練契約として、勤務体系が75%就業、25%学業で、

給与は国が決めた最低賃金の70~80%が支給されるもの。

社会保険は法定最低賃金相当までの企業負担分が免除になります。

契約は短くなり、約10ヶ月です。

または企業側に給与支給義務のない 学位取得のための実習見習い契約があります。

日本のインターンシップに近い形です。勤務は100%就業です。

社会保険も加入の義務はなく、学校が労災保険に加入します。

契約期間は1ヶ月~1年となります。

フランスではこうした学生の就業経験を受け入れる企業の最低限枠が決められいて、

従業員の3%以上の人数の学生を企業は受け入れなければなりません。

受け入れていない企業は罰金を支払うペナルティが課せられています。

しかし、昨今の経済危機から、正社員でもリストラせざるを得ない状況なので、

学生のインターンシップも現在ではなかなか実施されていないのが実情です。

ちなみに、フランスの大学生が就職したい人気企業としては、

文系の学生はLVMH(ルイ・ヴィトン系列会社)やロレアル(化粧品)など、

ファッション、化粧品、航空、情報通信が人気です。

理系は半民半官のエネルギー関係の大企業のようです。

国家公務員関係は景気にあまり左右されず、定年までクビになることは

ほとんどないので相変わらず人気があります。

不人気なのはやはり経済危機の影響をうけて金融関係となっています。

人気ランキングの国家公務員希望は日本もフランスもあまり変わりがないようですね。

9月のお題"就職活動"

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