メルボルンの交通事情、日本との違いを知って安全な車の旅を!②注意事項

公開日 : 2017年03月19日
最終更新 :

運転するときに気を付けたいこと

厳しい取り締まり メルボルンでは、車に関するいろいろな取り締まりがあり、しかもかなり厳しくなっています。

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飲酒運転

日本では飲酒運転は完全に禁止されていますが、国土が広いオーストラリアでは飲み会に行くにも車でないと行けない場合が多いため、アルコール分摂取量は0.05%まで許されています。

と、これだけだと、規制が緩いと思うかもしれませんが、法規が緩い分、取り締まりが大変厳しくなっています。

道路では、よく警察が「ブース・バス」と言って、飲酒検出用のバスを道路わきにおいて飲酒運転の取り締まりをやっています。

Uターンができないようなところでやっていることが多いので、いったんそのような所に入ってしまうと、引き返すことができません。

万一飲酒運転をしていて、アルコール摂取量が0.05%以上と検知されると、その場で車の運転が禁止されます。誰かに迎えに来てもらうしかありません。

罰則は、アルコール摂取量のレベルにもよりますが、免許停止、罰金、ひどい場合は懲役になることもあります。

参考までに、0.05%の摂取量ですが、どれくらいだと思いますか。

次の画像はタイプ別の「スタンダード・ドリンク」を示したものです。スタンダード・ドリンクというのは、純粋アルコール分10gを含むドリンクの量で、交通法規や食事療法などに使われる基準です。

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出典元: Road Safety Advisory Council

一人の大人の男性が1時間にスタンダード・ドリンクを一杯飲むと、大体アルコール摂取量が0.01%~0.03%になります。

この摂取量は、飲む人が女性だったり、空腹状態で飲んだり、体格や体質でも違ってきます。ですから、一概には言えないのですが、大体の目安としては、1時間にスタンダード・ドリンク1杯というのが限度になります。

こんなふうに自身を制御できるのならいいのですが、実際には、そんな規制を感じながら飲んでもおいしく飲めないという人がほとんどなのではないでしょうか。

もしそうなら、やはり、飲みに行くときは、トラムやタクシーを利用するのが一番です!

法規上はアルコール摂取量が0.05%までOKであっても、日本と同じように「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を守るのが無難です。

シートベルト

シートベルトの着用は、日本でも運転手と助手席に座る人に強制されていると思いますが、オーストラリアでは、車に乗る人全員がシートベルトを着ける義務があります。シートベルトを着用しないで警察に見つかった場合は罰金を取られます。

最初は、縛られているようでうっとうしいと思うかもしれませんが、慣れてしまうと、シートベルトなしでは不安になります。

実際シートベルトを着けると着けないとでは、天と地ほどの差があるのです。

その一つの例が、20年ほど前に起きた英国のダイアナ妃が亡くなった事故です。まだ記憶に新しい人もいると思いますが、この事故では、乗っていた4人のうち、助かったのはシートベルトをしていたボディーガードだけだったのです。

もちろん、事故を起こさないことのほうが大事ですが、万が一起きてしまったとき、シートベルトを着けていると命が助かる可能性が高くなります。

ビクトリア州では、1970年にオーストラリアで初めてシートベルトの着用が導入され、それ以降、交通事故による死亡率が大幅に減りました。

駐車

メルボルン市内で駐車をするには路上駐車と有料の屋内駐車場に駐車する2つの方法があります。路上駐車も有料ですが、屋内駐車場に比べれば格安です。ただし曜日や時間帯によって時間制限があります。

路上駐車の場合は、近くにチケットマシーンと呼ばれる駐車券販売機があり、そこでキャッシャやクレジットカードで買ったチケットをダッシュボードの上に置いておきます。

チケットには、何日の何時から駐車を始めたのかが記されています。チケットがなかったり、時間が過ぎてしまっていると、検査人が違反チケットをウィンパーの下に挟んで置いて行きます。

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この写真の例では、右側が2時間駐車できる区域になっています。但し、その下の数値が示すようにこの制限は「8:00 ~ 18:00」でそれ以外の時間帯では、何時間止めても問題ないということになります。違反しているかどうかは、監視人が見廻っており、タイヤにチョークで印をつけ、2時間たってきえもそのチョークのついた車がそこにあると違反ということで、違反チケットを車のウィンパーの下に挟んで置いて行きます。

