全米で最悪と言われたNYCの空港が生まれ変わる【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年06月12日
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全米で最悪と言われた空港

ニューヨークシティ近郊には、3つの空港があります。海外から観光やビジネスでニューヨークを訪れる場合、直行便あるいは乗り継ぎ便で、JFK(ジョン・F・ケネディ国際空港)、LGA(ラガーディア空港)、EWR(ニューアーク・リバティー国際空港)いずれかの空港を利用することになるでしょう。

JFK、LGAはニューヨーク市にありますが、EWRはお隣のニュージャージー州にあります。大雑把にくくると、JAL、ANAの日系エアラインはJFK、米系エアラインの乗り継ぎ便はLGA、ユナイテッド航空(UA)はEWR(UAのハブ空港)に着くというイメージです。

2016年11月のフォーブスジャパンの記事によると、ニューヨーカーが利用する3つの空港は、ワースト3位を独占。新型コロナウイルス以前まで、ニューヨーク市のJFK(ジョン・F・ケネディ国際空港)は、各国からの出入りがあり、アメリカでも有数の利用客の多い空港でした。利用客が集中するため、フライトの離発着の遅延、入国審査に時間がかかるなど、悪評もあったのです。

ワーストワンのLGA(ラガーディア空港)は、2016年度時点でフライトの遅延率と欠航率が最も高く、最下位。また人気のなさは、ニューヨークシティ マンハッタンまで最短距離の空港にもかかわらず、アクセスが悪いこと。マンハッタン行きの地下鉄までバス利用、あるいはタクシーやウーバーでなくては移動できないためでした。また空港敷地内の狭さ、売店や飲食店がパッとしないなど、過去にジョー・バイデン前副大統領は「サード・ワールド(発展の途上にある国)」と酷評したほどです。

米国内空港ランキング ワースト3

1 LGA ラガーディア空港(ニューヨーク市クイーンズ区)

2 JFK ジョン・F・ケネディ国際空港(ニューヨーク市クイーンズ区)

3 EWR ニューアーク・リバティー国際空港(ニュージャージー州)

ニューヨークの3空港がワーストを独占、米空港「利便性」ランキング フォーブスジャパン 2016年11月9日

その後、2015年にクオモNY州知事と当時のジョー・バイデン副大統領が、ラガーディア空港のリニューアルを発表しました。

人気がなかった空港が生まれ変わる

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驚くことに、新型コロナウイルス騒ぎの間も、空港工事は止まっていなかったのです。なんと、LGA ラガーディア空港には、美しいターミナルBが誕生していました。

85万平方フィートの広さがある、4階建てのターミナルB離発着ホールは、ニューヨークご自慢の飲食店やしゃれたショッピングエリア、広くてモダンなトイレ、印象的なパブリックアートがあり、ニューヨークを訪れた旅行者にニューヨークらしさを満喫させます。ダサい店しかないと笑われていましたが、ブルックリンダイナー(Brooklyn Diner)、ジュニアズ・チーズケーキ(Junior's Cheesecake)、ヒルカントリーBBQ(Hill Country BBQ)、シンクコーヒー(Think Coffee)、イーライズ(Eli's Essentials with Offerings from Eli Zabar)、ニューマルベリーストリートレストラン(New Mulberry Street Restaurant by Chef Marc Forgione)が誕生。

LGA ラガーディア空港にエアトレインが開通予定

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2020年6月10日 LGA(ラガーディア空港)において、クオモNY州知事が記者会見。ターミナルB完成発表とともに、LGA(ラガーディア空港)のネックとなっていたインフラ整備でエアトレインの開通、さらなる拡張工事で、1995年のデンバー国際空港以来の新空港が生まれます。完成までにはニューヨークの観光業も戻り、生まれ変わったニューヨークへ新空港から降り立つのもいいかもしれませんね。LGA ラガーディア空港はコロナ感染被害が大きかったクイーンズ区コロナ(Corona 元々の地名)エリアに近く、ラガーディアキャリアセンター(職業斡旋所)をクイーンズ区コロナ(Corona 元々の地名)エリアに設置して、地元雇用活性化とコロナ被害の回復を図ります。クイーンズボーイ(Queens Boy クイーンズ出身の意味)のクオモNY州知事は、LGA(ラガーディア空港)をニューヨークの正面玄関にすると誇らし気。LGA(ラガーディア空港)までは、バスで30分ほどと地元の私にとっても、うれしいニュースでした。

■参照記事

Governor Cuomo Unveils New Arrivals and Departures Hall at Terminal B as Part of the $8 Billion Transformation of LaGuardia Airport-NY GOV 2020年6月10日

全米で202万3347名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年6月12日午前 2:45:59 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は751万6656名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は202万3347名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のブラジルの約2.5倍の感染者数。3位ロシア、4位インド、5位英国、6位スペイン、7位イタリア、8位ペルー、9位フランス、10位ドイツ。アメリカ、ブラジル、ロシアがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。また、インド、ペルーの感染者数が増えています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年6月12日

世界の感染者数 7,516,656名(死亡421,498名)(回復3,542,237名)

1.アメリカ 2,023,347名(死亡113,820名)(回復540,292名)

2.ブラジル 802,828名(死亡40,919名)(回復429,965名)

3.ロシア 501,800名(死亡6,522名)(回復260,649名)

4.インド 297,535名(死亡8,498名)(回復147,195名)

5.英国 292,860名(死亡41,364名)(回復1,278名)

■参照データ

Johns Hopkins University. NY時間2020年6月12日午前 2:45:59 時点のデータによる

2020年6月11日現在 ニューヨーク州感染者数38万892名

2020年6月11日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は38万892名。死亡者数は2万4442名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。6万3000人を超え、感染率はNYCの中で約30%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:63,432名( 63,326名)

ブルックリン区:57,605名( 57,484名)

ブロンクス区:46,316名( 46,223名)

マンハッタン区:27,384名( 27,324名)

スタテン島区:13,780名( 13,761名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

6月11日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 380,892名(380,156名),死者数 24,442名(24,404名)

感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数 208,517名(208,118名),死者数 15,479名(15,464名)

NY市の内訳

クイーンズ区:63,432名( 63,326名)

ブルックリン区:57,605名( 57,484名)

ブロンクス区:46,316名( 46,223名)

マンハッタン区:27,384名( 27,324名)

スタテン島区:13,780名( 13,761名)

ナッソー郡:41,060名(41,015名),死者数 2,654名(2,653名)

サフォーク郡:40,512名(40,464名),死者数 1,994名(1,990名)

ウエストチェスター郡:34,106名(34,076名),死者数 1,531名(1,530名)

ロックランド郡:13,385名(13,372名),死者数 466名(466名)

○ニュージャージー州:感染者数 165,816名(165,346名),死者数 12,443名(12,377名)

○ペンシルベニア州:感染者数 77,313名(76,846名),死者数 6,113名(6,062名)

○デラウェア州:感染者数 10,106名(10,056名),死者数 414名(413名)

○ウエストバージニア州:感染者数 2,212名(2,193名),死者数 85名(85名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 16,155名(16,134名),死者数 1,333名(1,321名)

○プエルトリコ:感染者数 5,352名(5,329名),死者数 144名( 143名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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