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アメリカ/ニューヨーク3特派員ブログ 青山 沙羅 さん

アメリカ・ニューヨーク3特派員が現地から北米地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2020年6月 6日

NYブロンクスに住んでいたとき、日本人の私が感じた人種差別【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】


NYブロンクスに住んでいたとき、日本人の私が感じた人種差別【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

今の時期で、ハッとした記事ふたつ


全米あちこちで人種差別反対のデモが起こっています。新型コロナウイルスで世界が一変した今こそ、負の歴史を一掃する変革時期なのかもしれないと思います。変わるなら今なのです。
昨日読んだ記事に胸を突かれたので、シェアしたいと思います。人種差別については、日本ではなかなか理解し難く、対岸の火事かもしれません。遠いことのように感じるかもしれません。でも読んでみてください。


自由で平等の国のはずのアメリカでは、歴然とした人種差別があります。


●黒人ファミリーの一員になった私。夫の密かな習慣で、黒人が置かれている立場に気づいた HUFF POST 2020年6月5日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5ed97378c5b69d703f385dd4


「近くのコンビニに行くのにも髭を剃り、髪を整える。 町中や商店では突発的に走らないようにしている。 それは黒人である夫が「自分が危険人物ではない」ことを世間に示すための密やかな「処世術」だった。(記事より引用)」


この記事では、夫の処世術もさることながら、義母(アフリカ系)から「黒人としての振る舞い方」を2歳の孫に伝授するよう指導があったところに胸をつかれました。
「警察の前では、抵抗しない、手は見えるところに置く、突発的な動作をしないってことをちゃんと教えてあげてね」と、幼児期から身を守るように教育されることが切ないです。


●黒人青年が母から言われた「16のやってはいけないこと」が、黒人にとって警察がどれほど脅威かを教えてくれる HUFF POST  2020年6月6日
https://www.huffingtonpost.jp/entry/unwritten-rules-black-man-follow_jp_5edb3ee5c5b6a80a46d465f7


「ルールには『ポケットを手に入れてはいけない』から『買わないものを触らない』など、私たちが普段何気なくやっていることがたくさん含まれている。しかしその行為が黒人の人たちにとっては命の危険になり得る。(記事より引用)」


上記の記事は、より具体的な教訓が列挙されています。


ブロンクスで私が感じた人種差別


人種差別は語るには難しすぎる問題なのですが、過去に自分が感じたことを少し。


私は3年半ほどニューヨークのブロンクスに住んでいました。ブロンクスというと、ニューヨーカーが怖がるエリアで、治安が悪い、アフリカ系アメリカ人が多いといわれています。夫(日本人)と私は、日本人所有の賃貸アパートに住んでおりましたが、ブルーカラーの労働者が個人所有するコンドミニアム(アパート)が多く建ち、ブロンクスの中では治安がいいエリアでした。アパートの広さの割に家賃が安いことが魅力で、夫が実際にエリアを見に行き、治安を確認して決めました。地下鉄の便もよく、マンハッタンのミッドタウンまで30分ほどでした。


住民はアフリカ系アメリカ人が7割ほどで、近隣はストリートが1本違っても雰囲気がガラッと変わるので、緊張感は否めませんでした。常にあたりを警戒し、外を歩くときはガラス越しに誰かついてきていないか確認しろと、夫に注意されていました。そのあと、ブロンクスからファミリー層が多いのんびりしたクイーンズに引っ越したときは、やはり緊張感が一気に解けました。


しかしながら結論をいうと、ブロンクスで大人のアフリカ系アメリカ人から怖い思いをしたことは、一度もありませんでした。彼らは違う人種に対して、誤解されないよう注意していると思いますし、お互い距離を置いていました。思い起こしてみると、怖い思いをしたのは3年半のうち2回で、1回はアフリカ系のティーンエイジャーが、地下鉄車両から私の自宅途中までついてきていると感じたこと。駅に降りて店のショーウィンドウ越しに見ると、15、16歳のアフリカ系のティーンエイジャーが私の後をついてきているようなのです。顔を見ると、地下鉄車両内で見たような。そう思うと怖くなり、女性服の専門店に入って、買うつもりもない服を試着したりして時間を潰し、ティーンエイジャーがいなくなるのを待ちました。彼はおもしろ半分に時間を潰しているのかもしれませんし、目的はわかりません。ただし、アメリカのティーンエイジャーは、身体も考えも大人並みなので、怖いのです。


もう1回は、ブロンクスに引越したばかりのとき、私服警官と名乗る体格のいい白人男性ふたりに、コートの腕をいきなり引っ張られて職務質問を受けたこと。何をしたわけでもなく、普通に自宅へ帰る途中だったので、ビックリしました。


「見ない顔だな、英語は話せるのか。写真付き身分証明書を見せろ」と言われ、私服警官なのかどうかもわからないと怪しむものの(バッジを見せられたけど、本物の警官バッジを知らない)、夫にアメリカの警官に決して逆らってはいけないと言われていましたし、やましいところはひとつもないので身分証明書を見せました。しかも大男ふたりに囲まれ、逃げようもない状況でした。この警官ふたりは、このエリアの住民のほとんどを把握しているようです。私服警官と名乗るふたりは、確認したら気が済んだのか行ってしまいましたが、そのとき「ここはやっぱりブロンクスなのだ」と実感しました。そのあと、クイーンズに長く暮らしていますが、同様の経験は一度もありません。


