【ヴァッレ・ダオスタ】中世のお城がいっぱい!
皆さん こんにちは!
ヴァッレ・ダオスタは自然やローマ時代の遺跡だけじゃなくて、中世のお城もたくさん残っています。
今日はヴァッレ・ダオスタにあるお城を少し紹介したいと思います。
ヴァッレ・ダオスタはイタリアで一番小さな州でもあります。
なので、ほぼ州都のアオスタから行ける場所にあります。
今回は新型コロナウイルスの影響もあり、夏のバカンスの時期も重なり、一回に入れる人数が少なかったりしたため、オンラインであらかじめ購入しないと入れないところもありました。
●まずは有名なCastello di Fènis(カステッロ・ディ・フェニス/フェニス城)
アオスタからバスで40分くらいです。
お城の下にバス停があります。
このお城はヴァッレ・ダオスタで一番有名で権力者だった貴族Challant(シャラン)の持ち物でした。
18世期には最後の後継者が7歳で亡くなり、その後、世継ぎが生まれなかったため途絶えました。
いまでも町の名前になっていたり、いたるところにこのシャラン家の紋章や名前を見ます。
お城が書類に登場するのは1242年で、そのあと増築などを繰り返しいまの形になりました。
1700年前半にシャラン家が断絶し、そのあと伯爵が購入したり、農家の人たちの物置になったりしたあと、ヴァッレ・ダオスタ州の所有になりました。
外観もすてきですが、中庭のフレスコ画、礼拝堂など内部も見どころが多いです。
●Castello Reale di Sarre(カステッロ・レアーレ・ディ・サッレ/サッレ城)
アオスタからバスで20分くらいの所にあります。
このお城はイタリア統一後王政になった時の国王が狩用に買ったお城です。
いまはイタリアは共和国です。
このお城は13世期前半に建てられ、1869年イタリアの国王サヴォイア家、ヴィットーリオ・エマヌエレ2世の所有になりました。
前々回に書いたグラン・パラディーゾによく狩に行っていたようです。
その次の王、ウンベルト1世もこのお城が気に入っていたようです。
奥さまのマルゲリータ女王はのちに説明する別のお城に行っていました。
1972年までサヴォイア家の所有でしたが、そのあと1989年にヴァッレ・ダオスタ州の所有になりました。
グラン・パラディーゾにはアイベックスを狩りに行っていたようで、アイベックスの角が部屋一面にあったりします。
●Castello di Sarriod de la Tour(カステッロ・ディ・サリオ・ドゥ・ラ・トゥール/サリオ・ドゥ・ラ・トゥール城)
アオスタからバスで15分くらいです。
サーレ城に行く少し前にあります。
14世期には建っていたといわれています。
1900年前半までサリオ・ドゥ・ラ・トゥール家の所有でした。
とても小さいお城ですが、1500年代の木の天井が残っていたりとても興味深いお城です。
オリジナルの1500年代の木の天井
1500年代の落書き。いまでは歴史的なものですね!
●Castello di Saint Pierre(カステッロ・ディ・サン・ピエール/サン・ピエール城)
サリオ城の道路を挟んだところにあるお城。
残念ながら今回は修復のため閉まっていました。
1191年に書物に初めて出てきました。
その時代の塔が現存しています。
いろいろな貴族の所有になり、いまはサン・ピエール市の所有です。
外観はフェニス城と同様とても人気のお城です。
内部はいま、博物館になっています。
●Castello di Ussel(カステッロ・ディ・ウッセル/ウッセル城)
Châtillonの駅から山に登って行くとある中世のお城。
こちらは夏季の特別なときだけ開きます。
1343年、こちらもシャラン家によって建てられました。
そのあと監獄や兵舎などになり、1983年に州の所有になりました。
●Castel Savoia(カステル・サヴォイア/サヴォイア城)
アオスタまたはトリノなどピエモンテ州から電車、またはバスでポン・サン・マルテンに行き、そこからグレッソネー行きのバス。Gressoney-Saint-Jean(グレッソネー・サン・ジャン)にあるサヴォイア家(イタリア国王)のマルゲリータ女王が夏の避暑地として建てたお城。
1899年から5年かけて建てられました。
マルゲリータ女王はグレッソネーがとても好きで毎年のように来ていたようです。
モンテ・ローサにも登ったり、あの当時の服装で頂上まで登るというのはかなりすごいですね。
外観は童話に出てくるようなお城です。
グレッソネー・サン・ジャンの中心から30〜40分くらい歩きます。
中心からお城を見ると木の中にポツンと建っていて、本当におとぎ話のお城のようです。
修復もしていなくオリジナルのまま残っています。
昔はビリヤードは女の人の遊びだったようです。知りませんでした!
