NY市の経済再開はいつ?外出禁止は再延期?【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年05月12日
最終更新 :

5月15日までの外出禁止例は再延期?

2020年3月16日(月)から始まった外出禁止令は、延期により現在は5月15日(金)までとなっていますが、NY市は今週で再開するのでしょうか。

2020年5月11日のクオモNY州知事の記者会見によると、ニューヨークの各州が再開するには、7つの基準が満たされることが必要。

経済再開を判断する7つの基準とは

以下、在ニューヨーク日本国総領事館の2020年5月11日付のメーリングリストからまとめたものです。

【再開の基準となる7基準】

(感染率の監視)

(1)総入院患者数が少なくとも14日間連続減少しているか,1日の新たな入院患者の数が15人以下であること(CDC基準)。

(2)1日の死者数が少なくとも14日間連続減少しているか,1日の死者数が5人以下であること。

(3)新たな入院患者数が10万人当たり2人未満であること。

(病院のキャパシティ)

(4)全ベッドの少なくとも30%が常に利用可能なこと。

(5)ICUベッドの少なくとも30%が常に利用可能なこと。

(検査と追跡)

(6)1か月で人口1000人当たり30人が検査を受けていること。

(7)10万人当たり30名以上の追跡要員を有していること。

NY市は再開基準を満たしているのか

IMG_7626_3.jpg

 [Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

NY市は、上記の7つの基準を満たしているのでしょうか、

             満たした基準数  満たしていない基準

1)ニューヨーク市:4/7  (3),(4),(5)

2)ロングアイランド:5/7 (2),(3)

3)ミッド・ハドソン:5/7 (2),(3)

4)キャピタルディストリクト:5/7 (1),(2)

5)モホークバレー:7/7 無し

6)ノースカントリー:6/7 (6)

7)セントラルNY:6/7 (6)

8)サザンティア:7/7 無し

9)フィンガーレイクス:7/7 無し

10)ウエスタンNY:5/7 (1),(2)

現時点で再開のための7基準をすべて満たしているのは、州北部の(1)フィンガーレイクス、(2)サザンティア、(3)モホークバレーの3地域。また、同じく州北部の(4)ノースカントリーおよびセントラルニューヨークの2地域は1基準(1ヵ月で人口1000人当たり30人が検査を受けていること)を満たしていない、のみとなっています。

NY市は再開基準を満たしていない

予想どおり、NY市はワーストワンの点数で、基準を満たしていません。7つの基準のうち、4つしか該当しないのです。ニューヨーク州の中で、NY市が最低点です。

クオモNY州知事は、「早急な再開をして感染者が再び増えた他国(ドイツなど)、州内の連携が取れず混乱を招いた他州の失敗からも学ぶべき。私たちは、賢明であり続けなければいけない」と語っています。再開は待ち焦がれるものの、怖いのは感染の再発。感染の震源地NY市の再開は、残念ながら来週からは無理そうです。

ニューヨーク州再開のガイドライン「NY Forward/ A Gide to reopening New York & building back better」は下記をご覧ください。

全米で134万7936名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年5月12日午前 2:32:22 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は410万3152名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は134万7936名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のスペインの約5.7倍の感染者数。3位英国、4位ロシア、5位イタリア、6位フランス、7位ドイツ、8位ブラジル、9位トルコ、10位イラン。国が大きいアメリカ、英国、ロシアがワースト5を占めています。

日本の感染者数は現在1万5847名、死亡者数は633名、回復者数は8293名となっています。日本はニューヨークのように、爆発的には増えていません。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年5月12日

世界の感染者数 4,178,156名

1.アメリカ 1,347,936名(死亡80,684名)(回復232,733名)

2.スペイン  227,436名(死亡26,744名)(回復137,139名)

3.英  国  224,332名(死亡32,141名)(回復1,015名)

4.ロシア  221,344名(死亡2,009名)(回復39,801名)

5.イタリア  219,814名(死亡30,739名)(回復106,587名)

日本 15,847名 (死亡 633名) (回復8293名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年5月12日午前 2:32:22 時点のデータによる

2020年5月11日現在 ニューヨーク州感染者数33万7055名

2020年5月11日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は33万7055名。死亡者数は2万1640名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。5万6000人を超え、感染率はNYCの中で約31%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:56,862名( 56,493名)

ブルックリン区:49,817名( 49,461名)

ブロンクス区:41,059名( 40,804名)

マンハッタン区:23,977名( 23,881名)

スタテン島区:12,702名( 12,650名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

5月11日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数     337,055名(335,395名),死者数  21,640名(21,478名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数 185,357名(184,417名),死者数  14,200名(14,116名)

NY市の内訳

クイーンズ区:57,180名( 56,862名)

ブルックリン区:50,072名( 49,817名)

ブロンクス区:41,296名( 41,059名)

マンハッタン区:24,062名( 23,977名)

スタテン島区:12,747名( 12,702名)

ナッソー郡:38,337名( 38,217名),死者数   2,425名(2,413名)

サフォーク郡:36,911名( 36,702名),死者数   1,689名(1,667名)

ウエストチェスター郡:31,384名( 31,294名),死者数   1,349名(1,341名)

ロックランド郡:12,484名( 12,451名),死者数     421名(  417名)

○ニュージャージー州:感染者数    139,945名(138,532名),死者数  9,310名(9,255名)

○ペンシルベニア州:感染者数      57,154名( 56,611名),死者数  3,731名(3,707名)

○デラウェア州:感染者数         6,565名(  6,447名),死者数    225名(  224名)

○ウエストバージニア州:感染者数     1,366名(  1,360名),死者数     54名(   54名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 13,312名(13,236名),死者数 1,034名(1,024名)

○プエルトリコ:感染者数         2,256名(  2,198名),死者数     113名( 111名)

○バージン諸島:感染者数            69名( 69名),死者数       5名(   4名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。