ブロンクスに住んでいる間、地下鉄で毎朝見る光景は、地下鉄の入口で、警官がアフリカ系とラテン系を呼び止め、彼らの荷物の中身をチェックすることでした。彼らは慣れているのか、おとなしく従い、されるままになっていました。アジア人や白人は呼び止められることなく、アフリカ系とラテン系だけが対象でした。警官は紳士的に呼び止めるわけでもなく、犯罪者を扱うかのようでした。それは、ジョージ・フロイド氏の事件と同じものが根底に流れていたと思います。


ただし、人種差別はアフリカ系だけでなく、アジア系に対してもあります。「マスクをするアジア人」が標的にされた憎悪犯罪(ヘイトクライム)に怯えたものです。


ブロンクスで感じたレディファースト


ブロンクスでよかったことは、アフリカ系アメリカ人がレディ扱いしてくれることでした。地下鉄で座席を譲ってくれるのは、アフリカ系アメリカ人の若い男性。乗り降りのときも女性を優先してくれ、レディファーストのアメリカを実感したのは、NYのなかでブロンクスが最多でした。現在住むクイーンズは中国系やラテン系、インド系が多く、彼らは日本人男性と同じで、妊娠中の女性や小さな子供がいても、席を譲ることはまずありません。仕事で疲れきった自分を労わることが優先なのです。


ブロンクスでは、3人の子供を連れたアフリカ系の母親を地下鉄車両内で見かけましたが、4人とも本を開いていました。子供たちは、知的な母親に倣っているのです。とても印象的で、すてきな光景でした。


クオモNY州知事はこう言っている


私たちは結束しています。
私たちは白黒の肌の色の違いにかかわらず、北部の州や南部の州のエリアにこだわる必要もありません。
私たちは赤(共和党)でも青(民主党)でもありません。私たちはひとつの国アメリカなのです。(意訳 青山沙羅)


We're united. We're not black and white, we're not upstate, downstate. We're not red and blue. We are one state.


Governor Cuomo Holds Briefing on George Floyd Protests & Provides Update on COVID-19 Progress- NYS GOV 2020年6月3日
https://www.governor.ny.gov/news/video-audio-photos-rush-transcript-governor-cuomo-holds-briefing-george-floyd-protests-provides

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[Photo by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.




全米で189万7838名、アメリカは世界一の感染者数。


NY時間2020年6月6日午前 3:33:00 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイト によると、世界の感染者数は674万2875名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は89万7838名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のブラジルの約3倍の感染者数。3位ロシア、4位英国、5位スペイン、6位インド、7位イタリア、8位フランス、9位ペルー、10位ドイツ。アメリカ、ブラジル、ロシアがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。また、インド、ペルーの感染者数が増えています。


【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年6月6日


世界の感染者数 6,742,875名(死亡395,030名)(回復2,749,980名)


1.アメリカ 1,897,838名(死亡109,143名)(回復491,706名)
2.ブラジル 614,941名(死亡34,021名)(回復254,963名)
3.ロシア 449,256名(死亡5,520名)(回復212,237名)
4.英国 284,734名(死亡40,344名)(回復1,228名)
5.スペイン 240,978名(死亡27,134名)(回復150,376名)

    
■参照データ
Johns Hopkins University. NY時間2020年6月6日午前 3:33:00 時点のデータによる
https://coronavirus.jhu.edu/map.html



2020年6月5日現在 ニューヨーク州感染者数37万6208名


2020年6月5日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は37万6208名。死亡者数は2万4175名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。


ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。6万2000人を超え、感染率はNYCの中で約30%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital ,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。


クイーンズ区:62,692名(62,542名)
ブルックリン区:56,770名(56,587名)
ブロンクス区:45,778名(45,688名)
マンハッタン区:27,037名(26,968名)
スタテン島区:13,663名(13,621名)


詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html



6月5日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数


○ニューヨーク州:感染者数 376,208名(375,133名),死者数 24,175名(24,133名)
感染者数内訳(主なエリア) 


ニューヨーク市:感染者数 205,940名(205,406名),死者数 15,371名(15,356名)
NY市の内訳
クイーンズ区:62,692名(62,542名)
ブルックリン区:56,770名(56,587名)
ブロンクス区:45,778名(45,688名)
マンハッタン区:27,037名(26,968名)
スタテン島区:13,663名(13,621名)
   

ナッソー郡:40,797名(40,713名),死者数 2,631名(2,629名)
サフォーク郡:40,239名(40,153名),死者数 1,965名(1,963名)
ウエストチェスター郡:33,854名( 33,767名),死者数 1,519名(1,514名)
ロックランド郡:13,297名(13,280名),死者数 465名(464名)


○ニュージャージー州:感染者数 163,336名(162,530名),死者数 12,049名(11,970名)
○ペンシルベニア州:感染者数 74,385名(73,942名),死者数 5,886名(5,817名)
○デラウェア州:感染者数 9,773名(9,746名),死者数 388名(386名)
○ウエストバージニア州:感染者数 2,119名(2,092名),死者数 84名(78名)
○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 15,914名(15,843名),死者数 1,304名(1,293名)
○プエルトリコ:感染者数 4,620名(4,508名),死者数 141名(140名)


■ 在ニューヨーク日本国総領事館
299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171
HP: http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/html/



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カテゴリー お知らせ 治安・渡航安全情報
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  • 特派員プロフィール
  • ニューヨーク3特派員

    ニューヨーク3特派員
    青山 沙羅 さん
    はじめて訪れた瞬間から、NYにひと目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、2009年ついに上陸。 旅の重要ポイントは、その土地の安くておいしいものを食すこと。 特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、「やられたら、やり返せ」。 プロ・フォトグラファーの夫とNYふたり暮らし。寄稿媒体は旅行系やファッション、恋愛、結婚相談所、ペットなど。共同著書『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日(PIE International、2020年3月)』発売中。 DISQUS ID @disqus_vpjPapDSKD

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