ニューヨーク最大のイベント、カウントダウンで新年を祝う

公開日 : 2011年01月11日
最終更新 :

数あるイベントの中でもニューヨーク最大のお祭りといえば、タイムズスクエアで行われる大晦日のカウントダウン。今回は2010年を締めくくるにふさわしいビッグイベントのレポートをお届けしよう。

カウントダウンの会場となるタイムズスクエアは朝から忙しい。TV局のカメラマン、レポーターが早々と朝の様子を生中継。イベントを担当するスタッフはその準備に余念がない。周辺の交通規制や警備を行うポリスは、人や車を遮断する鉄柵を次々と運び込んでいる。

そんなあわただしい雰囲気の中で突然、日本語のカウントダウン大合唱が始まった。「17、16、15―」 時刻はまさに午前10時になるところ。まだ明るいのにワンタイムズスクエアのボールが下がってくる!道行く観光客も分けがわからないまま東芝ビジョンに向けてシャッターを押す。「5、4、3、2、1!」そしてーー。巨大スクリーンに「2011年」と「謹賀新年」の文字。

タイムズスクエアで日本のカウントダウン.JPG

実は14時間の時差がある日本で、ちょうど新年を迎えた瞬間だったのだ。日本人向けに東芝ビジョンが提供する粋な計らい。タイムズスクエアに集まった日本人は、ささやかながら遠く離れた故郷の年越しを味わうことができたに違いない。

さて、タイムズスクエアのカウントダウンは、ビルに囲まれた一区画でしか見ることができない。このため、ワンタイムズスクエアビル正面の位置を確保するために、午後から人々が集まり始める。7,8時間待つのも覚悟の上だ。時間を追うごとにポリスが柵で仕切ってシャットアウトしていく。つまり絶好の場所からどんどん遠ざかってしまうのだ。

柵で仕切られたエリアにとどまり、食べるのも、トイレに行くのも、冬空の寒さもがまんする耐久レースのような時間。そんな厳しい条件の中でも、このタイムズスクエアのカウントダウンは一見の価値ありと、市民はもとより全米、ひいては世界中から集まってくる人々。この年越しの一瞬を共感するために。

私は今回、プレス用のパスを発行してもらったので、3時から待機、というのはなかったが、それでもカウントダウンの4時間前には家を出る。タイムズスクエアまでは歩いて20分。すでにどこもかしこもお祭り気分の人々でいっぱいだ。「2011年」をかたどったサングラスをかけた人、星条旗をモチーフにした帽子をかぶっている人、バーで一杯やりながら談笑している人。街はすでに新年を迎えたかのようなハッピーモードに包まれていた。

道路はタイムズスクエアより何ブロック先も遮断され、通行人も迂回しなければならない。西側のポートオーソリティーバスターミナルよりやや北東に目指すスポットがあるのだが、すでにここではもうエリア内に入場できない人であふれかえっている。

○もうすぐカウントダウン-thumb-400x300-6936.jpg

パスの力で「ポリスの包囲網」を何回か突破し、タイムズスクエアの中心に出たとたん、目もくらむような光の洪水とともに観衆の熱気と歓声に出迎えられた。即席ライブ会場でのミュージックパフォーマンス、そして東芝ビジョンの巨大スクリーン上に、幾度となくライトカラーを変えるカウントダウンのボール。ネオンにきらめくワンタイムズスクエアビルのスクリーンと「TOSHIBA」の文字の輝きは、やはり昼間と違い、幾倍もの光とパワーを放って見える。

すでに何時間も待っているであろう人々は疲れるどころか、ますます盛り上がっていくようだ。ライブミュージックにあわせて、体を動かす人、配られた青い風船を振りかざす子供たち、カウントダウンを待ちきれず、何回もキスを交わすカップル。正面の東芝ビジョンのスクリーンは、カウントダウンイベントの中継やコメンテーターの出演を織り交ぜ、待ち続ける人々に話題を提供中。

マリオットホテルの向かい側には「FOREVER(永遠)」の文字とともにカウントダウンまでの秒刻みのデジタルスクリーンがある。メインステージでは、時刻が午前0時になる1時間前ごとに「アワリーカウントダウン」が催される。午後9時、10時、11時。そのたびに光を放出する東芝ビジョン、舞う紙吹雪。0時が近づくにつれ、人々の気持ちも高まっていくようだ。

○こちらはアワリーカウントダウン.JPG
アワリーCD.JPG
○舞い落ちる紙吹雪.JPG

そして、イベントの最後の曲はやはりこれ。ジョン・レノンの「イマジン」。来るべき未来の平和を願って、カウントダウンが始まった。「30、29,28――」ボールがゆっくり落ちてくる。「15,14,13――」100万人に近い人々の大合唱が、澄み切った冬の夜空に響き渡る。待ち続けた人々。瞬きする間も惜しいくらいに東芝ビジョンのスクリーンを見つめる。

「5,4,3,2,1!!」

その掛け声とともに、ワンタイムズスクエアビルからめくるめく閃光が、四方八方に降り注ぎ、スクリーンには「HAPPY NEW YEAR」の文字が躍る。ワンタイムズスクエアビルの最上に年号「2011」が輝かしく登場した瞬間、新しい年に変わったことを実感した。

○年越しの一瞬!.JPG
○東芝ビジョンは2011へ.JPG

おびただしいほどのカラフルな紙吹雪が空から舞い落ち、タイムズスクエアは新年を祝う人々で喜びのムードに包まれた。同じ場所に立ち続けた人々もようやく、家路につくことができる。無事にカウントダウンを見届けた達成感でほっとした表情の人も多い。重いカメラ機材を抱え続けたTV局の人にも一言、「ご苦労様」と声をかけたい気分だ。

○最後まで見届け記念撮影-thumb-400x266-6950.jpg

あらわになった道路には紙吹雪がまるでカラフルな雪のように積もっていた。この紙吹雪の山のどこかに、先日私が書いた「お願い事」も舞い落ちたのだろう。カウントダウンイベント参加体験から、なんとなく今年はその願い事がかなうような気分になりながら、私もタイムズスクエアを後にした。

○ああ2011年-thumb-400x300-6952.jpg

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