高校卒業祝い RUSS(ルス)
ナショナルデーまでの1か月間がルス・フェスティバル
4月17日から次第にルスたちの大騒ぎが始まり、ピークは5月1日のメーデーと、お祭り騒ぎの最終日となる5月17日の憲法記念日/ナショナルデーとなります。
バスを貸し切り、ビールを飲み、時にはタバコを吸いながら街を徘徊する卒業を前に控えた高校生。「あれ、ビールは飲んでいいの?」と疑問に思いますが、ノルウェーでは18歳から喫煙・飲酒が可能。ルスの時期になると、高校生のアルコール摂取量が莫大に増加するため、この傾向を危険視する人も多いようです(ノルウェーでは高校の卒業平均年齢が19歳)。
ビールを手に持って、気取って街中を歩き回る。ちょっとした「かっこつけ」がルスのステータスの一部。
※写真は、ルスバスの上に座ってビールを飲む男子生徒たち
日本の卒業式では卒業証書に同級生たちからメッセージを書いてもらったりして記念に残しますが、ノルウェーではルスのお祝い期間中に自分たちでオーバーオールに白いマーカーやシールなどでオリジナルのデザインをし、友人にメッセージを書いてもらったりします。
実は色には意味があり、学生たちが専攻していた科目の種類を示しています。世間一般でいう赤ルス(赤いオーバーオールの高校生)は一般教養(歴史、数学、生物学、文学など)選考、青ルスは健康学や経済学、黒ルスはサービスや工学系の専門技術。以前は緑・白・オレンジルスもいたそうですが、今ではほとんど見かけられないそうです。ノルウェーで見かけるのはほとんどが赤ルスの子たちばかり。
実はこのオーバーオール、ルス期間中の1か月は洗濯をしないという決まりがあります。毎日履いていて、時にはビールをこぼしたり、酔っ払いすぎてオーバーオールの上に吐いてしまったり。そう、実は結構臭くて汚いんです。
※写真の女の子の後ろにあるのはルスバス
バスには色々なデザインがあります。毎年ルスバスの中には特に「かっこいい!」と話題になるデザインのバスが。今年はオスロのルスの間ではこのバスが結構イケていると評判のようです。バスが凝ったデザインであればあるほど、お金がかかっていて、「クールな」ルス集団となれます(バス貸切をする学生たちは各自の親が高額なお金を払っています)
オーバーオールと同じように、このルスバスもまたルス期間中は洗ってはいけないというルールが。もし誰かがバスを洗おうものなら、罰としてその犯人の「誇り」であるオーバーオールの片足の布部分をハサミで切り取ってしまうことも。また、オスロではルスの移動手段はこのバスですが、田舎に行くとバスではなく、車(ルスカー)が使われることが多いそうです。
ルスたちが熱中するのは、自分たちのルス帽子の紐がたくさんのアイテムで飾られていること。これは、ルスが被る帽子に太くて長い紐がついていて、とある公式に定められたルール(課題)をクリアするごとに小さなアイテムがもらえて、それを紐につけていきます。このルス帽子の紐がミニアイテムで豪華になればなるほど、「イケてる」ルスというわけです。
ルス帽子の紐公式委員会の2010年のルール100によると、例えば、ルール2/3日3晩(72時間)寝ない、ルール16/警察官にキスをする、ルール74/1日で100人と抱擁する、など。実はこのルールの中には「ルス期間中に安全な性行為をする」など、エッチ系のものもかなり多いことで知られています。とあるサイトでは「2010年のかっこいいルス帽子」と題して写真が載っています(リンクはこちら)
※左側の写真は、授業が始まる前に木に1時間座り続ける生徒
大騒ぎをするルスの高校たちはこの1か月間を思いっきりエンジョイしていますが、一部の外部の人はうるさすぎて顔をしかめる人も。
私の友人の中では、「昨日は夜中ずっとルスたちが大騒ぎしていて眠れなかった!」、「昨日通りを歩いていたら、ルスバス(ルスたちの貸切バス)が通って、酔っ払っている学生たちが窓からビールを振りまいていて、髪の毛がびしょびしょに塗れて、アルコール臭くなった!!」と、多少被害を受けてプンプンしている人もいます。
※写真は全て高校生の友人から提供してもらいました。
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