全米が驚愕 聖書を掲げて記念撮影する人物【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年06月02日
最終更新 :

NYCは夜間外出禁止令が発令

全米各都市で、人種差別反対の抗議デモが暴動化してきており、ニューヨーク市では2020年6月1日午後11時から午前5時までの外出禁止令が発令されました。さらに、暴力と略奪を防ぐために、NY市警の配置人数が倍増されました。外出禁止令は、ニューヨーク市の近隣州、ペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウェア州などでも発令されています。

ニューヨーク州をはじめ、ペンシルバニア州、ニュージャージー州では、アメリカの人種差別は誤りであり、解決されていないことを認めており、ウイルス感染拡大しないようソーシャル・ディスタンスを守ることを前提に、平穏な抗議活動をすることを認めています。ただし、抗議活動を利用して、破壊や強盗を行うことを警戒しています。

■参照記事

Governor Cuomo and Mayor de Blasio Announce Citywide Curfew in New York City Will Take Effect Beginning at 11 PM Tonight- NYS GOV  2020年6月1日

人種差別の抗議活動を利用するのは

昨日の記事にも書いたとおり、人種差別反対を訴えるグループのデモは、暴力的ではありません。警官が人種差別反対に賛意を見せれば、心が寄り添うものです。ただし、この抗議活動を利用して、破壊や強盗を行う犯罪者が紛れ込んでいます。彼らは暴動を煽り、抗議グループとは違った目的を持っているのです。

クオモNY州知事は、下記のように語っています。

私は、人種差別反対の抗議グループが、犯罪を行っているとは思っていない。

抗議活動を利用して、彼らの目的に悪用しようと企むものが紛れ込んでいる。

抗議グループに紛れ込んで、混乱の種を蒔き、無法地帯にしようと企んでいる。そこには盗みをしたい犯罪者も紛れ込んでいる。デモの機会に紛れ込んで、盗みを働いている。デモの機会を利用して、混乱を拡大させようとしている。私は各地元の責任者から同様のことを聞いている。(意訳 青山沙羅)

Now, I don't even believe it's the protesters. I believe there are people who are using this moment and using the protest for their own purpose. There are people who want to sow the seeds of anarchy, who want to disrupt. By the way, there are people who want to steal. And here's a moment that you can use this moment to steal. You can use this moment to spread chaos. I hear the same thing from all the local officials.

Governor Cuomo Proposes National Ban on Chokeholds by Law Enforcement Amid Ongoing Protests Responding to Killing of George Floyd- NYS GOV  2020年6月1日

■関連記事

アメリカの警官が見せた、人種差別反対グループに寄り添う心【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

平和的な抗議グループが催涙ガスで追い払われた

IMG_7627_3.jpg

[Photo by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

早朝のTVニュースには、あっけにとられる場面が映っていました。米大統領は「すべての州知事と市長は、暴動を治めるために州兵を配備せよ。市や州が行わないのであれば、私が武装した米軍を投入して、終わらせる」と発言。ホワイトハウス近辺で、平和的に人種差別反対を訴えていたグループに、警官がいきなり催涙ガスを撒き散らして、追い払いました。グループを追い払ったあと、米大統領はホワイトハウスを横切った場所にある教会(St John's Church)へ行き、聖書を片手に持ち、教会の前で「写真撮影のために」ポーズを取りました。発言とこのポーズは、何の関係があるのでしょうか。

同教会の司教(bishop)は、「私は憤慨しています。米大統領が言うことなすことすべてが、暴力を煽ります。彼は事前許可もなく、教会で祈りを捧げることもなく、教会や聖書を小道具として利用しています。彼の発言と教会は何の関係もありません。私たちは道徳的な指導者を必要としており、彼がなすことすべてが、国民を分裂させています」と怒りを隠せません。

ニューヨークでも、この行動に対して非難が集まっています。

■参照記事

Episcopal bishop on President Trump: 'Everything he has said and done is to inflame violence- Washington Post 2020年6月1日

全米で181万1277名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年6月2日午前 4:33:07 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は628万4065名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は181万1277名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のブラジルの約3.4倍の感染者数。3位ロシア、4位英国、5位スペイン、6位イタリア、7位インド、8位フランス、9位ドイツ、10位ペルー。アメリカ、ブラジル、ロシアがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。また、インド、ペルーの感染者数が増えています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年6月2日

世界の感染者数 6,284,065名(死亡375,902名)(回復2,705,202名)

1.アメリカ 1,811,277名(死亡105,147名)(回復458,231名)

2.ブラジル 526,447名(死亡29,937名)(回復211,080名)

3.ロシア 423,186名(死亡5,031名)(回復186,602名)

4.英国 277,736名(死亡39,127名)(回復1,221名)

5.スペイン 239,638名(死亡27,127名)(回復150,376名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年6月2日午前 4:33:07 時点のデータによる

2020年6月1日現在 ニューヨーク州感染者数37万1711名

2020年5月31日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は37万1711名。死亡者数は2万3959名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。6万2000人を超え、感染率はNYCの中で約30%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:62,094名(61,975名)

ブルックリン区:56,053名(55,900名)

ブロンクス区:45,359名(45,253名)

マンハッタン区:26,721名(26,653名)

スタテン島区:13,537名(13,522名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

6月1日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 371,711名(370,770名),死者数 23,959名(23,905名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数 203,764名(203,303名),死者数 15,283名(15,256名)

NY市の内訳

クイーンズ区:62,094名(61,975名)

ブルックリン区:56,053名(55,900名)

ブロンクス区:45,359名(45,253名)

マンハッタン区:26,721名(26,653名)

スタテン島区:13,537名(13,522名)

ナッソー郡:40,479名( 40,396名),死者数  2,619名( 2,615名)

サフォーク郡:39,705名( 39,643名),死者数  1,954名( 1,949名)

ウエストチェスター郡:33,552名( 33,481名),死者数  1,501名( 1,499名)

ロックランド郡:13,185名( 13,151名),死者数    458名(   458名)

○ニュージャージー州:感染者数 160,918名(160,445名),死者数 11,721名(11,698名)

○ペンシルベニア州:感染者数 72,282名(71,926名),死者数 5,567名(5,555名)

○デラウェア州:感染者数 9,605名(9,498名),死者数 368名(366名)

○ウエストバージニア州:感染者数 2,017名(2,010名),死者数 75名(75名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 15,709名( 15,549名),死者数 1,288名(1,277名)

○プエルトリコ:感染者数 3,873名(3,776名),死者数 136名(136名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。