フェアプレーとメープルシロップ

公開日 : 2010年02月27日
最終更新 :

スキーを履いて生まれてきた」と言われるほどのスキー大国ノルウェー。冬季五輪のニュースが毎日駆け巡っていますが、ここでクロスカントリーを語るときに欠かせないひとりのノルウェー人がいます。4年前の冬季五輪で、カナダとノルウェーの国民を感動させ、全世界にフェアプレーの意義を再認識させたノルウェーのクロスカントリーのコーチ、Bjørnar Håkensmoen(ビョルナル・ホーケンスモーエン)です。

 それは2006年のトロント大会、女子スプリントの試合中でした。カナダのSara Renner 選手のストックが競技中に突然折れてしまい、入賞は絶望的と一瞬誰もが思った時、ホーケンスモーエンコーチがためらいもなく、すかさず自分のノルウェーチームのストックを彼女に渡したのです。この試合でカナダは銀メダルを獲得、優勝を狙っていたノルウェーは4位という結果に終わりました。

 その次の日の夜、Sara Renner 選手はお礼にワインボトル1本をコーチに贈りました。ところが、そこで話は終わらず、コーチの純粋な行為に感動したカナダ国民は、「メープルシロッププロジェクト」と称し、5.2トン(8,000カン)のメープルシロップを彼に贈呈したのです。そして、最終的にこのメープルシロップはノルウェーのガン団体に寄付されました。

 後のインタビューでホーケンスモーエンコーチは、「あれは自分にとって当たり前の行動だった。誰もがそうするべきだと思うよ。」と答えたそうです。今ではこの出来事はノルウェーでスポーツのフェアプレーやスキーの話をする時には欠かせない話題のひとつであり、また多くのノルウェー人が彼の行動を誇りに思っています。

 前回の大会でのエピソードではありますが、今回の冬季五輪のニュースの中で、今でも彼のフェアプレー精神が話題になり、繰り返し「スポーツの本来あるべき姿」の重要性が強調されていたため、今回こちらでも紹介させていただきました。

参考:NRKニュース

ペーパーマガジン、The Monthly Moose Vol.2 Issue 5 - February 2010

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