映画を見たら訪れたいバゲーリア
トルナトーレ監督の最新作「バーリア」。見てきました。ヴェネチア映画祭では惜しくも受賞を逃しましたが、彼のいつもの作品らしく、しみじみと郷愁を感じさせるストーリーとなっています。
トルナトーレ監督の映画では、彼の出身地であるシチリア島がよく舞台となるというのはご存じの方も多いでしょう。今回はまさに彼の生まれた街バゲーリアが舞台となっています。
私もシチリアは大好きで、とても良いバカンスの思い出がありますが、バゲーリアにはまだ行ったことがありません。(コルレオーネには怖いもの見たさで行ったんですけど)
調べてみると、バゲーリアはパレルモから20キロほどに位置するコムーネ。今では町の様子も当時とはすっかり変わっていることでしょうが、ひとつぜひ行ってみたいなあと思うのは、「パラゴニア荘(Villa Palagonia)」です。映画の中でもちらりと出てきていましたよね。見た方、憶えてますか?このお屋敷は奇怪な彫刻がたくさんあることから怪物庭園とも呼ばれていて、かつてゲーテも訪れたという18世紀の建築物です。昔のお金持ちは、こんな風変わりな庭園を造っては、互いに流行を競い合っていたのでしょうかねえ。
バゲーリアには、これ以外にも、18世紀のお屋敷がいくつも残っているそうですよ。映画を見たら、今度はパレルモからバゲーリアまで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
この映画「バーリア」は来年のアカデミー賞にも出品されることが決まっていますが、どうなるでしょうね。監督の代表作「ニューシネマパラダイス」のように『もう見たら涙が止まりません!』と銘打つような作品でもないですし、決定的なインパクトには欠けるように感じました。でもその分、主役のフランチェスコ・シアンナが、熱く、信念をかけて政治に傾倒しつつも、時代に押し流されて困難極まりない活動を続けていくという、どちらかというと「負け犬キャラ」を好演していて、しみじみ、しっとりと見ることができる珠玉作でした。その父の姿を見つめる息子が、実は監督自身でもあるんですよね。監督も年を重ねて渋くなったということかしら。それにしても、フランチェスコ・シアンナって、昔のリチャード・ギアをさらに田舎っぺにした感じだと思いませんか(笑)?
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