地下鉄代の大幅な値上げにストップが！

たとえば1回乗車が２ドルから２．５ドルの値上げの予定だったが、２．２５ドル。通勤用の定期券とも言える30日間アンリミテッドカードは、81ドルから一挙に１０３ドルの予定だったが８９ドルとわずか8ドルの値上げに留まった。

確かに値上げして、その資金でシステムやサービスが充実するならともかく、いっこうに設備面がお粗末なニューヨークの地下鉄には、あまりお金を払う気にもなれないだろう。　7番線の延長や東の二番街沿いを南北に走る新路線ができるなどいろいろな計画はあるようだが、どれもこれも立ち遅れ気味。　たしかに他の大都市に比べれば、比較的地下鉄運賃は安いのだが大々的に値上げするにしてももう少し、建設的な予算作りを提示してほしいものだ。

ところで今回の値上げに対する緩和措置を提唱してくれたのは、ブルームバーグ市長だったらしい。ニューヨーカーにこれ以上負担をかけたくない、ということのようだが、一方で来年度の予算案においては消費税が８．３７５％のところを８．８７５％にあげることや、衣料品購入時に免除にしていた消費税を再び課するといった話もあるようだ。　

不況であっても所詮どこかで値上げをしないと市の財政がなりたたないのだろう。不況が続けば、住みにくいニューヨークを離れ、他州へ移住する中流市民ももっと出てくるかもしれない。

写真はハーレムの地下鉄駅入り口。値上げは5月31日より。