外出できないメルボルン⑤  5段階のロードマップを発表

公開日 : 2020年09月10日
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人のいないショッピングセンター

メルボルンはステージ4の制限措置も残すところあと1週間となり、「父の日」の2020年9月6日、待ちに待った制限措置期限後の方策が発表されました。残念ながら現在の制限措置は2週間の延長となりましたが、新しいスローガン「コヴィット・ノーマル」を目指す5段階にわたるロードマップの第1段階として若干の変更もありました。12月のクリスマスシーズンを控え、ビクトリア州は平穏な夏休みに向かって動き出しました。

■制限措置期限は2週間の延長

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メルボルンのマスクはカラフルです

現在、メルボルンを中心とするビクトリア州の都市部はステージ4、地方の地域はステージ3の制限措置下にあり、9月13日にその期限を迎えることになっています。また、3月16日に最初の発令以来4週間ごとに延長されてきた非常事態宣言も13日に期限を迎えることになっていましたが、9月2日に6ヵ月間の延長が発表されました。コロナ禍での制限措置が始まって以来、措置期限の1週間前には期限後の方針が発表されてきたこともあり、今回も1週間前の6日が近づくと、メディアでもいろいろな憶測が流れるなど筆者も含めダニエル・アンドリューズ州知事の記者発表を心待ちにしていました。そしてオーストラリアでの「父の日」の6日、コロナウイルス新規感染者数(63人)の報告などの定例記者発表に続いて、アンドリューズ州知事が年内の「コヴィット・ノーマル」を目指す5段階の制限措置緩和のロードマップを発表しました。期待していた制限措置の解除は「急ぎ過ぎるとすぐにコントロールが効かなくなる」としたうえで、9月27日までの期限延長となりました。

■地方と都市部で違う進め方

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いろいろな店でマスクを売っています

期限延長にあたっては、これまでの不要不急の外出(生活必需品の買い出し、自宅ではできない仕事、介護、運動以外)禁止の原則は続きますが、13日からは第1段階として、①夜間の外出禁止の時間帯が午後9時~翌朝午前5時に短縮②ひとり暮らしや18歳以下の子供のいるシングルペアレントに限って訪問者1名の受け入れ可③公園の遊具の再開④屋外での運動は家族や家族以外の1名と1日2時間まで可(近所の公園でのピクニックや近所のビーチでの読書なども含まれます)となりました。一方で地方の地域は、屋外では2家族5名までが会うことができ、小売店や美容室、託児所、4学期からの登校再開、スイミング・プールや遊具を含む屋外でのスポーツができるようになります。そして州全体では、9月28日より前の14日間で1日の新規感染者数の平均が30~50人になれば、28日から都市部は第2段階、地方の地域は第3段階目へと進みます。また、これとは別にビジネスについては、制限緩和の段階と業種に応じて4つの制限レベルが設けられています。

■受験生たちは4学期から登校再開

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感染者が出たために臨時休業中のスーパー

都市部の第2段階では、託児施設のほか、建設業や製造業、造園業、メンテナンス業などの業種で約10万人の仕事が再開されます。その後28日以降は4週ごとの見直しをしながら、ロードマップに沿って慎重に緩和を進めていきます。とくに、卒業前や学年末で大切な試験を控えている都市部と地方の地域の公立校の11、12年生(日本の高校2、3年生)は春休み明けの10月5日に登校再開となります。第3段階(10月26日から)は州全体の1日の新規感染者数の平均が14日間5人以下、第4段階(11月23日から)は州全体の1日の新規感染者数が14日間ゼロとなった場合に、専門家の意見やデータをもとに次の段階へ移行していきます。そして最終段階へは、州全体の1日の新規感染者数と陽性患者数が28日間ゼロとなり他州での集団感染の恐れがなくなった場合で、アンドリューズ州知事はクリスマス・ホリデーに入るまでの「コヴィット・ノーマル」実現を州民に呼びかけています。州保健局のブレット・サットン主席医務官は、10月26日までに1日の新規感染者を5人以下に抑えことも現実的であるとする一方で、急な移行は11月半ばでの第3波の危険性を指摘する専門家もいます。

■市内では制限措置への反対集会も

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持ち帰りコーヒーもコロナ対策

9月5日、市内の戦争慰霊館で州の制限措置に対する反対集会が開かれました。集会は、ステージ4の制限措置、強制的なマスク着用、夜間外出禁止令を反対するもので、アンドリューズ州知事は「私たちがいま戦わなければならない相手は、ほかでもないコロナウイルスだ。彼らの行動は自己中心的だ」とコメントしました。この集会では15名が逮捕され160名に罰金が科せられました。

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