飛鳥美人が微笑む高松塚古墳

公開日 : 2018年07月05日
最終更新 :
筆者 : 大向 雅
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石舞台古墳と同じくらい全国的に知名度があるのが高松塚(たかまつづか)古墳です。

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昭和48年、明日香村で行われていた発掘調査によって、それまでの古墳では見られなかった鮮やかな色彩の壁画が残る石室が発見されました。とても有名な女子群像や男子群像、北壁には玄武、東壁に青龍、西壁に白虎が、そして天井には星宿図とよばれる天文図がそれぞれ描かれています。

残念ながら南側の壁が破壊されていたので、綺麗には残っていませんが当然ながら四神の朱雀が描かれていました。

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この壁画は飛鳥時代の人々の様子が描かれた貴重な資料として、国宝にも指定されたことで大切に保管されてきたはずでしたが...近年その保存環境が悪く壁画の劣化が進んでしまい、石室を解体して古墳から取り出して壁画を修復して保存することとなってしまいました。

そして現在は奈良文化財研究所の施設でゆっくりと時間をかけてクリーニング中です。

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普段は関係者以外は立ち入り禁止の場所ですが、ガラス越しだけど間近でこの本物の壁画を見る機会をいただきましたのでご紹介。

この中の気温は21度ほどで滅菌消毒した人たちが、修復のためのクリーニング作業をされていますが、なにぶん緻密な作業なので本当に大変そうです。

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高松塚古墳の墳丘の横には壁画館というものがあり、発掘当初の古墳の内部を忠実に再現してくれています。これには二種類ありまして、この古墳が造られたころの彩色を復元した壁画と、やや劣化が進んだ現在の状態の壁画とが展示されていてとても興味深い仕上がりですから古墳好きにはたまらないかもしれませんね。

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本当なら墳丘の中に安らかに眠っていたはずなのに、調査研究と保存のためとはいえ1300年を経てから外の世界に追い出されることになろうとは、夢にも思っていなかった壁画たちが綺麗になって再び永い眠りにつける日が来ることを切に望みます。

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