ムンバイで活躍する日本人 その②

公開日 : 2013年02月12日
最終更新 :
筆者 : 鳥巣 悠

以前、「ムンバイで活躍する日本人」として、着物や帯でバックを作っている方を

ご紹介させていただきましたが(その時の記事はコチラ

今回ご紹介したいのは、ずばり「日本人がインドで作るお豆腐」です。

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本題に入る前に、少しだけこれまでのムンバイのお豆腐事情を...。

写真のお豆腐は、これまでのムンバイで手に入れることができた、唯一の商品です。

(他のブランドからも計2~3種類販売されていますが、いずれもこの様な

長期保存用のパックに入っているものです。)

紛れもなく「豆腐」ではあるのですが、豆の風味はほとんど無く、麻婆豆腐には使えても

冷ややっこや湯豆腐ではちょっと...というお味。

きっと多くの日本人が「もっと美味しいお豆腐が食べたい...!」という願いを

長年抱いていたことと思います。

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しかしそんな中、ついにこのムンバイでお豆腐を作る救世主が現れたのです...!

その名は長谷川さん。タイのバンコクで豆腐作りの師匠に出会った彼は、

バンコクで約5年、日本語教師の仕事をしながら豆腐作りを学びます。

その後、偶然にも長谷川さんらが作るお豆腐のファンであった現在の社長に声を掛けられ、

1年半前からムンバイで開業準備を開始。

工場の場所や材料となる大豆を探す所から始まり、ようやく数カ月前からこの

「Ai(愛)豆腐」を日本食レストランや個人向けに販売できるようになったそうです。

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今回、ムンバイの工業団地の中にある、「Ai豆腐」の工場を見学させていただきました。

この日は長谷川さんとインド人スタッフ3名で絹豆腐、木綿豆腐、おぼろ豆腐、厚揚げ、

油揚げの5種類を作成します。(1日で約300丁作るそうです。)

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まずは水に浸けておいた大豆を水と一緒に挽きます。大豆はインドのものと

中国のものをブレンドしているそうですが、インドの大豆は油分が多く、

それゆえに日本の豆腐とは少し違う方法で製作しなければならないとのこと。

性質的には、木綿よりも絹豆腐に適した豆だそうです。

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こちらは挽いた豆(「呉(ご)」と言うそうです)を蒸気で炊く機械で、カフェラテなどで必要な

フォームミルクのように、中央からスチームを入れています。

この辺りから豆の良い香りが工場中に漂い、食欲を刺激されます...。

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これを布で漉すと豆乳の出来上がり。

出来立ての豆乳をご馳走していただいたのですが、今まで飲んだこともない位、

優しい味で美味しかったです...!

なお、ここから木綿豆腐を作る際には「にがり」を、絹豆腐を作る際には「カルシウム」を

混ぜて固めるのだそうです。

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こちらは油揚げを製作中...。

豆乳とにがりを混ぜて寝かせた後、「型箱」と呼ばれる型に入れ、重しをたくさん

載せて水分を抜いています。

余談ですが、私はこの日「インド人が豆腐を作る」という光景をかなり珍しいものとして

眺めていたのですが、元々お豆腐というのは、インドで生まれた達磨大師という人が

中国に伝え、それが後々日本に伝わった...という説があるそうです。(あくまでも説ですが...。)

もしそれが本当なら、既に豆腐の文化が無くなったインドに、再び日本人が豆腐を伝えに...

というのはなんともロマンチックな話ですね^^

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実は現在、インドは「世界一の糖尿病国」として、肥満が大きな問題となっています。

そんな中、ベジタリアンでも食べられて、低カロリーで健康に良いお豆腐は、

きっとインド人の幅広い層に受け入れられるだろうと思います。

これからは「型箱」の個数を増やし、より多くのレストランやケータリング会社を通じて

「Ai豆腐」を広めていきたい...とおっしゃっていた長谷川さん。

ぜひお豆腐の力で、日本人のみならず、インド人も健康にしていただきたいですね!

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