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日本国内/奈良特派員ブログ 大向 雅

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2018年1月18日

鑑真和上の魂が宿る唐招提寺


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鑑真和上の魂が宿る唐招提寺

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薬師寺から北へ5分で世界文化遺産・唐招提寺(とうしょうだいじ)に到着いたします。


唐招提寺は、南大門から一歩境内に踏み入れると、とても空気が優しいお寺です。正直これは文字で表すことはできないですが、とにかく癒される空間なのです。

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正面にどーんと建つのがお寺の本堂である金堂です。こちらは天平時代の金堂建築として唯一現存する貴重な建物で国宝に指定されています。奈良らしい寄棟造(よせむねづくり)の大きな屋根は本瓦葺きで、左右に鴟尾(しび)が飾られています。また、円柱の中ほどに膨らみをもつエンタシス式の柱が並ぶ姿は雄大で温もりもあります。


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解放された扉の奥には、御本尊の毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)坐像を挟んで向かって右側に薬師如来・左手に千手観音立像が並んでおられます。

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とりわけこちらの千手観音菩薩像の手は、他で多く見られる42本形式ではなく、その名に偽りなしと言えるほど多くの手を持たれることで有名です。そして四隅には東西南北をそれぞれ守護する四天王像と梵天・帝釈天像がおられます。これらすべての仏像が奈良時代末期から平安時代初期に造られたもので国宝に指定されていますから、その荘厳さと迫力に思わず圧倒されてしまいます。


どの仏像もすごく厳しい眼差しで凛(りん)としたお顔をしておられますが、同時に慈しみに溢れているとでも言えばよいのか、とにかくとても温かく感じてしまいますから仏像の持つオーラは不思議なものです。これらの仏像たちのお顔にどれほど多くの人たちが心癒され救われてきたことでしょうか。


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当時の日本では唐の国に留学して本場で学んだ者だけが正式な僧になれた時代で、国内では授戒ができるほどの高僧もおらず、その制度はまだありませんでした。そのような中、飢饉に苦しめられた農民たちは税や労役から逃れるために、私的に剃髪し、僧となる者が続出して社会秩序の乱れにつながっていました。

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その状況を憂いた聖武天皇の勅命により、遣唐使と共に唐に渡った普照(ふしょう)と栄叡(ようえい)という留学僧の決死の嘆願に心を打たれた高僧・鑑真(がんじん)が「渡日したい者はいないか」と弟子に問いかけましたが、命を懸けて危険をおかしてまで渡日を希望する者はいませんでした。


そこで鑑真自らが正式の伝戒の師として渡日することを決意されましたが、その後日本への渡海は様々な要因で5回も失敗に終わります。それでも渡日するという決意は揺らぐことなくついに6回目でようやく日本の鹿児島に辿りつかれたわけですが、最初の渡航から実に10年もの歳月がかかっていました。


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東大寺の大仏開眼から2年後の754年1月に平城京に到着された鑑真一行は、聖武(しょうむ)上皇、孝謙(こうけん)天皇の歓待を受け、東大寺に戒壇の設立と正式な僧になるための授戒について全面的に一任されました。(大和絵巻実行委員会の皆さま)

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そして鑑真は東大寺大仏殿に戒壇を造営し、約5年の間で聖武上皇から僧尼までの約400名に菩薩戒を授けられました。


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聖武上皇が亡くなられた後、東大寺を出られて平城京右京五条二坊にありました新田部(にいたべ)親王邸の跡地に寺領を譲り受け、厳しい戒律伝導の拠点として現在の唐招提寺を建立されたのが唐招提寺の始まりとなります。


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