地球の暮らし方〜イタリアで働くということ ナポリ編

公開日 : 2013年02月27日
最終更新 :

 イタリア旅行をするにあたって、日本人はパスポートさえあればビザは必要ありませんが、イタリアに滞在する際にたとえ観光目的でも「滞在許可証」が必要なのをご存知ですか?

 イタリアに入国してから8日以内に最寄りの警察署に出向いて「滞在許可証」を申請するのですが、ホテルに泊まる場合はパスポートを掲示することで、ホテル側が警察に申告しているので問題がないそうです。しかし、友人宅に泊まったりする場合は警察署への申告が本来なら必要だということになります。

 ただ、この滞在許可証は数週間の観光中に出来上がるものでもなく、ただ申請中という紙切れを渡されるだけで許可証自体を受け取ることはありません。とにかく、観光目的で三ヶ月未満で滞在する場合、滞在先がどこであっても申告をする人は日本人ではほとんどいないのが現状です。

 たとえ三ヶ月未満であっても、就学または就労する場合は当然日本でのビザ取得と、イタリアでの滞在許可証取得が義務となります。この話は楽しい「地球の歩き方」で書いてもつまらないのでやめておきます。

 そして、就学ビザでイタリアに来て、学校に通っている間に仕事が見つかった場合も、簡単に就労ビザに切り替えることができません。Flussiと呼ばれる滞在許可証を学生から労働に変更する移民法が解禁になる日を待つしかないのです。

 これはその時の政権によって大きく左右されます。Flussiを出す権限があるのは首相のみで、外国人の受け入れに対して寛大な政治家か、厳格な政治家かで、Flussiが出ない年もあるそうです。イタリアの経済状況にもよります。イタリア人でも簡単に就労できないこのご時世、高い税金を払ってまで外国人を雇ってくれる会社などないのはもっとも。でも私たち、夢と目的があってここに来てるんです!

 このFlussiというのは宝くじを当てるのと同じくらい競争率が高いそうです。揃えなければならない書類が多く、雇用側の協力体制も重要です。

 先日私はこのFlussiを手に入れたのです!歌劇場と労働組合が(イタリアとは思えない程)俊敏に動いてくれました。まずはコンピューター入力による申し込み、知らせを受け、書類を集め、私はそれらの書類を言われるがままに労働局や警察署移民局にせっせと運ぶだけでしたが(ナポリではこれらの重要書類を持ち歩くだけでも大変なのだけれど)とにかく無我夢中の日々でした。

 これで公演の度に「奨学金」と題して音楽院を通して給料をもらわなくても、晴れて労働者となったわけです。ばんさーい!

 もちろんそれだけ納税率は上がりますが、それに勝る喜びと達成感。そして安堵感。

 そんな中、妹から届いた心あったまる小包。日本のお菓子でほっと一息つきました。

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 今イタリアは総選挙に沸いています。ナポリにはきのうマラドーナが帰ってきたので大騒ぎ。私はヴェルディのレクイエム公演真っ只中。そして今夜からいよいよ指揮者アバド氏を迎えての稽古が開始。

 バチカンの法王選挙も控えて、なんだか慌ただしいイタリア全土。次回は何か楽しい記事を書きたいと思います。

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