Carnevale イタリアの謝肉祭

公開日 : 2013年02月11日
最終更新 :

 明日はカーニバル当日。イタリア語ではCarnevale(カルネヴァーレ)といい、日本語の謝肉祭にあたる日です。子供達はカーニバル休暇と称して学校が休みになりますが、公共機関がお休みになることはなく、大人にはさほど関係がありませんし、観光にも影響はしません。

 ただ、この時期は道を歩くにあたって用心しなければならないのです。イタリアの子供達はハロウィンの時よりもよっぽど気合いを入れて仮装をします。なぜならハロウィンとは違い、カーニバルはキリスト教カトリックの宗教行事で、イタリアが発祥の地なので祝福の雰囲気が完全に浸透しているからです。

 女の子はほとんどがディズニープリンセス、男の子は去年から特にスパイダーマンが多いですが、トイストーリーのキャラクターや、カーズ、海賊、消防士さんや警官に至るまで様々。

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 そんなかわいい格好をした子供達は、いろんないたずらを仕掛けてくるのです。紙吹雪や白い泡スプレーを吹っかけてくるのが一般的ですが、ひどい時は卵が飛んできます。私も先日泡スプレーまみれになりました。かわいいから怒れないし(涙)

 この「いたずら」にも伝統があります。そして、「謝肉祭ではどんな冗談も通じる」という諺さえ生まれました。つまりこの「いたずら」に対して怒るのはナンセンスだということ。

 時は18世紀のベネチアにまで遡ります。当時は大人の間の「いたずら」だったのです。

 ラテン語でcarneとは肉、valeとは別れ。キリストの復活を祝う復活祭前に、カトリックでは肉の断食期間があります。Carnevaleの翌日からの断食に備えて、この日は欲望に任せて肉を食べ、酒を飲み、踊って祝おうという日になりました。そして食欲のみに限らず、翌日から始まる禁欲の日々に向けてすべての欲望を吐き出してしまおうと晩餐が開かれるようになり、始まったのが「仮面」による変装でした。

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 素性を知られないよう一夜の火遊びを楽しみ、それについては夫婦間で争いっこなし。儀式として「いたずら」をする上で、結婚生活の崩壊の危険などはあり得なかったのです。

 私は二年前にベネチアでのカーニバルを体験しました。それはもうエレガントで、オペラの世界に入り込んだような、もしかしたら本物のカサノヴァに出会ったのかもしれないような、ミステリアスな一日でした。一瞬アイデンティティを忘れます。みんなが自分ではない誰かになって、いつもとは違った視点から楽しめるのがベネチアのカーニバル。

 ナポリのそれとは少し違います。ナポリでは子供が主役で街がさらにゴミだらけになって、毎日のいたずらが今日は堂々とできてしまう、、といったものでしょうか。

 それでもお祭り好きのナポリ人たちが、楽しそうに街を歩いているのを見るのも悪くありません。

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