ブラピが演じた、COVID-19の有名人【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年05月14日
最終更新 :

アメリカで知らない人はない、COVID-19の有名人

新型コロナウイルス時代のアメリカの有名人といえば、国立アレルギー感染症研究所長 アンソニー・ファウチ博士。ホワイトハウスにおいて、新型コロナウイルス対策チームの主要メンバーであり、6人の歴代大統領に助言を与えてきた感染症の専門家。米大統領が会見で失言や暴言を繰り返すなか、専門家であるファウチ博士が医学的な誤りを訂正。「アメリカの対応が遅すぎた」などと、国民が考えていることと同じ率直な意見を述べるので、人気が急上昇。自分の選挙のために性急に経済再開を望む米大統領とは意見が分かれ、経済再開はリスクが高いと意見するファウチ博士に米大統領は不満顔。現在は一緒に会見はせず、ファウチ博士は感染を防ぐ隔離措置を取り、自宅から意見を述べています。

ブラピが演じた、アンソニー・ファウチ博士

アメリカの人気番組『サタデーナイトライブ』で、ブラッド・ピットが、アンソニー・ファウチ博士を演じました。しわがれ声(ファウチ博士、御歳79歳)を含めあまりにそっくりで、ブラピとは気づかないほど。ファウチ博士はメディア露出も多かったので、てっきり本物だと思っていました。

その動画はこちら

Dr. Anthony Fauci Cold Open - SNL/Saturday Night Live

米大統領の失言・迷言の数々に、コメントをしています。

米大統領「新型コロナウイルスのワクチンは、比較的早い時期にできるだろう」→ブラピ「地球の歴史と比べれば、比較的早いという言い方ができるかもしれません。でも友人と待ち合わせして、比較的早く行くと告げて、1年半後に現れたら友人はムカつくでしょう(ワクチン開発は、専門家には1年半かかるといわれている)」

米大統領「ウイルスは、奇跡のように消滅する」→ブラピ「奇跡はすばらしい。誰もが奇跡を期待する。だけど、奇跡を対策の第一案に?」

米大統領「新型コロナウイルスの治療法として、消毒液の注射などを試してみるのはどうか」→ブラピ 呆然として顔を覆い、絶句(顔には雑菌がつきやすいので、顔を触ってはいけないとされる)。

(意訳:青山沙羅)

アンソニー・ファウチ博士は、ブラピファン

ブラピがアンソニー・ファウチ博士を演じたのには、博士が彼のファンだったという事実も判明。TVでキャスターに「あなたを誰かが演じるとしたら、誰がいいですか? ベン・ステイラーとブラッド・ピットのどちらかでは? 」の質問に、「もちろん、ブラッド・ピット」と即答していたのです。ブラピの演技に対して、「すばらしかったし、事実だ」と賞賛しています。

その動画はこちら

Brad Pitt Gets Dr. Anthony Fauci's Approval On SNL Portrayal: 'He's Really A Classy Guy'/Access 2020/04/27

Earlier in the month, Dr. Anthony Fauci said he would pick A-list actor Brad Pitt to portray him on SNL should the time come--and last weekend, Fauci's wish came true! The physician appeared on Telemundo's "Un Nuevo Dia" and told host Francisco Cáceres that Brad "did a great job." But more importantly, Dr. Fauci said the actor proved he was a "really a classy guy" when he delivered a heartfelt message as himself at the end of his SNL monologue.

ブラピの動画のハイライトは、最後に博士のカツラと眼鏡を外して、「ファウチ博士、この不安な時期において、あなたの冷静さと明瞭なアドバイスに感謝します。そして最前線で新型コロナウイルスと闘う医療従事者、救急隊員の皆さま、および彼らのご家族に心から御礼を申し上げます」と語りかけたこと。演技から離れ、ブラピ個人として語りかけた感謝に、誰もがグッときました。ファウチ博士もブラピの最後のコメントに、「私や最前線で働く人に感謝を示し、特に最前線の家族を讃えたのはすばらしい。彼は人品のすばらしい人だ」と笑顔を見せていました。博士は「人品(classy)」が悪い人と、心ならずもしばらく組まされていましたからね......

全米で139万764名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年5月14日午前 2:32:24 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は434万8308名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は139万764名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のロシアの約5.8倍の感染者数。3位英国、4位スペイン、5位イタリア、6位ブラジル、7位フランス、8位ドイツ、9位トルコ、10位イラン。アメリカ、ロシア、英国の大国がワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。

日本の感染者数は現在1万6049名、死亡者数は678名、回復者数は8920名となっています。日本はニューヨークのように、爆発的には増えていません。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年5月14日

世界の感染者数 4,348,308名(死亡297,232名)(回復1,551,057名)

1.アメリカ 1,390,764名(死亡84,136名)(回復243,430名)

2.ロシア  242,271名(死亡2,212名)(回復48,063名)

3.英  国  230,985名(死亡33,264名)(回復1,032名)

4.スペイン  228,691名(死亡27,104名)(回復140,823名)

5.イタリア  222,104名(死亡31,106名)(回復112,541名)

日本 16,049名 (死亡 678名) (回復8,920名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年5月14日午前 2:32:24 時点のデータによる

2020年5月12日現在 ニューヨーク州感染者数34万661名

2020年5月13日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は34万661名。死亡者数は2万2013名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。5万7000人を超え、感染率はNYCの中で約31%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:57,748名(57,391名)

ブルックリン区:50,667名(50,331名)

ブロンクス区:41,677名(41,441名)

マンハッタン区:24,348名(24,191名)

スタテン島区:12,810名(12,769名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

5月13日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 340,661名(338,485名),死者数 22,013名(21,845名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数187,250名(186,123名),死者数 14,380名(14,299名)

NY市の内訳

クイーンズ区:57,748名(57,391名)

ブルックリン区:50,667名(50,331名)

ブロンクス区:41,677名(41,441名)

マンハッタン区:24,348名(24,191名)

スタテン島区:12,810名(12,769名)

ナッソー郡:38,587名(38,434名),死者数 2,468名(2,453名)

サフォーク郡:37,305名(37,062名),死者数 1,729名(1,704名)

ウエストチェスター郡:31,611名(31,472名),死者数 1,368名(1,360名)

ロックランド郡:12,543名(12,504名),死者数 427名(429名)

○ニュージャージー州:感染者数 141,560名(140,743名),死者数 9,702名(9,508名)

○ペンシルベニア州:感染者数 58,698名(57,991名),死者数 3,943名(3,806名)

○デラウェア州:感染者数 6,952名(6,737名),死者数 247名(235名)

○ウエストバージニア州:感染者数 1,404名(1,371名),死者数 59名(57名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 13,636名(13,488名),死者数 1,068名(1,046名)

○プエルトリコ:感染者数 2,329名(2,299名),死者数115名(114名)

○バージン諸島:感染者数 69名(69名),死者数 6名(6名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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