マウイ沖はクジラのスープ(具だくさん!)
Maui Nui(マウイ・ヌイ)という言葉を聞いたことがありますか?ハワイ州、マウイ郡は、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島そしてカホオラヴェ島の4島からなっているんです。この四島の総称をマウイ・ヌイといいます。カホオラヴェ島というのは、あまり聞いたことがない方も多いかと思いますが、この島については、また別の機会に紹介したいと思います。
今から120万年程前、これら四島は、陸続きだったといわれています。それが、火山の噴火や海岸線の侵食によって4つの島に分かれていったのだそうです。
なぜ、この話題がホエールウォッチングに関係するかというと、この長年の地殻変動で作られた特殊な地形が、鯨たちにも鯨を見る私たちにも恩恵を与えているからなんです。
以前、陸続きだったということは、島間は比較的水深が浅く、水が温かで穏やかなのです。マウイ島とラナイ島間の水深は、およそ100メートルから150メートル。ハワイ諸島を取り囲む太平洋の水深はおよそ3000メートルだそうです。水深100メートルは、人間にとっては深いですけど、体長10メートルにもなる鯨にとっては、暖かいバスタブのようなものでしょう。
この特殊な環境が、ハワイ諸島の中でも子作りと子育てに訪れる鯨たちにはもってこいの場所、そして、鯨を見る私たちに穏やかな海域でクルーズできるのですから、これもありがたいことです。特にラハイナ沖は、ウェストマウイの山々によってマウイ特有の貿易風もさえぎられます。
オアフ島やビッグアイランドから来たボートのキャプテンたちは、口々にこの海域を、オーシャンアクティビティには最適な所だと言うそうです。オアフやビッグアイランドの鯨たちは、強い海流や風のため、絶えず移動しているため、キャプテンたちは追いかけるのが大変なんだそうです。マウイの鯨たちは、穏やかな海でのんびりくつろいでいるんだそうですよ。子育てに最適な場所というのもうなずけますね。
毎年、12月中旬から、5月中ごろにかけて千五百頭から二千頭のザトウクジラがマウイを訪れるそうです。もちろん、マウイの冬のアクティビティはこの鯨が中心となります。パラセイリングやジェットスキーなどのアクティビティは、冬の間は鯨たちにゆっくり過ごしてもらえるよう、お休みになります。
私も、久しぶりにホエールウォッチングのボートに乗ってきました。
今回乗船させていただいたのは、ラハイナクルーズカンパニー。ラハイナのオーシャンアクティビティの老舗的存在です。このボートには、日本人の鯨ガイドさんが乗っているんです。今日のガイドさんは、Kyokoさんです。
出航早々、早くも数頭のクジラを発見、と思いきや、あっちにもこっちにも、右にも左にも前方にも後方にも状態。いったいどこを見ていいのやら。
Kyokoさん、「わたしたちはここを ”クジラのスープ”と呼んでいるんです。」だそうです。まったく、具だくさんのスープです。
今回は、たくさんの母子クジラとそのエスコートのグループを見ました。母親はいつも赤ちゃんの一番近くにいて、ガード、教育しているんです。何しろあと数週間で、アラスカへの5千キロ、7週間にも及ぶ旅をしなければならないのですから、赤ちゃんも母親も必死です。ビデオにも母親の傍らで一生懸命尻尾を振っている小さな赤ちゃんが写っています。
この母子のグループには、エスコートと呼ばれるオスクジラがだいたい行動を共にしています。このオスクジラは父親とは限らないそうです。クジラたちは、婚姻関係を持たず、子供ができたら父親は母子から離れてしまうそうです。エスコートさんは、なぜ同行しているかというと、母親クジラがまた妊娠できる状態になる機会を狙っているのだそうです。ビデオでは仲の良いファミリーのように見えるのですが、実際は結構冷めた関係のようです。
ガイドのkyoko さんによると、このような親子 + エスコートのグループは比較的のんびりしているそうですが、子供のいない一頭のメスに群がるオスたちのコンペティティブグループはかなりアグレッシブだそうです。一頭のメスをめぐって、三頭から四頭、多いときには十頭ほどのオスが先を争っているそうです。
ホエールウォッチングの注意事項!
その一、あまり写真を撮ることに夢中にならないでください。ジャンプの瞬間なんかは滅多に撮れないので、肉眼で見て、目に焼き付けて帰ってください。ツアーの終わりに記念写真とクジラの写真集のCD−ROMを売っていますのでそちらをお勧めします。上の2枚の鯨の写真もCD-ROM から拝借しました。
その二、日焼け止めを忘れずに。2日くらい顔がヒリヒリしてました。(>_
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