海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > 日本  > 奈良特派員ブログ > 修験道の本山・金峯山寺

日本国内/奈良特派員ブログ 大向 雅

日本国内・奈良特派員が現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2018年4月 5日

修験道の本山・金峯山寺


修験道の本山・金峯山寺

IMG_4980 (2).JPG

金峯山寺(きんぷせんじ)は、世界文化遺産・紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)の中に含まれていて、吉野町にある金峰山修験本宗(修験道しゅげんどう)の本山です。


DSC09227 (2).JPG


紀伊山地の霊場と参詣道というのは和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)とその参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道)のことを指します。


IMG_5035 (2).JPG
同じ吉野山にある吉野水分(よしのみくまり)神社、金峰(きんぷ)神社、吉水(よしみず)神社という文化遺産たちの中でも、とりわけ凄い存在感のあるのが、この金峯山寺だと思います。

DSC09168 (2).JPG
こちら蔵王堂(ざおうどう)とよばれる本堂は、1592年に豊臣家の寄進により再建されたもので、高さ34メートル、奥行、幅ともに36メートルの巨大な建物です。重層の入母屋造(いりもやづくり)で、一見すると二階建ての様ですが、中は吹き抜けになっているという構造です。


内部の柱には製材されておらず、枝を落として皮を剥いだだけのような自然の木に近い柱が使われており、他ではちょっとお目にかかることがありません。そして大きな屋根は瓦葺き(かわらぶき)ではなく、檜の皮を使う檜皮葺(ひわだぶき)が用いられていることにも注目して欲しいと思います。


IMG_7213 (2).JPG

一般的にお寺の屋根というのは瓦を葺いたものが主流で、檜皮葺というのは神社建築に使われることが多いのです。


DSC03254 (2).JPG
それは、日本古来の神道における神々が、実態があるものではなく自然そのものを畏れ敬うことからはじまっていることに由来します。

そして拝殿や本殿といった建物には瓦のような人工物を使わずに、できるだけ自然のものを使うようにされてきました。インドが発祥で古代中国から伝わってきた仏教寺院の建物とは根本的に違いがあるということです。

しかし、修験道は神道と仏教を融合させてその良いところを取り入れた独自のものですから、お堂にもその名残があるのかもしれません。


DSCN3294 (2).JPG
他にも奈良の室生寺の金堂や、京都の清水寺の本堂など、仏教寺院でありながら檜皮葺の屋根を使われている例は見かけますが、ただの仏教寺院というよりは、やはりお寺全体が自然のパワーを求めているような感じが漂っています。


IMG_5032 (2).JPG
金峯山寺の開基は修験道の創始者でもある役小角(えんのおづぬ)で、役行者として多くの場所に伝説を残されている人物で、このように前鬼(ぜんき)と後鬼(ごき)という鬼の夫婦が両脇に仕えている像が一般的です。


前鬼と後鬼には5人の子供がいて、その子孫たちは五鬼(ごき)または五坊(ごぼう)と呼ばれ、奈良県の下北山村に修験道の修行者のための宿坊を開き、行者坊、森本坊、中之坊、小仲坊、不動坊を屋号とされました。


明治時代の廃仏毀釈の影響もあって次第に衰退していきましたが、小仲坊の五鬼助(ごきじょ)さんの家だけは今でも変わらず宿坊をされています。

このように古代から歴史がつながっているのを肌で感じられるのも奈良の魅力の一つだと思います。

S__53501958 (3).jpg
ご本尊は三体の巨大な蔵王権現(ざおうごんげん)像です。究極不滅の真理を体現し司る王が権(かり)の姿で現れた神仏という意味を持ち、仏や天神地祇すべての力を包括しているとされています。


像容としましては密教の明王像のように、激しい忿怒相(ふんぬそう)で、怒髪天(どはつてん)という髪が逆立っている状態で、左手は刀印を結び、右手には三鈷杵(さんこしょ)という密教の法具を持ち、力強く踏ん張っている左足に対して右脚を宙高く上げておられるのが一般的ですが、インドはもちろん中国にも同じ像容の仏像がないため、日本独自の尊像とされています。


DSC00912 (2).JPG
現在の像は桃山時代のものですが、長年にわたり秘仏とされてきたおかげで彩色が鮮やかに残っておりとても400年を経た像とは思えないくらい綺麗です。現在も特別開扉の期間以外は秘仏とされていますが、なにぶん巨大な像が三体も並んでいますので、そのオーラが伝わってくるのを感じていただけると思います。


ちなみに平成30年の春は3月31日(土)~5月6日(日)が特別開扉となっております。他の詳しい時期につきましては、金峯山寺へ直接お問い合わせくださいませ。

にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 奈良県情報へ
にほんブログ村

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー 見所・観光・定番スポット
2018年4月 5日
« 前の記事「日本一の桜の名所・吉野山」へ
»次の記事「南朝の御所・吉水神社」 へ
奈良特派員 新着記事
【急募!】奈良特派員を募集しております!
元号も奈良から祝・令和
偉大な霊剣が御祭神・石上神宮
室生・龍穴神社は奈良屈指のパワースポット
日本一の桜の名所・吉野山
日本国技発祥の地・相撲神社
銅鏡がどっさり出てきた黒塚古墳
御嶽山・大和本宮

近畿旅行 旅スケジュール

旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■奈良県の旅行記・口コミ「旅スケ」へ

日本国内にもどる

  • 特派員プロフィール
  • 奈良特派員

    奈良特派員
    大向 雅
    京都奈良観光散策 雅流塾の代表 観光ハイヤーの経験と知識をもとに2014年に独自の観光ガイドシステムを立ち上げフリーランスの観光コンシェルジュ“たっしー&たー坊”として活動中 古都奈良にある神社・仏閣や名所旧跡を通して 古代より現在まで先人たちから受け継ぎ育んできた歴史と文化を分かりやすく伝えていきたいと思います。 DISQUS ID @disqus_YaoRmxkTzr

  • リーダーに登録

地球の歩き方Web特派員募集