貴族、神父様、近所の人みんな集まる21世紀のナポリの社交場 トラットリア カルミネ

公開日 : 2019年05月14日
最終更新 :
筆者 : Nakky

みなさん、こんにちは!

今日はナポリ人が良く通うトラットリアをご紹介したいと思います。

クリスマスの時に飾る、18世紀のナポリの町にキリストの誕生を再現したプレセーペ・ナポレターノを売っているサン・グレゴリオ・アル・メーノ通りの近く、ナポリ ソッテラーネアの前にあるアンティーカトラットリア カルミネです。

foto1.JPG

でもこの辺りに住んでいるナポレターノの間ではカルミネとは呼ばれていません。

アデーレと呼ばれています。

なので「今日はアデーレに行こう」「アデーレで待ってるよ」という感じです。

私も最初はアデーレという名前のレストランなのかと思っていました。。

アデーレというのは現店主の名前で、誰にでも口が悪いけど、人懐っこい典型的なコテコテのチェントロ ストーリコ(歴史中心地区)のナポレターナという感じの女の人です。

このお店お料理もコテコテのナポリ料理で、

foto2.jpg

・パスタ・パターテ(パスタ ミスタにジャガイモとプロ―ヴォラチーズが入ったパスタ)、

foto3.JPG

・スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ(あさりのパスタ。プチトマトをいれたい時はマッキアーティ、プチトマトなしはイン・ビアンコと注文してくださいね)

・パスタ・スーゴ(お肉をトマトソースで煮込んだ時に残るトマトソースにパスタをいれたもの。なのでお肉の風味はしますがお肉は入っていません)、

・パスタ ジェノヴェーゼ(お肉を玉ねぎなどと煮込んだ時のお汁をパスタソースにしたもの。なのでお肉はほとんど入っていません。緑色のペーストと思って注文すると大間違い! ジェノヴェーゼの名前の由来はジェノヴァではなくジュネーブから来てるんです!)

などなどナポリ料理の宝庫です。

そしてセコンド(お肉、お魚料理)は

foto4.jpg

私のおすすめブラチョーラ

これはイタリアの他の地域ではお肉を焼いた料理を言う所もありますが、ナポリのブラチョーラは薄いお肉中にピノーリ、イタリアンパセリ、にんにく、ペコリーノチーズなど詰めて巻き、トマトソースをかけたものです。

これがすごくおいしいんです!アデーレに来た際は一度は食べてみてください。

その他にもポルペッテ(ミートボールのようなもの)やジェノヴェーゼ(お肉を玉ねぎで煮込んだもの。こちらにはお肉が入っています。パスタ・ジェノヴェーゼはこの時に出たお汁をパスタソースにしています)。

また、このお店の人達の親戚がバカラ(タラの塩漬け)が有名なヴェスヴィオ山の麓でレストランをしていて、その地域から運ばれてくるバカラで作ったフライも格別です。

IMG_7730.JPG

イカのフライも美味しいです!

さて、このレストラン地元の歴史中心地区に住んでいるナポレターノ達でお昼はとても賑わっているんです。

この近くでお店をやっている人、銀行員、大工さん、弁護士、神父さん、イタリアのデザイナーなどなど色んな人がきます。

みんな「ここ空いてるよ」なんて感じで一緒にお昼を食べて色々うわさ話、情報交換、サッカーの話題、政治の話題など、まるで社交場のようです。

ゲーム・オブ・スローンズのジョン・スノウ役で有名なキット・ハリントンが食べに来た時にはお店の前にファンの人が群がってしまって、彼はレストランの裏口から出て行ったなんていうエピソードもあります。

その他にもここはナポリの王様でもあったアラゴン王家の王子や両シチリア王国がもし復活したら女王になるであろうプリンセスなど貴族なども食べに来るんです。

アデーレは王子様とは知らずいつも通りからかいながら接客していたら他の人に「あの人は王子様だよ」と言われてびっくり「プリンスだったのかい???」なんて言ってハグしたなんてこともありました。

それからプリンスはたまに来ては少しずつ何種類も味見をしたいようでプリンスメニューとして色んな料理を一口ずつお皿に盛って出してもらうんです。

さすが貴族、違いますね。

foto5.jpg

マエストロが歌うナポリ民謡を聞きながらご飯を食べられます。

みなさんもナポリに来た時にはナポリの社交場アデーレに足を運んでナポリの空気を感じてみてはどうでしょう。

またナポリが面白く好きになるはずです!

筆者

イタリア特派員

Nakky

2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。