写真の標識の左側は駐車スペースが身体障害者用であることを示しています。オーストラリアでは、身体障害者へのケアが行き届いており、このような標識があるところに、身体障害者以外の人が車を止めることはありません。身体障害者は特別のカードを持っていて、駐車するときにはそのカードをダッシュボードの上に乗せて見えるようにしておきます。

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こちらの標識は少し複雑です。9:00~17:00の時間帯では4時間まで駐車できますが、チケットを買う必要があります。17:00を過ぎ、22:00までは時間制限なしで止めることができますが、こちらもチケットの購入が必要です。ただし、この時間帯では赤の矢印のあるところは、停車(もちろん駐車も)禁止です。

ちなみに青字は最近条件が変更になったことを示しています。

右にあるのがチケットマシーンです。場所によって違うタイプの物が置いてありますが、この場合では、コインかクレジットカードで支払いをします。コインの場合はコインをコイン穴に投入し、緑のボタンを押すと、下の十字になったところからチケットが出てきます。

駐車料金がいくらぐらいなのかは、料金を明示してあるところもありますが、この写真のケースでは、それが書いてないので、黄色いボタンの上にある小さな画面の時間をチェックしながらコインを入れていってください。この場合50セントコインは使えませんから注意してください。画面で希望する時間になることを確認して、緑のボタンを押します。

クレジットカードを使う場合は、以前は、クレジットカードそのものを差し込む差込口があったのですが、現在は、EasyParkというアプリケーションに前もって登録しそこで支払いを済ますか、1300 734 070に掛けてパーキングエリアコード(写真の場合は1104)を登録し、クレジットカードで支払うことになります。

いずれの場合も、購入したチケットは車のダッシュボードの上に見えるように置いておきます。

参考までに、チケットマシーンの一番下にある身体障害者のマークは、この駐車場では、身体障害者は無料で駐車できることを示しています。

スピードの取り締まり

日本から来たばかりの人がメルボルンの道路を運転してよく口にするのが、「車のスピードが日本と違う」ということです。これには2つのことが含まれます。1つは、高速道路以外の道路で走っている車のスピードが速いということと、もう1つは、どの道路でも、みんな制限速度を守って走っているといことです。

日本では、高速道路以外では、時速40kmとゆっくりですが、いったん高速に入ってしまうと、100kmを越すほどスピードを上げている車が多いことに気が付きます。

それは、日本では取り締まりがあまり厳しくないからのようですが、メルボルンでは、事情が反対になっています。つまり、高速道路以外の道路の制限スピードは、平均60kmなので、日本から来るとかなり早く感じられます。

その代り、道路のあちこちにカメラが取付けられていてスピードの取り締まりが厳しくなっています。違反すると、罰金通知が送られて来て、支払いを遅延すると、追加料金が加算された通知がまた送られてきます。最後まで払わないと、裁判にまで行かなければいけません。

こういった理由から、メルボルンでは、大抵の車が制限速度を守って走っています。

車上荒らし

メルボルンでは、車に関する犯罪が結構発生しています。一番多いのが車上荒らしです。最近の車はセキュリティーのレベルが高くなったものが多いので、前よりも減りましたが、油断はしないでください。実は私もこの車上荒らしにあったことがあります。

起こったのは、南オーストラリア州のアデレードですが、その頃私はまだ学生で、夜はレストランでアルバイトをしていました。その日は仕事のある日で、レストランの前に車を止めて、仕事に向かったのですが、軽率にもバッグを助手席に置いたままにしてしまいました。

仕事が終わって、車に戻ってみると、三角窓が壊され、バッグがなくなっていました。

警察に報告しましたが、もう戻ってこないだろうと半分あきらめていたところ、翌日の朝、ドアにノックの音がし、開けてみると、警察がバッグを持って立っていました。そのバッグがゴミ箱に捨てられていたのを通りがかりの人が見つけて、警察に届けてくれたのだそうです。バッグにはパスポートも入っていましたが、取られたのは現金7ドルだけでした。

不幸中の幸いですね。でも、車上荒らしは、今でも発生していますから、貴重品を絶対見えるところには置かないでください。それに駐車してからトランクに入れると入れているところを見られて犯罪につながることもあります。トランクに入れるのは駐車する前にしたほうが良いでしょう。

まとめ

メルボルンの州、ビクトリア州の交通状況をまとめてみました。どこの町や国にも特有の法規や道路状況がありますが、メルボルンも例外ではありません。日本との違いを良く知って道路状況に慣れれば、どこにでも自由に行くことができ、メルボルンの滞在をもっと楽しむことができることでしょう。

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