2020年10月現在 ニューヨーク市において日本人が遭った犯罪被害について

公開日 : 2020年10月17日
最終更新 :

NYCで強盗事件が増加

スクリーンショット 2020-10-16 12.55.03 PM.jpg

ニューヨーク市の犯罪マップ(マンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス) 2020年8月時点 

(C)NYC Crime Map - NYC.gov

2020年10月15日の在ニューヨーク日本国総領事館の「ニューヨーク市の治安情勢等に関する注意喚起」によると、

NYPD(ニューヨーク市警察)によると、マンハッタン南部パトロール地区(セントラルパーク以南)では、2020年10月11日現在で強盗事件が913件発生。コロナ禍で経済閉鎖されていた影響などで昨年同期よりも約4%減少しているものの、直近の1ヵ月間では約14%の増加。またコリアンタウン(韓国人街)を含むミッドタウンの商業地域では、従来から観光客などを狙うスリや強盗事件が多く発生、十分注意する必要あり。

上記の2020年8月時点のニューヨーク市犯罪マップ(https://maps.nyc.gov/crime/)で、色が濃いエリアが犯罪率が高くなっています(色が濃くなるほど、犯罪率が高い。色が薄いほど、犯罪が少ない)。犯罪マップを見ると、セントラルパーク以北のハーレムやブロンクス、ミッドタウンの劇場街やコリアンタウン(韓国人街)、チェルシー、グリニッジビレッジ、ウエストビレッジの犯罪率が高いようです。ブルックリンの人気エリアDUMBO(ダンボ)も、現在は治安がよくありません。

2020年10月 コリアンタウンで日本人女性が強盗傷害に遭う

スクリーンショット 2020-10-16  PM.jpg

コリアンタウン近辺の犯罪マップ 2020年8月時点 

(C)NYC Crime Map - NYC.gov

2020年10月15日の在ニューヨーク日本国総領事館の「ニューヨーク市の治安情勢等に関する注意喚起」によると、ニューヨーク市マンハッタン区コリアンタウン(韓国人街)で日本人女性が犯罪被害に遭っています。

2020年10月5日夕方、マンハッタンのコリアンタウン(bet 34th St and 35th St on Broadway)を邦人女性が歩いていたところ、何者かに急に背後から強く押されて転倒し、複数人から上着の内ポケットを探られて貴重品を盗まれる事案が発生。被害者は軽傷で済みましたが、病院に運ばれたとのこと。自身の銀行口座を確認したところ、すでにATMで現金が引き出されていたそうです。

暴力犯罪や拳銃発砲事件はニューヨーク市内各地で発生、ニューヨーク市では犯罪マップ(https://maps.nyc.gov/crime/)を公表しているので、犯罪率の高い地域に外出する際には、十分に警戒する必要があります。コリアンタウンは、犯罪マップでは最も濃い色で、犯罪率が高いエリア。ただし住所を見ると、犯罪が起こった bet 34th St and 35th St on Broadwayは、韓国レストランが建ち並ぶコリアンタウンのメインである、32nd Street between Broadway and 5th Avenue よりはやや北上したエリア。ヘラルドスクエアのメイシーズの近くのようです。メイシーズのあたりは、銀行も多いのですが、現金を下ろすときなどは周りに注意し、用が済んだら素早く立ち去った方がいいでしょう。

2020年9月 セントラルパーク以北で日本人男性が暴行被害に遭う

スクリーンショット 2020-10-16 .jpg

セントラルパーク以北の犯罪マップ 2020年8月時点 (C)NYC Crime Map - NYC.gov

2020年10月6日の在ニューヨーク日本国総領事館の「ニューヨーク市の治安情勢等に関する注意喚起」によると、ニューヨーク市マンハッタン区ハーレムで日本人男性が犯罪被害に遭っています。

2020年9月27日夜、在留邦人がマンハッタン(セントラルパーク以北)で地下鉄を降り改札を抜けたあと、男女8人が出口をふさぐような形で通行を妨害していたため、同邦人が通り抜けようとしたところ、その中のひとりの女性がぶつかったと言いがかりをつけ、同グループの複数人で殴りかかる事案が発生しました。同邦人は逃げようとしたところ、同グループにあとを追いかけられ、さらに殴られて負傷。

調べてみると、事件が起きたのはハーレム地区にあるウエスト135番ストリート駅で、被害に遭われたのは日本人ジャズピアニストの男性。重傷を負い、手術されたとのことで、1日も早い回復を祈ります。犯人はまだ捕まっていません。セントラルパーク以北のウエストハーレムは、犯罪マップでは最も濃い色で、犯罪率が高いエリアになっています。

■参照記事

NYで暴行され重傷の日本人ピアニスト、手術受け回復中 - CNN CO JP 2020年10月12日

ふたつの事件とも、複数人に取り囲まれている

ふたつの事件とも被害者の同行者については記述はなく、ひとりで外出しているときに、複数人に取り囲まれた犯罪のようです。アメリカではティーンエイジャーであっても心身ともに大人と変わりなく、抗えません。コロナによる経済の衰退、ストレス、コロナ感染拡大防止のため囚人の解放(2020年3〜4月の間で1500名の囚人を解放したと言われる)などで、ニューヨークの治安は悪化していると言われています。銃犯罪も増えているそうです。外出時は、できるならひとりでない方がいいかもしれません。

私が住むクイーンズ区のエリアは、犯罪マップで色がついておらず安全なエリアですが、それでも暗くなったら外出はしないように注意しています。

■参照記事

The Mayor Blames the Virus for Shootings. Here's What Crime Data Shows. - The New York Times 2020年8月4日

目を通しておきたい、在ニューヨーク日本国総領事館の安全マニュアル

IMG_8320_3.jpg

Photo by [Hideyuki Tatebayashi ] Do not use images without permission.

安全対策の参考として在ニューヨーク総領事館のウェブサイトには「ニューヨーク安全マニュアル」(https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/index.html)を掲載しています。同マニュアルの「事件や事故に巻き込まれたら」(https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/ny-anzen-manual_2019.pdf)には、以下のとおり緊急時の連絡先等を記載しておりますので活用ください。

・警察・消防・救急はすべて「911」

緊急時には「911」をダイヤルし(公衆電話ではコイン不要)、オペレーターに緊急事態の場所と内容(警察・消防・病院の別)を告げます。英語で説明できないときには「ジャパニーズ・プリーズ」と告げれば、日本語通訳サービスを介しての通話が可能です。緊急時以外には、「911」ではなく管轄の警察署へ直接連絡しましょう。

・総領事館への通報

思わぬ事態に遭遇しお困りの方は、総領事館の「邦人援護担当官」へご連絡ください。週末・休日は緊急時のための24時間対応可能な電話システム(日本語オペレーター対応)も導入しています。

■在ニューヨーク総領事館

・電話: 1-212-371-8222

弁護士、通訳に関する情報は、下記リンクからご覧になれます。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。