ミラノ城主の気分を味わう城壁ツアー スフォルツェスコ城にて
今回はミラノのスフォルツェスコ城壁から見学し、ミラノを知ろうという面白いツアーに参加してきました。
「メルラーテ・デル・カステッロ・スフォルツェスコ(Merlate del Castello sforzesco)」といい、毎週日曜日午後3時からガイド案内付きでスタートする90分のコースです。(一人13ユーロ、定員25人。完全予約制、10月30日まで)
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアに比べると観光名所が少なく、物足りない印象を与えがちなミラノ・・・。
しかし昨年の食をテーマにしたエキスポがいいきっかけになり、デザイン、モード、建築だけでなく、ミラノという街の歴史や見どころを発見してもらおうと観光面での全力アピールを続けています。
ミラノの象徴でもあるドゥオモから歩行者天国のダンテ通り(Via Dante)を突き抜けていただくと、噴水の向こうにスフォルツェスコ城が見えてきます。
14世紀後半にヴィスコンティ家から城の歴史が始まり、その後、スフォルツァ家が城塞兼住居として16世紀まで君臨していました。
トップの写真にあるフィラレーテの門をくぐると広々とした敷地に出ます。当時は演習場として使われていたものでした。
壁には今やミラノのシンボル、アルファロメオのマークにもある大蛇のイラストが描かれています。
ここを突っ切ってさらに奥へと進んでいくと、城壁部分への階段があります。3階分とのことでしたが現在のミラノの建物でも10階相当の高さまで登ってきました。
通路は人が3人ようやく通れるほどの幅です。壁も通路もレンガで一部、鉄格子に下が見えている個所もありひやっとしました。
胸の高さの手すりから外側を除くと、中庭が見えます。
今回、楽しく丁寧なガイディングをしてくださったのが、奥のオレンジのTシャツのチェーザレ・ファケッティさん。どんな質問にも笑顔で工夫を凝らしながら答えてくれました。
この日は定員の25人満員で城壁を回ります。
途中からはガイドのファケッティさんともう一人、別のお城の係員の方がカギをもって普段は入れない城壁の秘密の通路へ案内してくれました。
当時の警備、戦闘能力について、また貴族の生活が想像以上にどれだけ豊かだったか、食生活や水道設備が意外に整っていたことなど、興味深いエピソードは尽きません。お金持ちの象徴だった鷹飼いの部屋もありました。
特に心をうたれたのは、ルドヴィーコ・イル・モーロという城主が20歳以上も年の離れたベアトリーチェ・デステと結婚したのに、先ただれてしまった後の話でした。彼は城の一番奥に小さな3つの部屋をこしらえ、喪に服する意味でその外壁の部分を黒く塗って生涯を過ごしたとのことです。
そして何といってもハイライトは、入り口のフィラレーテの門とドゥオモが同時に望めるんです!
あいにくこの日はお天気がいまいちで、ぼんやりした印象になってしまいました。
晴天ならきっと、絵葉書にできるような絶品のカットが撮れたでしょうに。
14世紀のルネッサンスの時代だけではありません。このツアーの城壁の通路からはミラノの再開発地区、高層ビルが立ち並ぶガリバルディ地区も眺められ、建物や街づくりのあり方について参加者のコメントが飛び交っていましたよ。
城壁への登り口になる中庭を取り囲む回廊の天井の絵が素敵です。
この中庭は特に音響がよく当時から、また今でもクラシックのミニコンサートが開かれています。
ツアー催行会社;
Adartem
http://www.adartem.it
info@adartem.it
+39-26597728
スフォルツェスコ城
Castello Sforzesco
http://www.milanocastello.it
住所 Piazza Castello
午前7時から午後7時、無料
電話 +39-288463700(info Point)
美術館は午前9時から午後5時。月曜休み。ミケランジェロの最後の未完の彫刻作品「ロンダニーニのピエタ」が有名。火曜の午後2時からは入場無料。
※土、日曜の午前10時から午後5時半までは城壁の一部がフリーエントランスだそうです(要確認)。
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