冬に訪れる乙宝寺

公開日 : 2018年02月16日
最終更新 :
筆者 : fuji

2月15日撮影。晴れ間が見えた新潟市から胎内市に向かい、乙宝寺に行きました。

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乙宝寺の歴史は天平8年(736年)・聖武天皇により二人の高僧が開山したところから始まり。

境内中心にある大日堂(金堂)には胎蔵界大日如来・阿弥陀如来・薬師如来が祀られ、年間を通し様々な成就祈祷が行われています。

インドから来た僧がお釈迦様の左眼を納めたとして"乙寺"とつけられ、のちの平安時代に後白河天皇が左眼を納めるための金塔を寄進したとして"乙宝寺"と名付けられました。(※右眼は中国で納められ"甲寺"と呼ばれる。)

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境内の手水舎には"どっこん水"と言われる清水が勢いよく流れ出ており、昔弘法大師が立ち寄り修行した際に独鈷(とっこ...密教で用いる法具)で清水を出したと伝えられています。飯豊山から流れ出る胎内川の伏流水で冷たく清らかな自然水です。

手水舎の奥には国の重要文化財である"三重塔"があり、1620年に竣工した江戸初期建築・純和様式の古式の塔が建てられています。

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1689年に松尾芭蕉が奥の細道で立ち寄ったとされ、境内の浮世塚には春の桜を詠んだ芭蕉の句碑が残されています。

また、乙宝寺には寺にまつわる伝説が多く残され、その中でも"お猿の伝説"は平安時代の今昔物語集に載せられているとされます。

(お猿の伝説...裏山に住む猿二匹が和尚さまから木皮経を書いてもらい、人間(越後の国司)となって生まれ変わるというお話。そのため、猿供養寺という名や猿を供養した墓などが残っているという。)

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乙宝寺は祈願の霊場とされ、人々の安穏を願い建てられたお寺といいます。

生きる上でのつらいこと、どうしようもならない時に神仏に祈る祈祷寺院として多くの人が御参りにやってきます。

冬の乙宝寺。積雪のため境内全部はまわれませんでしたが、静寂な空間で水も空気も澄んでいるところなので、近くに来た際にはぜひご参拝してみてはいかがでしょうか。

【真言宗智山派 如意山 乙宝寺】

住所:新潟県胎内市乙1112番地

御祈祷・御供養は年中無休。

(※30年4月1日~ 時間を定めるため要確認)

駐車場:第一~第三駐車場あり

筆者

新潟特派員

fuji

新潟県在住。新潟の四季折々をお伝えします。

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