ビクトリア全州3度のロックダウン

公開日 : 2021年02月14日
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全豪オープン女子シングルス3回戦で、大阪なおみ選手が16強入りを決めた12日、ビクトリア州は5日間のステージ4の外出制限措置が発表されました。海外からの入国者用隔離ホテルでのクラスターを重大視した「一時遮断措置(circuit-breaker actions」で、突然の記者発表に筆者を含め州民は驚きを隠せませんでした。

■コロナ禍前の平穏な夏 メルボルンは昨年の2度に及ぶ長く厳しいコロナ禍の制限措置を経験し、その後は慎重に規制を緩めながら生活はほぼコロナ禍前に戻りつつあり平穏な夏を過ごしてきました。新規感染者も連日ゼロを更新し、昨年の2020年12月31日に新規感染者が確認されたのにともない、自宅訪問制限、マスク着用、入州制限が一時的に強化されたものの、再び新規感染者ゼロに戻っていました。今回の全豪オープンにあたっても、海外からの選手や関係者の厳格なホテル隔離や、宿泊ホテル職員の陽性者確認による選手への外出制限を経ての開幕でした。

■「新たな敵」に一時的遮断措置で 12日。今回のあまりに突然であまりに予想外の発表を、筆者は外出先のカフェで話すお客の会話で知りました。まさかと思い、最近はすっかり見ることもなくなっていたダニエル・アンドリューズ州知事のSNSを久しぶりに確認すると記者発表がアップされていました。「ひと晩で5人の新規感染者を確認」「私たちは新たなる敵に対峙している」「恐ろしく感染力の強いウイルスが恐ろしい速さで広がっている」......などの不穏な言葉が並ぶなか、今夜半より「一時遮断措置(circuit-breaker actions」に入る旨が記されています。先月クイーンズランド州や西オーストラリアのクラスターで実施されたのと同様の措置で、短期間でウイルスの拡大を阻止しようという狙いだそうです。帰宅途中にスーパーマーケットをのぞくと、レジはすでに山のようなトローリーを押した人々で長蛇の列ができていました。大型スーパー2社ではすぐに購入制限が出されたと夕方のニュースで知りました。

■非常に強く速い感染力 今回の制限措置は海外からの帰国者隔離用ホテルで、帰国者用に使用された医療用吸入器によると思われる13人の感染者が発生したことを受けたものです。確認されたウイルスは英国型の変異種で、いままでの国内のウイルスよりも感染力が非常に強く速いとのことで、これまで通りに検査、経路特定、隔離をしているうちに拡大する恐れがあるための緊急措置です。直後には、国内線空港ターミナルで働くカフェ従業員の感染が確認されたことから新たな市中感染拡大の可能性も心配され、州政府は同従業員がの勤務間帯にターミナルにいた人たち全員に14日間の自己隔離と検査を呼びかけています。会期中の全豪オープンテニスは、3万人の観客席を無観客で試合を続けることになりましたが、12日夜には試合の行われているメルボルン・パークの前から市内に向けて「外出制限措置反対」のデモ行進が行われました。

■半径5km圏内の外出制限再び 今回の制限措置は、発表のあった12日深夜から2月17日23時59分までの5日間が予定されています。内容は、不要不急の外出(生活必需品の買い出し、自宅ではできない仕事、介護、運動以外)の禁止、外出は1日1世帯ひとりまでが5km圏内(自宅から5km圏内に店がない場合は最寄りの店まで移動可)、屋外での運動は1日2時間以内、個人宅への訪問禁止(パートナーは可)、屋外での集会禁止、教育機関の閉鎖(許可された家庭の子供のみ可)、仕事は在宅勤務可能な場合は在宅勤務となっています。また、飲食店は昨年同様に持ち帰り飲みとなり、小売店(スーパーマーケット、酒屋、薬局などの必要不可欠な店以外)、スポーツジム、スイミング・プール、図書館、公共施設は閉鎖、葬儀は10名まで、結婚式は延期。マスクは外出時の着用が屋内外共に義務化されており、違反者は$200、制限の違反者はその場で$1652の罰金(ビジネスは$9913)が科せられます。 現在、メルボルン空港へのすべての国際便の到着は一時中止、ビクトリア州から各州への入州禁止(クイーンズランド、北部準州へはメルボルン都市部滞在者のみ)となり、ニューサウスウェールズ州への入州時には5日間の自己隔離期間が設けられています。

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