出産準備教室

公開日 : 2016年02月29日
最終更新 :

私事ですが、昨年夏に新たな命を授かり、今月から臨月に突入しました。

今回は、夫と参加したドイツの出産準備教室について紹介いたします。

日本でも母親教室や夫婦で参加する出産準備教室等があると思いますが、

日本の男性は仕事仕事仕事で忙しくて時間を作れないのが現状じゃないでしょうか?

妊娠・出産はおめでたい事ですが、平日の出産準備教室のために上司より早く会社を退社したり、家庭を優先すること、なんとなく気がひけるような、周りからの評価が下がっていくような、そんな環境にいる人、多いんじゃないかと思います。

真面目なドイツ人も日本人に負けず劣らずよく働く民族だと思います。

でも、私がこっちで生活していて感じる大きな違いは、「家族や自分のプライベートをしっかり大切にできる環境・意識が社会にあること」です。

その結果、出産準備教室は毎週決まった日程で複数回開催される教室が多いですが、私の知り合いの体験談を聞く限り、ドイツでは出産準備教室への夫婦での参加が大半です。

また、州や企業によって違いはあると思いますが、私の夫の場合、育児休暇は最大でなんと2年間も取れるそうです。

とは言え、会社が多忙なため、協議の結果、1か月の育児休暇を取りますが、週に2、3回の勤務またはPCを用いて自宅勤務ということになりました。

1か月の休暇は周りの夫婦例に比べてなかなか短い印象です。

2カ月くらいの育児休暇は普通で、丸1年取っていた人も身近にいます。逆に、それはそれでよく会社が回るなと驚きますし、私だったら自分の会社での必要性を疑ってしまいそうですが・・・。

それでは、私達が参加した出産準備教室について紹介します。

名称: カップル向け出産準備教室 

※ドイツでは結婚せずに子供を持つカップルも多いので、このような名称です。ちなみに、母親のみの教室ももちろんあります。

日程: 毎週月曜2時間×4回、土曜6時間×1回

場所: 産院(助産師さんだけの介助で産む施設)

※大病院でももちろん同様の教室が開催されていますが人気で予約が取りづらいです

料金: 男性のみ、96?。

※ドイツでの妊娠出産は保険で全カバーされていて、女性にはこの準備教室も保険が効きます。

参加人数: 7カップル

講師: 経験豊富な助産師

内容: 実技と講義半分半分。テーブル・椅子等はなく、ヨガマットの上にクッションがあり、座って壁に寄りかかったリラックス状態で受講。紅茶やコーヒー等も用意されていて、飲みながら受講できるというラフさです。

【講義の内容】

◆出産の仕組みについて

助産師さんが、赤ちゃんの人形と人間の骨盤模型や女性の体の構造の書かれた絵を使って、体の仕組み、陣痛の仕組み、赤ちゃんがどうやって出てくるか、出産の流れ、授乳方法等を教えてくれました。今まで考えたこともなくて初めて知ったのは、赤ちゃんが出たあと、胎盤が出てくるのにも時間がかかるということ。そりゃそうですね、もういらなくなるんだから。

◆男女の役割分担について

出産後の役割分担について一人ずつプリントが配られ、それぞれが各項目に関してどのくらいパートナーに求めているか、イメージを書き込んで、パートナーと交換しました。

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項目内容は例えば、おむつ替え、沐浴、夜中の対応、子供と遊ぶ、買い物、食事、洗濯、料理等々。

ほとんどのパートナーは互いにそこまで大きな差がありませんでした。

自分のイメージよりも協力的な回答をした夫に「こんなにやろうとしてくれてたなんて見直したわ!」と感動している女性もいましたが、私はいくつかの項目で「え・・・もっと協力しようという気持ちはないんか・・・?!」とその逆でした。笑

講師は男性陣に、「授乳以外は全部男性ができること。全部自分の仕事だと思って進んでやるように!」と言っていました。女性にとってはありがたい教えです。

◆自然派の出産準備法について

◇Flaxseed(亜麻仁)の摂取(34週以降)⇒毎日食事用スプーン1杯の擦りアマニをたっぷりの水またはフレッシュチーズと共に摂取。亜麻仁油を食事用スプーン1杯でも可。便通改善、体の浄化効果あり。

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日本語名では聞いたこともなく、何の種のことだかわかりませんでしたが、寒い地方で栽培される亜麻という綺麗な紫色をした花からとれる種・油のことだそう。ドイツではパンやシリアル等によく使われてるみたいです。種をそのまま食べてみたら美味しくなかったので、私は穀米ご飯に混ぜたり、シリアルと一緒に食べています。アマニ油はダイエット効果もあって芸能人やモデルさんに注目されているみたいです。普段の料理に使っても良さそう!

