推理小説作家・江戸川乱歩②(乱歩ゆかりのお料理旅館・清風亭)

公開日 : 2017年08月08日
最終更新 :
筆者 : な*る
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【江戸川乱歩】・・・三重県名張市出身の推理小説作家。

前回は推理小説作家・江戸川乱歩①(2つの名前の由来)でしたが、今回はその続きをお伝えしたいと思います。

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乱歩は一口で言うと、奇才かつ鬼才であったことは前回号にも書いた通りなのですが、彼自身の作品にも使用していた(幻想)(奇譚)がよく似合う作家でした。

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(江戸川乱歩直筆の書)(清風亭の玄関先より)

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この書には乱歩の有名な言葉(昼は夢 夜ぞうつつ)と書かれてあります。

(うつつ)とは、現=現実を指すとも言われています。

現実的に見える昼は夢・幻想であって、夜こそが現実の姿を現している。と乱歩は考えていたようです。

(現世(うつしよ)は夢 夜の夢こそまこと)も乱歩が残した言葉ですが、同じ内容を表現したようです。

夢想家であった乱歩らしい言葉だと思います。

また(探偵小説界に一人の芭蕉出でよ)は、伊賀国出身・同郷の芭蕉をモチーフにうたっています。

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(江戸川乱歩直筆の書)と写真

上記にも記した乱歩の有名な言葉(現世は夢 夜の夢こそまこと)と書かれてあります。

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この書と写真が置かれていたのは、江戸川乱歩ゆかりの料理屋・清風亭。

知る人ぞ知る名店のようです。

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実は前号でもお伝えしたように地元出身のY・Iさんに教えて頂いた料理屋さんです。

鯉料理や鰻料理が有名で、また趣のある雰囲気のお店ということでした。

早速、とある日、清風亭に行ってみました。

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場所は名張の旧町界隈。

乱歩生誕の地ともそれほど遠くない距離です。

歴史を感じることが出来るような建物。

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建物の玄関辺りには初瀬街道(初回でもご紹介した古代よりの街道)の木の立て看板?もあり、古き郷愁を感じる写真を見ることが出来ます。

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好対照に現代の有名人・ココリコの田中さんやマナ・カナちゃん、推理作家の綾辻行人先生と有栖川有栖先生、アジアンの二人、警察小説で有名な今野敏先生などのご来店写真が飾られています。

(芸人さん達と、江戸川乱歩の造詣が深そうな推理作家の先生達)

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Y・Iさんが教えてくださったように鰻(うなぎ)と鯉(こい)の文字も見えます。

ちなみに、まむし丼とは、鰻(うなぎ)どんぶりのことです。

正式名称は(お料理旅館・清風亭)のようです。

(伊賀まちかど博物館)の木の標識もあり、その佇まいから、なるほどなぁと思いました。

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いよいよ玄関をくぐって、大正3年創業の清風亭の中へ。

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入るとすぐに江戸川乱歩の直筆が目に飛び込んできます。

その横には清風文庫(文人ゆかりの館)とあります。

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階段の横には古い掛時計があり、その上にある人形の置物も年代を感じます。

(まねき猫と福助人形のような面持ちのお人形)

いかにも歴史ある風情です。

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待合室を兼ねているような座敷には昔あった囲炉裏なども置かれ、江戸川乱歩はもちろんのこと、松本清張(推理作家)、陳舜臣(推理作家、歴史小説家)、今東光(作家・天台宗僧侶・参議院議員)や岡部冬彦(漫画家・科学ジャーナリスト)などの著名な作家の直筆がいくつも並べてありました。

玄関周辺を飾っていた推理作家の先生方を含め、多くの文人の方が乱歩ゆかりの清風亭を訪れたことが分かります。

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極めつけは、やはり江戸川乱歩。

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しばし大正時代の香りが残る玄関つづきの清風文庫で待っていると、お部屋の用意が済み、案内してくださいました。

通路を行くとすぐ左手に魚が泳いでいる生け簀(いけす)と歴史ある建物の構造が垣間見ることが出来ます。

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京都あたりによくある商屋のような中庭風土間があって、それを囲んだような2階も見えます。

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さらに廊下を行くと、用意してくださった部屋に着きました。

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名張川を(旅館等によくある部屋に隣接した廊下から)見ることが出来ます。

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いよいよお料理が運ばれて来ます。

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(続きは、次号・清風亭の続編へ)

筆者

三重特派員

な*る

三重県在中27年から見た三重の良さをお伝え出来たら幸いです。

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