モスクワ・メトロのドストエフスキー駅
今年の6月、モスクワの地下鉄に、2つの新しい駅が出来ました。その内の一つがドストエフスキー駅(ドストエフスカヤ)。
ご存知、ロシアの小説家ドフトエフスキーの駅。「罪と罰」とか、「カラマーゾフの兄弟」とか誰もが耳にした事はある様な小説の作者ですがきっと、この名を聞いて、誰もがイメージするのが暗い、陰鬱、怖い、オドロオドロしい。。。等のネガティブな感じでしょう。実はこの駅、オープンするのが1ヶ月程度遅れました。その理由として、当時マコトシヤカに伝えられていたのはこの駅のデコレーション。名前の通り、この駅はドストエフスキーの小説の一場面をモチーフにしたモザイク画がこの駅の“ウリ”となっているのですが、とにかく、その小説自体が、殺人だ、自殺だ。。。と暗い場面が有名。故に、モチーフ自体もそういう“誰もが知る有名な場面”となり。。。例えば、
斧で老婆を殺し、その妹を殺そうとする場面は「罪と罰」から。そして、
コメカミに銃を当てる姿は「悪霊」??
ただでさえ、薄暗くて気味の悪い雰囲気の地下鉄な上に今年は地下鉄連続テロがあった年でもあります。そんな中で、こんなモノクロで陰湿なモチーフの駅を作ったら自殺を助長する、というクレームがつき、精神科医までもが「新しい自殺のメッカとなる」等と意見を寄せていた程。そしてその事が、オープンの遅延の原因だと。。。しかし、蓋を開けてみれば、遅延したにも関わらず結局“ネガティブ”とされる場面のオンパレード。(^^;)遅延の原因は、モチーフに対するクレームではなく、ただの遅延だった可能性が“大”です。ま、ロシアじゃ良くある話です。最初からそんな気もしてたし。。。ただ、実際に駅を見てみると、私見ではありますが、そこまで暗いという印象は受けません。それぞれの絵も引きで見てみると、そんなに気味悪くないし。
こちらは「罪と罰」。件の斧で殺戮の場面は左上の小さい場所。全体で見ると、まさにストーリー性のある小説からの絵って感じ。他のも
どれも“自殺を助長するイメージ”とは、私には思えませんが。。。どうでしょう?それよりも、毎年80人もの人がモスクワの地下鉄で自殺を試みるという事実の方が怖い。。。(((( ;゜д゜))) それに、そもそもこの駅自体照明がふんだんに使われていて結構明るいんです。
ま、確かに、ドストエフスキーさんのアップは。。。
怖いっちゃぁ~、怖いのかもしれません。。。(^^;)
階段の手すりにまで、ライトがあしらわれているし下りる人影も、なかなか面白いと思うのですが。。。ロシアが世界に誇る小説家へのオマージュがこんな風に表現されるのって、悪くないと思いませんか?(りり)
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