記録的な死亡数が出た日。NYの感染者における人種の内訳は【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年04月09日
最終更新 :

全米で43万2132名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年4月9日午前 3:40:41 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式Webサイトによると、アメリカの新型コロナウイルス感染者数は、43万2132名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のスペインの約3倍の感染者数です。4位のドイツは感染者数は増えていますが、致死率は目立って低く約2%。どういった治療をしているのか、他国も学ぶ必要がありそうです。中国は現在6位。ちなみに日本の感染者数は現在4667名、死亡者数は94名、回復者数は632名となっています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年4月9日

1.アメリカ 432,132名(死亡14,808名)(回復24,125名)

2.スペイン 148,220名(死亡14,792名)(回復48,021名)

3.イタリア 139,422名(死亡17,669名)(回復26,491名)

4.ドイツ 113,296名(死亡2,349名)(回復46,300名) 

5.フランス 83,080名(死亡10,887名)(回復21,461名)

日本 4,667名 (死亡 94名) (回復632名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年4月9日午前 3:40:41 時点のデータによる

2020年4月8日現在ニューヨーク州感染者数14万9316名

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34th Street Hudson Yards Subway Station [Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

2020年4月8日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は14万9316名。死亡者数は6268名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリアで、感染率はNYCの中で約32%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。( )内は前日の数。

クイーンズ区: 26,248名(24,840名)

ブルックリン区:22,082名(20,879名)

ブロンクス区: 16,626名(15,348名)

マンハッタン区:11,504名(11,012名)

スタテン島区:  5,343名( 4.797名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

4月8日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数  149,316名(138,863名),死者数 6,268名(5,489名)

・感染者数内訳(主なエリア)

ニューヨーク市:感染者数   81,803名(76,876名),死者数 4,571名(4,009名)

NY市の内訳(判明分)

クイーンズ区: 26,248名(24,840名)

ブルックリン区:22,082名(20,879名)

マンハッタン区:11,504名(11,012名)

ブロンクス区: 16,626名(15,348名)

スタテン島区:  5,343名( 4.797名)

ウエストチェスター郡:15,887名(14,804名),死者数 343名(304名)

ナッソー郡:     18,548名(16,610名),死者数 701名(620名)

サフォーク郡:    15,844名(14,517名),死者数 328名(266名)

○ニュージャージー州:感染者数 47,437名(44,416名),死者数 1,504名(1,232名)

○ペンシルベニア州: 感染者数 16,239名(14,559名),死者数 309名(240名)

○デラウェア州:   感染者数  1,116名(   928名),死者数  16名( 16名)

○ウエストバージニア州:感染者数   483名(   412名),死者数   4名(  4名)

○コネチカット州フェアフィールド郡: 感染者数   4,136名(4,136名),死者数 132名 (132名)

○プエルトリコ:   感染者数    620名(   573名),死者数   24名( 23名)

○バージン諸島:   感染者数     45名(    43名),死者数1名( 1名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

死亡者が最大の日。人種の内訳は。

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2020年4月6日付人種の内訳 (C)NYC Health

2020年4月8日クオモNY州知事の発表によると、4月7日はニューヨーク州で死亡数779名。過去最大の死亡者数であり、新型コロナウイルスで亡くなった方々へ哀悼を示して、半旗を掲げるそうです。

ニューヨーク市は人種のるつぼ。感染者の人種の内訳はどうなっているのかと、ずっと気になっていました。ニューヨーク市(2020年4月6日付上記図)によると、人種によって死者数が異なり、暫定的な数字では、死亡者数の人種別割合は下記になります。ただし、自宅で死亡した人は、集計に含まれていません。デブラシオNY市長は、最近増加している自宅で死亡した感染者は、100〜200名はいるだろうと語っています。

人種別死亡割合

1位 ヒスパニック Hispanic/Latino 34%

2位 アフリカ系 Black/African American 28%

3位 白人 White 27%

4位 アジア系 Asian 7%

メキシコ、プエルトリコ、キューバ、エルサルバドル、コロンビア、グアテマラなどのヒスパニックの割合が34%と圧倒的に高いです。

ニューヨーク市は、言語(英語を理解しない人が多く、スペイン語で情報が提供されていない)、移民ステータス(不法移民が多いため、強制送還を怖れて医療機関へ行かない)の問題があるとしています。今後は14の言語での発信をするなど、より適切な情報発信を実施。ヒスパニックの感染率が高い理由には、大人数の家族で住む(子供が多い、兄弟、二世代で住む)習慣も感染を広げたのではないかと考えます。

2位はアフリカ系、3位が白人、意外にもアジア系は7%で4位です。この中に、日本人がどの程度含まれているかは不明で、ニューヨーク日本国総領事館でも発表していません。アジア人の感染率が少ない理由には、子供時代にBCGワクチン(結核予防)接種を受ける国が、感染しにくいという説もあります。ただし、日本ワクチン学会は、2020年4月3日時点で、真偽が科学的には確認されておらず、肯定も否定もできないとしています。

日本医師が語る現場の凄まじさ

2020年4月7日、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、東京など7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。

都市集中型の交通網がニューヨークとよく似ている東京や大阪は、まだ通勤を許しているようですが、ニューヨークと同様にならないように願っています。私の記事でもご紹介した日本人の斎藤医師は、医療最前線で治療に務められています。

■拙記事

COVID-19:ニューヨーク医療現場の最前線で働く、日本人医師【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

斎藤医師がインタビューに答えた記事は、現場の凄まじさを伝えています。

通常の病室で起きて新聞を読んでいたような人が1、2時間後には亡くなる、人工呼吸器に繋げるほどの重症患者の回復は難しいなど、改めて新型コロナウイルスの恐ろしさを実感します。まだ、実感していない方はぜひ読んでみてください。人工呼吸器やベッド数も尽き、命の取捨選択をせざるを得ないような状況になっているのです。医療従事者のリスクの高さも、心配されます。

■参照記事

日本の緊急事態宣言が遅すぎる理由、コロナ最前線の米医師が戦慄の提言-ダイヤモンドオンライン

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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