ニューヨークで医者に行ってみた【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年03月08日
最終更新 :

2020年3月7日現在ニューヨーク州感染者数76名

IMG_2438_3.jpg

[Photo by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

連日在ニューヨーク日本国総領事館から届く、新型コロナウイルスに関するお知らせメール。ニューヨークも感染者数が日ごとに増え、外側から包囲網が狭まっている感じ。ニューヨークで、いや世界で一番あらゆる民族が揃っていると思われるクイーンズ区から感染者が出ないのは不思議(私はNYクイーンズ区在住です)。

地下鉄に乗っても、ストリートを歩いても、学校でも職場でも、話題は新型コロナウイルスのことばかり。

3月7日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数は以下のとおりです。( )内は前日の感染者数。

○ニューヨーク州: 76名(44名)

【内訳】

ニューヨーク市: 11名(4名)

ウエストチェスター郡: 57名(34名)

ロックランド郡: 2名(2名)

ナッソー郡: 4名(4名)

サラトガ郡: 2名(0名)

○ニュージャージー州:4名(2名)

【内訳】

バーゲン郡: 3名(2名)

カムデン郡: 1名(0名)

○ペンシルベニア州:2名(2名)

【内訳】

ウェイン郡: 1名(1名)

デラウェア郡: 1名(1名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

咳をすると、思い切り嫌がられる

すべての人が新型コロナウイルスを恐れている今、咳をすると思い切り嫌がられます。地下鉄内は乾燥しているため、つい咳が出るのですが、先日は前に立っていた中年白人男性が思い切り飛び退きました(すみません)。そのため、外出の際は水を持ち歩き、地下鉄内で喉が乾燥しないように気をつけています。皆がかなりナーバスになっているため、外出するにも気を遣いますよ(冷や汗)。

なんとなく、風邪気味?

世界中が新型コロナウイルスパニックに襲われて、なんだか体調も悪いような。軽い咳だったのに、ある朝起きてみたら、声がかれてしまっていました。あらー、どうしたのかしら? 体温は、平熱よりほんのわずかに高い程度。でも少し鼻水が出るし、なんとなくだるいのは、風邪なのかしら?

主人に症状を伝えたら、「もしや、アンタはコロナ」と疑いの眼に。えー、まさか違いますよ(希望的観測)。

この時期、医者に行ってみると

医院ドア1.jpg

しかしながらこの時期咳が出ると、他人から石を投げられそうな勢いなので、咳を止めるためにも医者へ行くことに。普段はこの程度では絶対医者など行かないのですが、世の中が緊急事態なので、身の潔白を証明しなければ。

信頼している医師がいる、地元の中国系医院のドアには写真のような貼り紙がありました。中国語はわかりませんが、中国へ渡航歴がある人は14日間自宅待機要、ということなのでしょうか(中国語が堪能な方は、ご教示いただけると幸いです)。医院のドアを開けてみると、いつもはギッシリと詰まっている待合室は、たった3人の患者だけ。今の時期、病院は感染リスクが最高レベルな場所。新型コロナウイルス発生以来、ガラガラだそうです。病院も、大きな経済ダメージを受けていますね。

もっと驚くのが、受付や検査担当、医師の全員が、顔の半分を覆うほどのマスクをつけていること。手術でもはじめそうな勢いで、ビビりました。ビビっているのは、実は訪れた患者よりも、医院側。顔は見知っていると思うのに、病原菌がやってきた!とばかりに怯えています。なるべく近くに寄らないで、今日はなんで来たの、新型コロナウイルスだったら許さないわよくらいの彼らの思いが、ヒシヒシと伝わってきます(苦笑)。

コロナウイルスじゃない

いつもと違う彼らの様子に緊張してしまい、"I don't think I don't have coronavirus(私は新型コロナウイルスにかかってないとは思わない)"などと2重否定しまい、余計彼らを怯えさせてしまったのでした。

待ち時間30分程度で診てもらえました(過去最速)。医師は、なるべく患者に近づきたくない様子。

「日本に帰ってないでしょ?」と確認(渡航歴は、今の時期必ず確認する事項)。

「熱もないし軽い風邪だと思うけど、咳をすると皆が怖がるから、咳を止める薬をください。しかも私がアジア人ゆえ、皆が怯えるから」と訴え、診察した結果、「平熱で咳だけだから、春のアレルギーかもね」とホッとした様子。

お互いにああよかったと胸を撫でおろし、薬を処方してもらいました。

薬局へ行くと、また薬剤師全員が巨大なマスク姿。病院や薬局も、院内感染を恐れてのことなのでしょう。彼らが恐れる通り、たしかに人間はあらゆる菌を運ぶ、バイキンマンなのかもねと再確認しましたね。新型コロナウイルスの感染が疑われる場合、病院へすぐ行かず、「医療機関(またはNY市の場合311)に電話して指示を仰ぐように」とのこと(感染拡大を防ぐため)。

バイキンマンから脱却するためには、やはり外出したらマメな手洗いが必要。石けんを使って、20秒以上の手洗い。現在ニューヨークでは、テレビで手洗い推奨のCMが流れています。手洗いしながら「ハッピーバースデー」の歌を通しで2回歌うと、20秒だそう。20秒って意外に長いですね。毎日が誰かの誕生日ですから、他人の幸せを祈りつつ、自分の健康を守るために歌いながら手を洗いましょう。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。