誕生寺の大銀杏 ~久米南町~
こんにちは。岡山特派員のmamiです。
岡山県もオミクロン株が急激に感染拡大しており、23日には県内で572人の新型コロナウイルス感染が判明し、5日連続で過去最多を更新しています。県は22日、政府に対して「まん延防止等重点措置」の適用を要請中です。
そんな中、岡山県久米南町を紹介していますが、外出自粛をしながら写真は、昨年の秋に撮影をしたものを活用しています。今回は久米南町にある誕生寺を紹介したいと思います。
誕生寺は、浄土宗他力念仏門の開祖、法然上人の誕生の地です。熊谷法力房蓮生が師である法然上人の命を受けて、法然上人誕生の旧邸を寺院に改めたのがはじまりです。熊谷法力房蓮生というとピンとこないかもしれませんが、鎌倉時代の源氏の荒武者熊谷直実と聞けばご存じの方も多いかと思います。
この寺院で有名なのは、樹齢850年といわれる"上人お手植の大銀杏"ではないでしょうか。秋には見事な姿で、紅葉狩りと銀杏を拾いに来る人で賑わっていました。夕陽を浴びると黄色く色付いた葉がより美しく輝きますよ~。
ここには"誕生寺七不思議"というものがあります。そのひとつに、境内を奥へ進むと橋があり、その下に誕生寺川が流れていますが、この川の境内周囲だけは「片目川」と呼ばれています。
その訳は、法然上人が子供の頃、仲たがいをしていた明石定明によって屋敷に夜襲がかけられます。武士の子として文武の教育を受けていた勢至丸(法然上人の幼名)は、弓が得意だったので敵将の明石定明の右眼を射抜きます。定明がその傷を誕生寺川で洗って以来、川には片目の魚が出現するようになり片目川と呼ばれるようになったといわれています。
この時の傷が元で父親は亡くなりますが、遺言として残したのが敵を恨む仇討ちを戒め、「仏門に入って父の菩提を弔ってほしい。」というものでした。その遺言通り、勢至丸は母の弟が住職を務める菩提寺(奈義町)へひきとられ、類稀な才能を発揮し、さらに仏門を極めるため比叡山延暦寺へ向かいます。
母親の秦君の像。比叡山延暦寺へ行った勢至丸を気遣っている姿でしょうか。
「かたみとて はかなき親のとどめてし このの別れさえ またいかにせん」 母・秦氏君詠
という和歌が残っています。
母子の絆をたちきって別れ、母・秦氏君は遠くの勢至丸を思いつつ37才の若さで亡くなっています。
勢至丸の旅立ちの姿の像です。比叡山延暦寺へ行ってからは、故郷のこの地に戻ってくることは二度とありませんでした。
門前の外れには趣のある念仏橋という石橋があります。法然上人の弟子となった熊谷法力房蓮生(熊谷直実)は法然上人の自作の御木造(現誕生寺の御本尊)を背負って自らの弟子数人を連れて、ここにたどり着いた時、上人のかっての館を目前に到着の喜びと感激に号泣し、この橋の上で地も裂けんばかりに念仏を唱えつづけたと伝えられます。
3月には、3月3日を挟む1週間、門前で誕生寺門前通り「おひな祭り」が開催される予定です。
去年は中止だったので、今年は無事開催してほしいですね。
- 住 所
- 岡山県久米郡久米南町里方808
- 電話番号
- 086-728-2102
- 料金
- 庭園拝観200円、宝物館200円
- アクセス
-
JR誕生寺駅から徒歩約15分または、中国自動車道院庄ICから約20分
駐車場: 普通車50台、バス20台
筆者
岡山特派員
mami
岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。
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