今年4月35年ぶりに公開! 耳飾りをしたガイコツ。サンタ・ルチエッラ・アイ・リブライ教会

公開日 : 2019年10月04日
最終更新 :
筆者 : Nakky

みなさん、こんにちは

今日は今年の4月に公開されたばかりのとっても小さな教会、サン・ルチエッラ・アイ・リブライ教会を紹介します。

教会と言っても地震で壊れてしまいずっと閉鎖されていて、今回35年ぶりに教会としてはもう機能していませんが博物館として公開されています。

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こちらの聖ルチエッラは聖ルチアのことで、聖ルチアは敬虔なキリスト教徒でした。

ある日異教徒との政略結婚を拒んだ為、キリスト教徒ということで死刑に罰せられましたが、何度か試みても死刑にできず最後に両目をくりぬきました。

ところが両目がなくても見えることができたのです。

ざっくり話すと聖ルチアの生い立ちと奇跡はこのようなお話です。

教会や美術館などで女の人が二つの目を持っている絵を見たことがある方もいらっしゃると思いますが、それが聖ルチアです。

どうして聖ルチアの話をしたかというと、こちらの教会は職人の為の教会でした。

1327年より少し前に教会は建てられ、1629年に職人の為の教会になりました。

職人でもトンカチを使って大理石やヴェスヴィオ山から取れる黒石を砕いたりする職人なので、目に破片が入ったりして目を怪我したりする人が多かったそうです。その為に聖ルチアにお参りして守ってもらおうということなんです。

この教会にも聖ルチアの絵の象徴の二つの目を持っている女の人の絵があります。

教会は1980年の地震の時破壊されて、修復をし、今も少しずつ修復をしている所ですが、祭壇も前の部分が割れてしまっていたり、後ろのオルガンがある場所ものぼることができません。

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しかもこちら地震後閉まっていた時、教会の物はほとんど盗まれてしまいました。

なので教会にはほとんど残っていません。

修復する前の写真などもあり、ボロボロだった様子がわかります。

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聖水を入れる皿

でもまたこの廃退的な感じが雰囲気を出していて私は好きです。

こちらの教会にも前にお話したサニタのサン・ガウディオーゾのように地下墓地があり、地下に埋葬していました。

昔1800年初期ジョアッキーノ・ミュラーがナポリを統治するまで、ナポリには墓地がなく教会の下に亡くなった人を葬りました。

そのため、職人さん達の葬る場所も必要だったようです。

この教会で何が有名かというと、耳飾りをした少女ではなく耳飾りをしたガイコツがいます。

そのガイコツを同じくサニタのチミテッロ・デッレ・フォンタネッレのように好きなガイコツを選んで人々はお願いごとをしていました。

中には持ち帰ってしまう人もいたようです。

歴史中心地区にはこの他にも、サンタ・マリア・デッレ・アニメ・デル・プルガトーリオ・アドゥ・アルコ教会、サンティ・フィリッポ・エ・ジャコモ教会など地下墓地を見る事ができます。こちらの教会はまた別の機会にご紹介しますね!

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地下墓地

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ちょっとわかりずらいですが、耳飾りをしてます。

耳飾りがついているガイコツということで珍しいこともありみんな好んでこのガイコツにお願いごとをしていたようです。

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前にお話したサン・ガウディオーゾは死体を座らせ、贓物を流していましたが、こちらでは座らせず立たせていたようです。

写真後ろのくぼんだ所に死体を立たせて、手前の穴の方に贓物などが流れるようになっていたようです。

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ガイコツが逆さになっていたり後ろ向きになっていたりするのは、願いごとが叶わなかった時怒って逆さにしたようです。

ちょっと逆恨みのような気もしますが。。

銀色の人の形をしたものなどが壁にかかってるのがあります。

色々な教会で見たこともあるかと思いますが、願いが叶った時にお礼に置きます。

例えば足が悪くて治った場合足の形のものなど。

壁いっぱいにあったようですが、銀でできているのでこちらも盗まれてしまったようです。

日本でも墓泥棒など聞きますが、私はバチが当たりそうで怖いですが。。

こちらの十字架や前の写真にあった棺はこちらにもともとあったようです。

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今でもお願いをする人がいるそうで、紙が祭壇においてありました。

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地下にも祭壇があります。

その祭壇の前に蓋をしてありましたが、まだ下りられる階段があるそうです。

でもまだ下りたことがないらしく何があるかわからないそうです。

何があるんでしょうね!今後調査して下りられるようになるかもしれませんね!

小さいながらもとても興味深い教会でした。

場所も観光で通るスパッカナポリから曲がったところにあり、その道を入っていくとプレセーペで有名なサン・グレゴリオ・アル・メーノ通りに出ます。

昔のナポリの風習に触れてみてください。

CHIESA DI SANTA LUCIELLA AI LIBRAI(サンタ・ルチエッラ・アイ・リブライ)

金曜、土曜、日曜 10時半から17時半

ガイドツアーのみ 4ユーロ

VICO SANTA LUCIELLA,5

スパッカナポリ(via san Biagio dei Librai サン・ビアージョ・デイ・リブライ通り)をドゥオーモ方面に歩き右側にでてくるVico Santa Luciella(サンタ・ルチエッラ通り)を入ってすぐです。

曲がる前に看板も出てるので分かります。

Museo di tortura(拷問を紹介している博物館)の斜め前です。

筆者

イタリア特派員

Nakky

2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。

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