戻る職場はあるのか、NYの経済再開【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年04月22日
最終更新 :

ニューヨークで、戻る職場はあるのか

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2020年4月20日、人がいないロックフェラーセンター Photos by Hiroko

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2020年4月20日閉鎖されたロックフェラーセンター Photos by Hiroko

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2020年4月20日セント・パトリック大聖堂と閉鎖中のデパート「サックス・フィフス・アベニュー」 Photos by Hiroko

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2020年4月20日閉鎖中のデパート「サックス・フィフス・アベニュー」のウィンドー Photos by Hiroko

ニューヨークは感染被害の山を越え、感染者は減少の方向といわれています。

やっと、職場に戻れると期待しますが、実際には戻れる職場があるのでしょうか。

大手デパートは、近年の売り上げの減少および家賃の高さで、息絶え絶えのところに新型コロナウイルスの打撃です。

ニーマン マーカス(NEIMAN MARCUS)経営破綻。破産法申請準備へ。

Exclusive: Neiman Marcus to file for bankruptcy as soon as this week - sources-Reuters

テキサス州ダラス発の高級百貨店ニーマンマーカスは、超セレブな高級百貨店バーグドルフ・グッドマンも経営。再開発スポット「ハドソンヤード(Hudson Yards)」にもニューヨーク初の店舗をオープン。しかしながらマンハッタンの西端のモール内上階にあるという不便さがあり、庶民には手の届かない値段もあって、正直ガラガラ。売り上げがよくないところへ新型コロナウイルスの打撃があり、経営破綻。

2020年3月30日(月)メイシーズは、13万人の従業員を無給休暇へ。メイシーズを初め、ブルーミングデールズ、ブルーマーキュリーなど傘下の840店舗を閉鎖中。

Macy's, with 840 stores closed, to furlough most of its 130,000 workers-CBS News

ニューヨークの大衆デパートのメイシーズが長く景気が悪いことは、ニューヨーカーなら誰でも知っていました。マンハッタン34丁目店では、オープン時に従業員が拍手とダンスで利用客を迎えるなど、努力をしていたので持ちこたえてくれればと思っていました。ニューヨークの観光の目玉でもある、花火大会やサンクスギビングパレードはメイシーズが主催していたので、今後ニューヨークはどうなるのか気になります。

ギャップ、オールドネイビー、バナナリパブリックの8万から12万9000人の従業員を無給休暇へ。2020年7月1日再開予定。

Returns-Gap, Old Navy

Macy's, Kohl's, Gap to furlough majority of their workers amid coronavirus outbreak-ABC News

アメリカのカジュアルブランドも、あまり売れていない様子でした。オールドネイビーは、昨年クリスマス時にはかき入れどきにもかかわらず、50%以上値引きした大幅なセールをしていました。

経済が再開しても、清潔の観念が変わってしまい、今までのように不特定多数の人が試着した服や靴を購入するのには躊躇がある気がします。

閉鎖中でも家賃は発生する

ニューヨークでは3月16日(月)からの外出禁止の行政命令で、エッセンシャル・ビジネス(生命線にかかわる、必要不可欠)のほかは、オフィスも店舗も多くのレストランも閉鎖。自宅勤務、あるいは自宅待機という名の無職になりました。閉鎖している間も、ニューヨークの高い家賃は発生し、売り上げはありません。レストランは持ち帰りやデリバリーでの利用は可能ですがステーキや焼き肉店、寿司店、バーなど、店内で提供するのが主流のレストランは厳しいことになりました。

もともと経営状況がよくなかった場合、再開できない企業も多いと予想されます。また、人員削減も必須でしょう。経済が再開しても、戻る職場があるのかどうか、頭が痛いところです。

全米で82万5306名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年4月22日午前 3:38:22 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は256万7327名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は82万5306名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のスペインの4倍以上の感染者数。5位のドイツは感染者数は増えていますが、致死率は目立って低く、回復率が抜きん出ています。どういった治療をしているのか、他国も学ぶ必要がありそうです。以下6位英国、7位トルコ、8位イラン、9位中国、10位ロシア。

日本の感染者数は現在1万1512名、死亡者数は281名、回復者数は1356名となっています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年4月22日

世界の感染者数 2,567,327名

1.アメリカ 825,306名(死亡45,075名)(回復75,673名)

2.スペイン 204,178名(死亡21,282名)(回復82,514名)

3.イタリア 183,957名(死亡24,648名)(回復51,600名)

4.フランス 159,300名(死亡20,829名)(回復39,842名)

5.ドイツ  148,453名(死亡5,086名)(回復99,400名)

日本 11,512名 (死亡 281名) (回復1356名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年4月22日午前 3:38:22 時点のデータによる

2020年4月21日現在 ニューヨーク州感染者数25万1690名

2020年4月21日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は25万1690名。死亡者数は1万4828名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリアで、感染率はNYCの中で約31%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区: 42,822名(42,023名)

ブルックリン区:37,694名(37,030名)

ブロンクス区: 29,989名(29,372名)

マンハッタン区:18,699名(18,468名)

スタテン島区: 10,121名( 9,913名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

4月21日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数  251,690名(247,512名),死者数 14,828名(14,347名)

・感染者数内訳(主なエリア)

ニューヨーク市:感染者数  139,325名(136,806名),死者数 10,301名(10,009名)

NY市の内訳

クイーンズ区: 42,822名(42,023名)

ブルックリン区:37,694名(37,030名)

ブロンクス区: 29,989名(29,372名)

マンハッタン区:18,699名(18,468名)

スタテン島区: 10,121名( 9,913名)

ナッソー郡: 31,079名(30,677名),死者数  1,717名(1,638名)

サフォーク郡:28,154名(27,662名),死者数    918名(  887名)

ウエストチェスター郡:24,656名(24,306名),死者数    904名(  867名)

ロックランド郡:9,568名( 9,457名),死者数    297名(  286名)

○ニュージャージー州:感染者数 92,387名(88,806名),死者数 4,753名(4,377名)

○ペンシルベニア州:感染者数 34,528名(33,232名),死者数 1,564名(1,204名)

○デラウェア州:感染者数 2,931名( 2,745名),死者数    82名(   72名)

○ウエストバージニア州:感染者数 914名(   908名),死者数    26名( 26名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 8,472名( 8,320名),死者数 544名( 512名)

○プエルトリコ:感染者数 1,298名(  1,213名), 死者数   64名(   62名)

○バージン諸島:感染者数   54名(     54名), 死者数    3名(    3名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

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