夫であるウンベルト1世は1900年に亡くなっていますから、ひとりで少数の使用人と来ていたようです。
息子のヴィットーリオ・エマヌエレ3世はあまりこの場所は好きではなかったようです、女王が亡くなったあと、財政難のため家具など売ってしまったようで残念ながら城内にはほとんど家具は残ってません。
●Castello di Verrès(カステッロ・ディ・ヴェレス/ヴェレス城)
アオスタまたはポン・サン・マルテンからバス。
Verresの中心から40くらい坂を登っていくと辿り着きます。
かなりキツイようです。
1287年に初めて書物に出てきて、1390年にシャラン家が要塞兼住居として建て直しました。
いまの形になったのは1536年からです。
シャラン家に男子が生まれなくサヴォイア家の手に渡り、そのあと忘れ去られていましたがいまは州の所有になりました。
●Castello di Issogni(カステッロ・ディ・イソーニ/イソーニ城)
フォルテ・ディ・バルドゥからバスで5分くらい。
こちらもシャラン家の住居。
紀元前からここにはローマ時代のお屋敷があったといわれています。
1379年からシャラン家の住居となり、断絶するまで代々シャラン家が住んでいました。
シャラン家はVerresのお城に住んでいましたが、不便ということでこちらのお城に引越しました。
こちらのお城は最後ピエモンテ州の貴族で画家の人が購入し1500年代の家具を購入したり修復したりして、城内には1500年代のお城の雰囲気が残っています。
いまは州の所有です。
後ろにあるランプが1500年代オリジナル、手前がそれをピエモンテ州の貴族がレプリカで作ったもの。よく見ないとわかりませんね!
●Forte di Bard(フォルテ・ディ・バルドゥ)
Hone Bardの駅からすぐ。
ローマ時代からこの場所にお屋敷のようなものが建っていたようです。
だんだん大きくしていき要塞兼お城でしたが、ナポレオンが破壊し、そのあとサヴォイア家が建て直し、いまのようになっています。
そのあと牢屋としても使われ、イタリア統一の功労者、イタリア共和国の最初の首相カヴールもここに入っていたそうです。
いまは博物館になっていて、外観だけを歩いて見るのであればチケットなしでまわれます。
それぞれどの博物館を選ぶかによってチケットの値段が変わります。
要塞のあるところは小さな集落もあり、中世の雰囲気が残っていてとてもかわいいです。
フォルテ・ディ・バルドゥから見たバルドゥの町
●Castello di Arnad(カステッロ・ディ・アルナ/アルナ城)
Forte di Bardにあるバス停から5分くらいのArnad。
ここはラードが有名でもあります。
お城のある周辺は石造りの家が並ぶとてもかわいい村です。
お散歩するだけでも価値があります。
お城は上と下にあり、山の上のお城はヴァッレ・ダオスタ州の中で最も古いお城のひとつとされています。
最初は教会が建っていて、12世期にフォルテ・ディ・バルドゥ、ポン・サン・マルテン城と同じくバルドゥ家が所有し、そのあとヴァレース家の所有になりました。
こちらのお城で最初は山の上に住んでいたんですが、たいへんなので山の下にお城を建ててそこに住んでいたようです。
上と下をつなぐトンネルもあったそうです。
下にある住居用に建てた屋敷跡
下の住居だったところはいまは朽ち果てています。
上のお城はゆっくり修復を進めているそうで、下のお城の脇の山道から30分くらい登ると着きますが、外観のみで中には入れません。
ヴェレス城、イソンニ城、フォルテ・ディ・バルドゥ、アルナ城はとても近いのです。
アルナの町はとてもかわいいですし、フォルテ・ディ・バルドゥのとなり町Donnas(ドンナス)にはローマ人が岩や山を崩して作ったローマ時代の道が残っています。
柱にはアオスタまで50kmまでと記されています。
そしてドンナスの町はヴァッレ・ダオスタ州では珍しく雨が多く、ほかの町と比べても気候が少し違うらしく、ワインの産地でもあります。
このあたりはVia Francigena(ヴィア・フランチージェナ)イギリスからローマまで通る道。
イギリス人やフランス人が歩いてチャレンジする人が多いです。イタリア人はあまりしないようです......。
アヴェンジャーズのエイジ・オブ・ウルトロンの舞台にもなっています。
ぜひ行ったら全部見て欲しいです!
車をレンタルしたら時間もかからず移動できると思いますが、今回バスでまわってもスムーズでした。
ほかにもまだまだヴァッレ・ダオスタにはお城があります。
ヴァッレ・ダオスタは自然と中世の雰囲気、ローマ時代も感じられる場所です。
人もとても親切であたたかい感じでした。
トリノからも近いのでぜひ行ってみてください!
筆者
イタリア特派員
Nakky
2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。