倉敷屏風祭 ―倉敷市美観地区―

公開日 : 2017年11月09日
最終更新 :
筆者 : mami
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今月は倉敷美観地区をご案内していますが

阿智神社の秋季例大祭にちなんだ行事に

倉敷屏風祭があります。

今年、日本遺産の構成文化財にも認められた伝統行事です。

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あいにくの雨でしたが多くの人で賑わっていました。

まずは国重要文化財の旧大原家住宅です。

普段は倉敷格子が嵌められたお部屋ですが

見えやすいように開け放っています。

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こちらの屏風は版画家棟方志功の作品です。

枝葉を広げたヒノキが力強く従来の屏風の雰囲気を覆す

ダイナミックな屏風でした!

元々は襖絵だったものを屏風に作り替えたものだそうです。

大原家と棟方志功は親しい中で

先月も大原総一郎と棟方志功の親交をあらわす書簡が

新たに見つかったと報道されたばかりでした。

棟方に政策を依頼した作品の出来を厳しく批判する内容で

独自の審美眼で芸術家を導いた大原氏と

叱咤を受け止め飛躍した棟方の絆を物語る資料となるそうです。

美観地区の大原美術館には棟方志功の展示室もありますよ。

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こちらは永井邸だったかな?

格子戸を開け放ちて自由に入れます

四季折々の自然を描いた穏やかな屏風でした。

着物や甲冑も飾り華やかでした。

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築100年以上の造り酒屋、森田酒造の屏風です。

虎の子がお乳を飲んでいるところで

母親は厳しい顔で周囲を伺っています。

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加藤邸も格子戸を外して玄関の上がり框に設えていました。

「鶴亀」という二曲一隻の屏風です。

唐の書に影響を受け頼山陽など文人とも交流があったという

篠崎小竹という儒学者の屏風です。

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東町の難波邸です。

ここでは地元テレビ局の撮影が行われていて

肝心の屏風の写真が上手く写っていませんでした。

こちらにも華やかな自慢の一品のお着物が。

説明文によると大正時代、広島の造り酒屋からお嫁に来た奥さまが

嫁入りの時に纏ったお着物だそうです。

当時、倉敷駅から東町まで続いた嫁入り行列が

大名行列のようだったとか!

戦前はそんな雅やかな花嫁行列が

繰り広げられていたのでしょうか?

今では、まず見られない光景ですね。ご紹介したのは、ほんの一部ですが

それぞれのお宅が先祖から伝わる屏風を飾る

~わが家のおひろめ祭~ 雅やかな世界でした。

筆者

岡山特派員

mami

岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。

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