アマニの効能については日本アマニ協会HPに詳しい説明がありました。

◇ヘイフラワーを用いたお尻の蒸気保温法(35週以降)⇒熱湯にヘイフラワーを入れた容器をトイレの中に置き、蒸気をお尻にあてる。血液循環とリラックス効果あり。薬剤師のいる薬局で入手可能。スッキリしたハーブ系の香りです。紅茶を作る要領で食事用スプーン2杯くらいにお湯をかけ、できればフラインパンの蓋等で蓋をして5~10分蒸らします。

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個人的には容器をトイレの中に置くことにものすごく抵抗があるので、ちょうど良い容器を便座にはめ込みました。熱湯だけでは暑すぎるので水で温度を調節します。実際にやってみたらお尻がポカポカして、想像の何倍も心地良かったです。薬局で購入したところ、500gのパックが一番小さいそうで、大量に入手してしまったので、入浴剤としてもどんどん使っていくと良いかもしれません。

ヘイフラワーの効能ついてはクナイプのサイトで説明がありました。

https://www.kneipp.jp/bathsalt/heifurawa.html

◇ラズベリ―リーフTeaの摂取(36週以降)⇒1日2~3杯。血液循環、筋肉組織の強化に効果あり。薬剤師のいる薬局で入手可能。スッキリしていて味・香りともに癖がなく、飲みやすいです。Teaスプーン二杯くらいの葉を入れて、蓋をして5~10分蒸らします。蓋をしないとラズベリーリーフから出る効果が半減してしまうそうです。

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◇針治療(36週以降)⇒ドイツ人にとってはあまり馴染がなく恐怖心を持ってる人も多いのですが、臨月にお勧めされていて、こっちの助産師は鍼の資格を持っている人も多いそうです。ちなみに針治療は保険外で、一回15?程度かかります。

◇会陰マッサージ⇒一日一回10分間のマッサージ。小麦胚種オイルかアーモンドオイルか、銅成分含まれた軟膏でのマッサージを勧められました。銅成分?!と驚きましたが、専用の商品が薬局等にあるそうです。多くのドイツ人女性が使っていてオススメしているのが、日本でも人気のドイツのオーガニックメーカーWELEDAの会陰マッサージ用オイルです。

これは小麦胚種オイルとアーモンドオイルの両方が配合されているそうで、ドイツでは50ml 10?くらいで買えます。日本では未発売ですが、海外のオーガニック商品を扱うネットショップで購入できるみたいです。

【実技の内容】

◆呼吸法

数種類の呼吸法を習い、毎週練習し続けます。どれも鼻から吸った呼吸を長くゆっくり口からはき出す腹式呼吸法です。

マットに座って、バランスボールに座って、ストレッチをしながら、立って腕をゆっくり動かしながら。呼吸はゆっくりはき出す、ろうそくを消すようにこま切れにはき出す、「ん~、あ~、お~」と唸りながらはき出す等様々です。

私が子供の頃から想像していた「ヒッヒッフー」のラマーズ法は習いませんでした。

習った呼吸法は、出産当日のみならず、お腹が大きくなって息苦しい妊娠後期にも役立ちます。

私のお気に入りはろうそくを消すタイプの呼吸法です。

◆陣痛の耐え抜き法

陣痛が来ている事を想定してパートナーと一緒に歩きながら、様々な態勢での痛みへの耐え抜き方を習います。

陣痛が来ている時、外にいるかもしれないし、室内にいるかもしれないし、寄りかかれたり手をかけられる場所が皆無の場合もあるかもしれません。

ということで、壁や柱、周りに何もない時はパートナーに体重を掛け、腰を曲げ、膝を楽にしてゆらゆらしながら深く呼吸して痛みを逃す練習をします。その間男性は、腰や背中をさすったりマッサージしたり、女性がどんなサポートを好み、必要としているかを習います。

◆出産直前に効果的な姿勢

この出産準備教室の会場が実際の産院だったことから、

全ての部屋を紹介してもらった際、用具やベッドや壁を使って実際に出産直前にすべき姿勢をパートナーと練習・体験しました。どの態勢も、パートナーありきです。

こちらは、教室内でもらった冊子に載っていて練習もした姿勢例。

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私が一番落ち着くなぁと思ったのは、座った状態の夫の腰に、自分は膝をついて抱き着く姿勢。

女性が紐を持っている図がありますが、これは、天井から釣り下げられた布です。

これに巻き付いてユラユラしたり、つかまっていきんだりするそうで大病院にも必ず設置してあるそうです。

ちなみに、ドイツではこの産院でも、病院でも水中出産を希望する人は、言えば簡単に対応してもらえるのですが(日本は出産方法を選べる病院は少ないと聞きました。)専用バスタブの上からも、この布が設置してあります。

◆ヨガの動き

股関節の可動を良くしたり、腰痛予防、陣痛促進効果、安産効果のあるヨガの動きや、妊婦に向いているストレッチを数種類練習。家で毎日練習するように言われます。

ヨガには詳しくないので、ドイツ語で習ったポーズ名を直訳しました。

◇しゃがむポーズ⇒深くスクワットする形。お腹が大きいと苦しいですが!

◇蝶々のポーズ⇒あぐらをかくように膝を曲げ、かかとを合わせる形。

◇牛と猫のポーズ⇒四つんばいで背中を丸めたり反らせたりする形。

◇骨盤伸ばしポーズ⇒片膝をつき、もう片方の膝を立てて上体を前方へ傾ける形。

◆出産に必要な筋肉

男女別で講義を受けることが一度あり、この機会には、男性がいるとやりづらい会陰マッサージの方法を習ったり、膣の筋肉収縮の練習をしました。

以上、長くなりましたが、私の受けた出産準備教室の内容紹介でした。

夫婦で参加し、一緒に呼吸法や出産準備の姿勢を練習することで、出産を二人で乗り越えるんだ!という意識が高まり、夫婦の絆が深まるような気がします。

講義の自然派の準備法に関しては、ドイツならではで、日本では知られていない内容もあるかと思いますので、現在妊娠中の方は是非試してみてくださいね♪

今後Twitterでもドイツ生活での様々な写真を公開していきます!

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