あの興奮が再び! 熱気もパワーも倍増した2011年のカウントダウン

公開日 : 2012年01月10日
最終更新 :

振り返ってみれば昨年もあっという間の1年だった。タイムズスクエアで行われた2010年のカウントダウンがついこの間の出来事のように思い出される。

ニューヨーク最大のお祭りといえば、タイムズスクエアで行われる大晦日のカウントダウン。

今回も興奮のカウントダウンに参加してきたのでそのレポートをお届けしよう。

12月31日、ニューヨークは再びカウントダウンに向け、あわただしい1日を迎える。

朝のミッドタウンはありとあらゆるところに置かれた交通規制のためのポリスの柵が、出番を待って山積状態だ。今年はジャスティン・ビーバーやレディー・ガガといった超豪華アーティストが駆けつける予定だが、そのステージには次々と照明や音響機材が運び込まれている。カウントダウンの中心となる区画は、すでに車両もほとんどシャットアウトされているが、今年は去年以上に人の流れが多く、歩くのもままならない。

2012年をかたどった色とりどりの眼鏡、パーティー用の即席帽子、おもちゃのラッパ。ニューイヤーを祝う小道具を身につけ、すでにお祭りモード全開の人々。中には、マットや折りたたみイスを持ち込んで場所取りを始めるグループもいる。例年の光景とはいえ、今年は14-5時間待ちを覚悟しているツワモノ集団が増えているのにはびっくり。そう、タイムズスクエアは朝からカウントダウンが待ちきれない人たちであふれかえっているのだ。

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午前中のタイムズスクエアでは、日本時間のカウントダウンに合せたイベントが催される。今回で3回目とあって、うわさを聞いた現地在住の日本人や観光客、報道陣などかなりの人が詰め掛けた。ニューヨークの午前10時が、日本で新しい年号に替わる瞬間だ。クリスタルボールのドロップとともに、日本語で20からカウントダウンの大合唱。最後の「1」を叫んだあと、東芝ビジョンのLED看板には「謹賀新年」の文字が現れる。と同時にタイムズスクエア一帯は、去年にも増して大きな歓声に包まれた。

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日本で起こった大震災の出来事を忘れず、東北復興にエールを送る目的に、NY在住の東北出身の人たちが集るというイベントも近くで開催されていた。

カウントダウン後は、寄せ書きの大きな応援幕を誇らしげにかかげた若者グループや園児たちが、仲良く記念写真に納まった。「ガンバレ東北!」意味がよくわからないままエールを繰り返す小さな子どもたちだが、掛け声の合間にとびきりの笑顔を振りまき、日本の明るい未来を願う私たちの励みにもなった。

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お昼過ぎになるとミッドタウンのあちこちで、何十、何百人ものポリスの集団を見かける。始まるイベントを前に、最後の打ち合わせに余念がない。このモノめずらしい光景に道行く人が次々シャッターを押す。中にはちょっとハンサムなポリスを見つけて一緒に記念写真を撮る女の子も。こういうときにもニューヨークのポリスは笑顔で応じてくれるのがうれしい。

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さて、ひと度家に戻り再び、タイムズスクエアに繰り出したのは午後8時を廻った頃。去年は、報道陣向けのメディアパスがあったが、今年はカウントダウンのスポンサーが集まるハードロックカフェからの招待状があり、お陰でポリスの包囲網を無事くぐりぬけることができた。43丁目と7番街にたどり着き、間近に迫ったワンタイムズスクエアビルを見上げる。その頂きにはLEDのクリスタルボールが、夜の闇の中でよりいっそう美しい輝きを放ちながら、落ちる瞬間を待っている。幾たびも色を変えながら、妖しくきらめきながら、何十万人もの人々を見下ろしている様はまるで今宵の主役。クイーンであるかのような威厳が頭上から伝わってくる。

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ハードロックカフェの店内ではパーティードレスを着た多くの人々が、ディナーやバーカウンターで1杯やりながら談笑していた。ダンスホールを覗いてみればDJが操るヒップなミュージックに合わせ、踊りに興じる人々も。

カフェ内の何ヵ所かに設置されたモニターでは、カウントダウンを待つ外の様子が中継されている。しかし、本物の歓声と興奮はやはり待っている人と同じ空気の中でしか味わえない。

コートチェックで預けたばかりの外套を受け取り、店の外へ出て招待客用に設けられた敷地内へと入ってみた。地上レベルなので遠くを見渡すことはできないが、何ブロックも北のほうから、凄まじいまでの歓声と熱気がここ43丁目まで吹きつけてくる。今年は心なしか去年より寒く感じる。それでも誰一人寒そうなそうぶりを見せない。パーティー会場から外へ出てきた女性陣は、ノースリーブにミニスカートのいでたちだが、それでも楽しそうにカウントダウンの会場で記念撮影。

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「1HOUR TO GO」=(カウントダウンまで)あと1時間。東芝のスクリーンがクライマックスに近づいたことを知らせると、盛り上がりは最高潮に達する。この最高潮の中で、期待の大物ゲストが登場。今や世界が誇るトップシンガーのレディ・ガガ。残念ながらハードロックカフェのあたりからは生の姿を見ることはできないが、東芝が地上近くに設置した2台のスクリーンいっぱいにガガのパフォーマンスが映し出され、音響が響き渡ると待ちに待った人々が絶叫する。「レディ・ガガ!I LOVE YOU !」隣にいた金髪の大柄な女の子は、ほとんど身動きも取れなくなっている空間で必死にリズムを取って体を左右にふる。

ガガの軽快なパフォーマンスの後、いよいよカウントダウンまで5分をきる。人々の胸に去来するものは何か。先ほどお祭りのムードの中に映し出された、2011年を振り返る出来事。日本の大震災やトルコの地震など悲惨なこともあった。未来は予測できないものだけど、この一瞬、来るべき新しい年が、明るいものになることを誰もが願わずにはいられない。世界の人々が皆幸せでありますように。世の中が平和でありますように。そんな思いの中で、今年もジョン・レノンの曲「イマジン」が最後を飾る。

そしてついに・・・ブルームバーグ市長とレディー・ガガが一緒にカウントダウンのスイッチを押す。「60、59、58--」正面の東芝ビジョンが、数字を次々に映し出す。「27,26,25--」掛け声がさらにパワーアップ。「7、8、6--」すでに紙吹雪が舞い落ち始める。「5、4、3、2、1!」この一瞬、閃光がはじけ、光の洪水が夜空を華々しく飾る。そしておびただしい紙吹雪が、花びらのように旋回しながら、何十万人もの人々の頭上に降り注いだ。

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人々の大歓声が2012年を迎えたタイムズスクエアの夜空に響き渡る。東芝ビジョンやハードロックカフェなどあらゆるスクリーンに「HAPPY NEW YEAR」という文字が輝いた。このお祭り気分の中、カップルでダンスをしたり、グループで輪になって新年を祝ったり、舞い積もった紙吹雪を集めては振りまいて記念写真を撮ったりと、ほのぼのとした光景があちこちで見受けられた。どこからともなく聞こえてくるニューイヤーの歌とともに、後方セントラルパークのあたりで花火が打ち上げられているのを目にした。

1年に一度、一瞬の出来事ではあるが、新年を祝うこの華々しい光景を2回も目の当たりにすることができ、自分がニューヨーカーであることを今なさらながら感謝する気持ちで一杯になった。と、同時にカウントダウンの熱い瞬間を共有した人々が、今日この日の出来事を胸に刻みつつ、輝かしい未来に前進してくれることを願ってやまない。

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