尾﨑士郎記念館(西尾市吉良町)―長編小説「人生劇場」で一世を風靡した事績を偲ぶ

公開日 : 2020年02月24日
最終更新 :
筆者 : hossie

こんにちは。「地球の歩き方」名古屋・愛知特派員ブログ担当のhossieです。

今回は、愛知県西尾市吉良町にある尾﨑士郎記念館を紹介いたします。

尾﨑士郎は、1898(明治31)年に愛知県幡豆郡横須賀町(現・西尾市吉良町)に生まれた作家です。これまでに幾度となく映画化されてきた不朽の名作「人生劇場」の作者といえば、お分かりになる方も多いことと思います。

「人生劇場」は、尾﨑士郎の自伝的大河小説で、愛知県吉良町から上京し、早稲田大学に入学した青成瓢吉の青春と、その後を描いた長編シリーズです。

1933(昭和8)年に都新聞に「青春篇」が連載され、1959(昭和34)年までに「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」「夢幻篇」「望郷篇」「蕩子篇」が発表されました。

●館内には尾﨑士郎の大きな写真が飾られています。

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1935(昭和10)年に竹村書房から「青春篇」が刊行され、川端康成が絶賛するベストセラーとなりました。

「人生劇場」は、これまでに14回映画化されていますが、なかでも「残侠篇」に登場する"飛車角"の義理と人情に男の意地を貫く好漢やくざが辿る波瀾に富んだ宿命を描いた「人生劇場 飛車角」は大ヒットし、世にいう"東映やくざ路線"の先鞭となりました。

ちなみにこの映画の主演は鶴田浩二、そのほかのキャストも佐久間良子や、月形龍之介、高倉健、梅宮辰夫、村田英雄と超豪華な顔ぶれで、「人生劇場」=ヤクザという通念を生み出すほどの成功を収めました。村田英雄が主題歌を唄ったこの作品から、任侠映画の歴史ははじまりました。

●「人生劇場」映画化一覧です。いずれも大スターが主演を務めています。

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●「飛車角」のポスターです。鶴田浩二さんはもちろん、高倉健さんの格好いいこと。今見ても惚れ惚れします。

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●晩年の尾﨑士郎に関する資料も展示してあります。

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尾﨑士郎記念館は、「士郎さん」として地元で親しまれている尾﨑士郎の事績を偲び、2002(平成14)年に開館した記念館です。

館内には、ご遺族である尾﨑清子氏、俵士氏親子をはじめ、周辺の皆さんから寄贈された4000点以上もの展示品があります。

※併設する旧糟谷邸(豪商の糟谷縫右衛門(かすやぬいえもん)家の屋敷)と併せて見学できますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

■尾﨑士郎記念館

・住所: 西尾市吉良町荻原大道通18-1 吉良図書館となり

・電話: 0563-32-4646

・開館時間: 午前9時から午後5時まで

・休館日: 月曜日(祝日・休日の場合は開館)、年末年始(12月29日から1月3日)

・入館料: 高校生以上1人300円(中学生以下は無料)、団体割引(20人以上)1人250円

※旧糟谷邸、尾﨑士郎記念館、書斎とを併せた金額です。

・アクセス

電車: 名鉄西尾線吉良吉田駅下車 徒歩20分

自動車: 東名岡崎インターまたは音羽蒲郡インターから 車で約40分 

駐車場: 有(吉良図書館の駐車場をご利用ください)

筆者

東京特派員

hossie

世田谷区在住のhossieです。皆様に楽しんでいただける記事を書いていきたいと思います。

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