夏はやっぱり海・マンハッタンから行ける日帰りビーチ

公開日 : 2005年08月16日
最終更新 :

言うまでもなくマンハッタンにはビーチがない。だからニューヨーカーはセントラルパークやハドソンリバー沿いの芝生で、ビキ二や海パンスタイルを披露。ビーチよろしく一日中ゴロゴロしながら日焼けに励んでいる。

元来海好きの私としては、水平線もない砂浜もないそんなところで寝そべるだけなんてがまんできない。東京から湘南や鴨川、大阪から白浜に行けるようにニューヨーカーだってどこかの海に行けるはず。そんなわけで今回はマンハッタンから日帰りできるビーチをアクセスしやすい順にご紹介。

1)コニーアイランドビーチ(CONEY ISLAND BEACH)

マンハッタンから地下鉄2ドルで行ける一番お手ごろなビーチ。マンハッタンの東側にはイーストリバーを隔ててロングアイランド(クイーンズ地区、ブルックリン地区、JFK空港やラガーディア空港も含まれる)と呼ばれる東西に細長い陸地が続くが、コニーアイランドはその陸地のマンハッタン寄り南に位置する。ゲームコーナーや食べ物屋台、名物の木製ローラーコースターがあるが、肝心のビーチはそれほどきれいとはいえない。しかし手ごろなためかいつ行ってもかなりの混みよう。どちらかというと白人よりアジア系イスラム系の家族連れが多い。駅を降りて目の前がビーチなのでロケーションとしては抜群。左に歩くと水族館がある。小規模ながらイルカのショーなどいくつかのイベントを毎日開催している。地下鉄はB,D,F,N,RでCONEY ISLAND行きに乗る。

2)ロングビーチ(LONG BEACH)

上記の「細長い陸地」を走る列車がロングアイランド鉄道、通称LIRR。34丁目のペンシルバニア駅から出発する。ペン駅は全米を網羅する鉄道、アムトラック以外に、ニュージャージーの近郊を走るNJトランジット、そしてこのLIRRなどさまざまな路線の発着地点となっている。

ロングビーチはロングアイランドのマンハッタンから東方面に1時間走った南側の海岸だ。鉄道はビーチまで続いているし、「ロングビーチ」行き(今年は9月11日までのピークシーズンで、日中は一時間に一本運行)であれば、乗り換えなしで迷うことなく行ける。窓口でチケットを買うときは往復(Round Trip)と告げ、ビーチに入場するビーチパスもつけてもらう。往復運賃10ドルにビーチパスは7ドル。列車の乗り方だが、日本と違い改札口はない。ホームに下りる前に発車時刻ボードの前でみな、予定列車のゲートナンバーが表示されるのを待っている。ランプがついてゲートナンバー(日本で言うと何番線)が示されるとみな一気にそこへ向かい始める。ペン駅は始発なのでだいたいにおいて座席を確保できる。途中車掌さんにチケットを提示する必要があるのですぐに出せるようにしておきたい。

ここからわずか1時間弱の列車の旅。到着すると線路と平行に走っている道路を渡りそのまままっすぐ歩くと5分くらいでビーチにつきあたる。ビーチ沿いにはボードウォークが続き、海の景観を楽しめるよう一定間隔でベンチが並んでいる。ボードウォーク沿いには瀟洒なコンドミニアムやハウスが軒を並べている。私がここへ初めて来たのは去年の9月初旬。シーズンの終わりで混雑もなく、コニーアイランドと比べると格段にきれいな白砂のビーチに感動し、オーシャンビューとはいかないまでもこの海の近くに引越し、ここからマンハッタンへ出勤しようかと真剣に考えたものだ。しかし、午前9時の就業時間で8時に起きる怠惰な習慣が身についてしまった私には無茶なアイデアだ。

今年は7月下旬に来てみたが、ピークシーズンでかなりの混みようだった。みな、クーラーボックスにデッキチェア、パラソルまで運んできているのには恐れ入る。駅前にはちょっとしたスーパーがあるのでドリンクやパンなどの食料はここで仕入れてからビーチに向かおう。

3)ジョーンズビーチ(JONES BEACH STATE PARK)

今年初めてチャレンジしたのが、ジョーンズビーチ。ロングビーチよりさらに東に位置するが、鉄道からバスに乗り換えなくてはならないのが難点。行き方はまずLIRRでフリーポート(FREEPORT)という駅までの切符を買う。往復で14ドル。一枚のチケットなので帰りもなくさずそれを使用する。ここのビーチは、パス不要。フリーポートに行くにはバビロン(BABYLON)行きに乗り途中下車するので駅に備え付けの時刻表をあらかじめ仕入れておこう。

ペン駅から1時間弱でフリーポート。そこに待っているバスに乗り換える。バスはマンハッタンの地下鉄と同じMTAなのでそこで2ドル支払うかMTAのカードにチャージしてもらう。(ほかの人のチケットを見ているとどうもペン駅でバス代のチケットまでも購入できるらしい)途中停車はなく20分ほどで一気にジョーンズビーチステートパークまで運んでくれる。ビーチでの停車場は3箇所に分かれていてどこからでもビーチにアクセスできる。2番目の停車場はモールと呼ばれる簡素な売店のあるエリア、そして最後の停車場、イーストバスハウス(EAST BATH HOUSE)では有料で着替えられる施設を完備している。

さて、私は結局最後の停車場で降りてみた。さすがパークと名がついているだけあって、ビーチの手前はよく整備された芝生や花で覆われている。そこからさらに前進するとやがて巨大な白砂のビーチが現れる。「巨大」というのは何しろ白い砂の向こうの波打ち際が見えない!幅があまりにもありすぎるのだ。裸足になって歩いているとたちまち焼けどしそうな感覚が襲ってくる。こんなところではまだ誰も寝そべってはおらず、無数のゴミ箱がぽつぽつと並んでいるだけ。熱くて早く脱したいのに砂に足をとられのろのろ歩きを強いられるもどかしさ。これじゃまるで海どころか砂漠地帯を横断している気分だ。やっと波打ち際にたどり着き、物売りに来たおじさんから3ドルのイチゴアイスを受け取ってほおばったときはまさに天国の気分だった。

さて、広大なジョーンズビーチにきて最初は「すばらしい」と感動した私だったが、寝転んじゃえばどこでも同じ。ここからもっと東へ行くと、今度は列車+フェリーというアクセスでたどり着くことのできる自然に満ち溢れた島があるらしい。その名もファイアーアイランド。だけどロングアイランドはしょせん大都会の近くであってカリブ海ではない。海の色がお世辞にも美しいとはいえない以上、どこ行っても同じかな。やはりロングビーチあたりで満足しているのがいいかもしれない、というのが私の正直な感想である。

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ジョーンズビーチの白砂

波打ち際が見えない!ほどの広さ

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